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「社員が顧客満足を目指す組織」は社員満足からはじまる。 - 玉木潤一郎(経営者)

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■顧客満足は社員の犠牲の上に成り立つのか

ファーストリテイリングが本当にブラック体質なのかどうかについてここでは精査しない。しかし一部の過重労働を批判されていたのは事実で、国内にはそういう企業が他にも数多くある。

それらの企業がスローガンとして顧客満足を謳っているケースは多い。しかしそのためには社員の労働環境を軽視しても構わないと前面に押し出しているわけではない。

企業が顧客満足を追求した結果として社員が犠牲になっている構図だ。そこにはもちろん利益の最大化という要因もあるが、少なくとも社員を優先してはいない。

果たして顧客満足とは、そのように社員の過重労働をもってしなければ達成できないものなのだろうか。もっと言えば、顧客満足と社員の幸福とは相反するものなのだろうか。

■社員が自主的に顧客満足を目指す企業

顧客満足の旗を企業の先頭で振る者はいったい誰であるべきなのか。多くの場合は社長が先頭に立ってその役を担うだろう。

冒頭に述べたように企業は顧客から対価を得る。そのため社長がその顧客に目を向けるのは当然である。

しかし実際に顧客と接するのは現場のスタッフたちである。会社の方針として社長が強く顧客満足を掲げたとして、現場の社員がどこまで自社のサービスや商品で顧客を満足させようと努めるかはわからない。

もちろん大半の人は職業人としての責務を全うするだろうし、顧客に喜んでもらうことで得られる喜びを知っている。そして企業はそういう社員の自主性に依存してこれまで顧客満足を追求してきた。

だが今後は、社員の幸福を実現しようとする会社から自主的に顧客満足を実現しようとする社員が多く見られるようになっていく。

■社員の幸福に顧客満足がついてくる

ZOZOのホワイトすぎる労働環境がそのような顧客満足につながるかどうかは、これからの評価となる。

しかし社員が会社に対する不平不満に満ちている企業が顧客満足にたどり着くことはないだろう。ZOZOはまずその可能性を排除した。

逆に社長が社員の幸福を第一に考えたら、果たしてその社員たちは顧客を大切にしないのだろうか。

おそらく社員が会社を大事に思ってくれて、その会社の商品に自信を持ち、さらには顧客を大切にするのではないだろうか。

もしかしたら社長が声高に顧客満足を叫ぶよりも、遥かに高い水準の顧客満足を社員が自ら追求するようになるのかもしれない。

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