- 2019年02月22日 20:15
再生も無理「東芝」消滅へのカウントダウン - 大西康之
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東芝が溶解していく。
フラッシュメモリー事業を「産業革新機構」(INCJ)、米「ベインキャピタル」、韓国の「SKハイニックス」という日米韓連合に売却したことで、2018年度の連結売上高は3兆6200億円にまで減る見通しだ。ピーク時の7兆6681億円(2007年度)の、実に半分以下である。
筆者は2017年、『東芝解体 電機メーカーが消える日』(講談社現代新書)を書いたが、まさにタイトル通り「解体」が進んでいる。今のペースで溶け続けると、あと10年で東芝は間違いなく消滅する。
何をする会社?
JR山手線の浜松町駅。改札を抜けて右に曲がると羽田空港行きモノレールの改札があり、直進して左に曲がると東芝本社ビルにつながる長い屋根付きの通路がある。改札を出てすぐの広場には、コンビニエンスストアと数軒の飲食店がある。
「東芝のホーム」である広場の柱は、筆者が知る限り30年以上、東芝の指定席だった。昔はエアコンなどの白物家電、10年前は福山雅治を起用した液晶テレビ「レグザ」や、ノートパソコン「ダイナブック」の広告が躍っていた。白物家電やデジタル機器が振るわなくなってからは、有村架純を使ったフラッシュメモリーの広告になった。
その指定席が、東京の土産菓子として人気の「東京ばな奈」の黄色い広告に変わった。衝撃的である。
昨年5月には、ニューヨークのランドマーク・タイムズスクエアにあった、赤地に白文字の「TOSHIBA」のLED看板が撤去された。売上高が最高を記録した2007年に設置されたこの看板は、年末年始のカウントダウンで「世界10億人が観る」と言われた。
さらに昨年3月には、1969年以来続けてきたテレビアニメ『サザエさん』のスポンサーも降板した。
街角から「TOSHIBA」が消えていくのは、宣伝広告が販売に直結する消費財から東芝が撤退しているからだ。2015年に粉飾決算が発覚し、米原発子会社「ウエスチングハウス」で1兆4000億円の巨額損失を出して以来、東芝はボラティリティ(好不調の波)が高い消費財からどんどん手を引いていった。
白物家電は中国の「美的集団(マイディア)」に売却、「レグザ」で知られたテレビ事業は中国の「海信集団(ハイセンス)」、「ダイナブック」で一世を風靡したパソコン事業は台湾の「鴻海(ホンハイ)精密工業」傘下の「シャープ」に、そして「ハイテク東芝」の代名詞でもあったフラッシュメモリーは、冒頭で触れたとおり、日米韓連合に約2兆円で売却した。
約6000億円でウエスチングハウスを買収した2006年に社長だった西田厚聰氏や、後任の佐々木則夫氏は、「選択と集中」を掲げ、原発と半導体事業に投資を集中した。しかし海外原発事業で大失敗した結果、半導体の主軸であるフラッシュメモリー事業まで手放すことになり、「両翼」を失った。消費財事業を売りまくることで債務超過は免れたが、今の東芝は何をする会社だか分からなくなってしまった。



