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司法試験の合格レベルが「がた落ち?疑惑」

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 しかし採点者達も、流石に今の現状はまずいと思ったのでしょう。答案の評価の点で、間接的に受験生のレベル低下の危機を訴えています。例えば民法の小問2では次のように記載されています

良好に属する答案の例は,優秀に属する答案との比較においては,小問(1)においては所有権留保売買が担保目的であることは理解しているものの,それがなぜ妨害排除請求権の成否に影響を与えるのかの理由付けが曖昧であるものや,小問(2)においては本件では対象財産が不動産ではなく動産であり,これが結論に何らか影響を及ぼすのかに意識を向けることができなかった答案などである。
一応の水準に属する答案の例は,小問(1)において所有権留保売買の法的性質が担保目的であることに理解が及ばなかったとか,小問(2)においてEとDとが対抗関係に立つとするなど小問(1)又は小問(2)において大きく筋を外してしまった答案などである。

 これだけ見ると、あ~、所有権留保売買が担保目的だと理解できたら成績は良好な方なんだな~と思われるかもしれません。
 しかしそもそも所有権留保売買は非典型担保の例として必ず学びますし、担保目的であることは当たり前というか、もはや一般常識レベルの知識にすぎません。

 しかも、実は、本問の所有権留保売買が担保目的であることは問題文に明確に書かれているのです
 具体的には問題文事実10②に、「甲トラックの所有権は、Aが①の代金債務を完済するまでその担保としてDに留保されることとし」と書かれているので、この記述に気付いたか否かだけの問題です。

 このレベルでも良好な水準として採点者が評価しなくてはならないということは、医師でいえば「風邪は手術では治らないと理解していたので、医師として良好な水準と評価せざるを得なかった」といっているのと変わりはしません。つまりそれだけ受験生全体のレベルが低下しているということです

 ましてや、私達実務家の目からみれば、所有権留保売買の法的性質が担保目的であることを知らない時点で、答案として一応の水準どころか、法律家にしてはいけない、司法試験を受験することすらやめた方がいい、な~んにも分かっちゃいないレベルなのです。
 

 このようなレベルの答案でも、不合格にできない採点者の苦悩が滲み出ているとしかいいようがありません

 司法試験受験生の大多数が法科大学院出身者ですから、低レベル答案の多くは法科大学院出身者が書いたものということになるはずです。

 したがって、法科大学院は直ちに自らの教育能力を再チェックすると同時に、低レベルの受験生を大量に発生させている現実を確認し反省すべきです。厳格な卒業認定をしているのなら、所有権留保が担保目的であることも分からない学生が卒業(しかも大量に!)できるはずがありません。

 このような低レベル受験生が多数輩出されていることを示す司法試験の採点実感を見る限りにおいて、法科大学院のプロセスによる教育が実効性を挙げているなどとは到底いえません。もちろん厳格な卒業認定を行っているなどとは、よほどの恥知らずでなければ、恥ずかしくて言えるはずがありません。

 したがって、そのような法科大学院に、「法曹になる本道は法科大学院である」と主張する資格も、予備試験を「本道ではない、抜け道だ」などと非難する資格もありはしません。

 なぜなら、プロセスによる教育を受け、(法科大学院がいうところの)本道を歩み、なおかつ厳格な卒業認定をパスしているはずの法科大学院卒業の受験生の多くが、どうしようもない答案しかかけていないのですから。

 より、はっきりいえば、採点実感から見る限り(もちろん上位レベルの受験生は別ですが全体的にみれば)、法科大学院は法曹にとって必要な力を学生に身に付けさせる能力がないということです。

 また司法試験委員会は1500人程度合格させよとの政府の意向があったとしても、司法試験法に法曹になろうとする者に「必要な学識及び応用能力を有するかどうかを判定することを目的とする」と明記されているのですから、法の目的を重視し、無理に合格させてはいけないと思います。

 採点者が採点実感に込めた悲痛な叫びを、私達は見逃してはならないと思います。

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