
3月限りでテレビ朝日を退社し、フリーになる小川彩佳アナが7月から『NEWS23』(TBS系)のキャスターになる方向で調整していると報じられている。テレ朝の『報道ステーション』で7年半キャスターを務めた小川アナが就任すれば、夜のニュースはさらに激戦区となる。テレビ局関係者が話す。
「23時台の報道番組は、日本テレビの『news zero』が10年近く好調を続けてきましたが、NHKからフリーになった有働由美子アナが昨年10月にキャスターに就任し、全体的に衣替えしてから少し苦戦していました。最近は2月12日に11.0%を記録するなど少し盛り返してきているものの、これからどうなるかは未知数です。
同時間帯の『NEWS23』は、今が追い上げるチャンス。有働アナは直近まで情報番組を務めていたこともあり、視聴者の目にまだ報道キャスターとは映っていない可能性もあります。その点、小川アナは7年半も『報道ステーション』のキャスターを務めており、視聴者もスッと受け入れられる。TBSの期待は大きいでしょう。本来なら10月改編からとなるところを、何とか7月で調整しているのだと思います。本当なら4月からやってほしいのが本音でしょう。帯番組は局全体の視聴率に大きな影響を及ぼしますから」(以下同)
5年連続で視聴率三冠王に輝いている日テレは、日曜の『世界の果てまでイッテQ!』などゴールデン帯の番組ばかりが注目されているが、一番大きいのは帯番組の好調だという。
「朝の『ZIP!』がフジの『めざましテレビ』と視聴率1位争いを演じ、夕方の『news every.』は13~14%取ることもある。週5回放送される番組が高視聴率なら、1番組の数字に留まらず、視聴者にもとりあえず日テレを着けておくという習慣が生まれやすい。特に、夜寝る前には日テレのままチャンネルを消してくれれば、朝起きてテレビをつけたら日テレから始まる可能性が高くなる。そういう意味でも、どの局も23時台の報道番組の役割は大きい」
TBSは全体の視聴率を上げるためにも、局を上げて小川アナの『NEWS23』キャスター就任を実現したいところだ。一方で、この動きから不協和音も生まれそうだという。
「またフリーアナがメインの座を奪うことになれば、局の女子アナたちは面白くないでしょう。ここ数年だけでも田中みな実アナ、久保田智子アナ、吉田明世アナとエース級のアナウンサーたちが続々とフリーになっており、宇垣美里アナも3月限りで退社する。
TBSは昔から自前のアナウンサーよりも、他局出身のアナウンサーにメイン的な役割を任せる傾向が目立ちます。『筑紫哲也NEWS23』の時代にはNHK出身の草野満代アナ、膳場貴子アナが代々サブキャスターを務め、筑紫哲也さんが亡くなった後の『NEWS23』では膳場アナがメインとなった。現在の雨宮塔子アナにしても、TBSを辞めてから今の地位についている。局の人気アナだった小林麻耶さんも、フリーになると同時に『総力報道!THE NEWS』を始めた。局アナとしてメインになるのは相当難しいんです」
フリーになれば、TBSにメインで舞い戻る可能性もゼロではなく、渡辺真理アナのようにTBSを辞めた後に『ニュースステーション』(テレビ朝日系)のキャスターになった例もある。
「多くのアナウンサーは、帯番組のメインを目指している。しかし、TBSで頑張っても、そうはなれないと悟り始める。それなら、フリーになって一旗揚げようと考えるのは自然な流れかもしれません」
小川アナの『NEWS23』キャスター就任報道で、TBS女子アナのやる気が削がれないか心配だ。