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不景気も統計一つで好景気

2月15日、衆院財務金融委員会において、麻生財務大臣の所信表明が行われました。その冒頭は、次のような日本経済の現状認識でした。

「日本経済につきましては、企業部門の改善が家計部門に広がり、好循環が進展する中で、今回の景気回復期間は、本年1月時点で戦後最長になったとみられ、緩やかな回復を続けております。」

私は、「企業部門の改善が家計部門に広がり、好循環が進展する」という表現に、強烈な違和感を覚えました。企業収益が改善し、内部留保が空前の額に達していることは事実ですが、その恩恵が家計に届いているとは到底思えません。

2月19日、衆院財金委において、私は麻生大臣の認識は、国民の景気実感とかけ離れているのではないかと、厳しく質しました。いざなみ景気を超えて戦後最長の6年2か月にわたり、景気の回復が続いているということですが、直近の世論調査の結果をその根拠として挙げました。

景気回復についてNHKの調査では、「実感していない」が66%、「どちらともいえない」が20%、「実感している」が8%でした。

日本経済新聞の調査では、「実感せず」が78%、「実感している」が16%でした。朝日新聞の調査でも、「実感はない」が78%、「実感がある」が16%でした。

大臣の答弁は、しどろもどろで全く説得力がありませんでした。日本経済の現状を正しく認識しなければ、問題解決などできるはずがありません。

実質賃金は景気実感に直結すると思いますが、厚生労働省の毎月勤労統計で、調査手法のからくりにより賃金の増減率が実際よりも高く見えるようになっていました。しかも、厚労省は物価の変動を考慮しない名目賃金の参考値しか公表しておらず、生活実感に近い実質賃金の参考値は公表していません。

専門家や野党の試算によると、昨年の実質賃金の伸び率は、通年でマイナスであったことが明らかになりました。厚労省もマイナスになる可能性は認めていますが、数値をきちんと公表するように求めても、「検討中」と逃げています。

このタイミングで総務省が「統計の日」の標語の募集をしたところ、同省のツイッターが大喜利状態になってしまいました。

「統計は どうせ不正だ ほっとうけい」

「統計の 理解は まず政府から」

「忖度で 統計自在に 改ざんし」

など、笑うに笑えない標語がたくさん寄せられています。

その中でも、私が最も秀逸だと思ったのは、次の標語。

「不景気も 統計一つで 好景気」

アベノミクスを自画自賛する政権と、国民の景気実感のギャップを鮮やかに喝破していますので、本号の表題にしました。

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