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児童虐待防止法と東京都条例、現行制度の課題はどこにある?

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東京都では、2019年第1回都議会定例会に東京都子供への虐待の防止等に関する条例が提出されています。

http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/02/13/16_01.html

東京都子供への虐待の防止等に関する条例は、総則、虐待の未然防止、虐待の早期発見及び早期対応、虐待を受けた子供とその保護者への支援等、社会的養護等、人材育成等の全6章17条により構成されています。

わざわざ条例で定めるわりには、児童虐待防止法の範疇にとどまるものです。

条例で新たに規定されたこととして、都民と事業者への努力義務、妊産婦への健康診査受診努力義務、若年者に対して予期しない妊娠に至らないための啓発などがあります。
若年者への啓発は、都立高校を抱える東京都としてしっかりと取り組んでいただきたい。

一方で、条例に規定されることで、児童虐待防止が後退するように感じられることもあります。
前文で、「虐待を行ってはならないとしつつも、核家族化地域社会の人間関係の希薄化などを背景に家庭や地域社会における養育力が低下することにより保護者が子育てに困難を抱えその結果虐待行為に至ることがある事実も受け止めなければならない。」とありまして、虐待も許容されるのか?と感じさせます。
まさに蛇足の一文。

また、児童虐待防止法で客体は、「児童」ですが、条例では、「子供」「子供」という表現に、児童の人権尊重の思いは感じられるか?
よく、「子ども」という表記が使われますよね。

大田区の立場としては、これから児童相談所を設置するので、人材確保に努めるところです。条例15条で「人材育成が規定され、都は区市町村及び関係機関等における人材の育成を図るため専門的な知識及び技術も修得に資する研修等を実施するものとする。」とあるのみ。
引き続き人材育成は課題となりそうです。

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