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小沢一郎の再・強制起訴と漂流する市民目線の行方

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検察審査会の二度目の議決が下り、小沢一郎が強制起訴されることになった。

小沢一郎の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐって、前回の検察審査会では全員一致で「起訴相当」とされ、趣旨文の中では、そうした判断を「これぞ市民目線である」と高らかに自画自賛していた。

新聞、テレビなど多くのマスメディアは、この「市民目線」に対して喝采を送ったが、私は逆にそうした全員一致の「市民目線」に「公開人民裁判」と同じ臭いを感じて強い違和感を抱いた。今回の検察審査会でもその「市民目線」のあり方は変わっていないように思える。

小沢一郎の強制起訴にまで至った今回の陸山会事件について、実体的な内容を理解している「市民」や「国民」は、果たしてどれほどいるだろうか。

陸山会事件の実体的内容を理解していない国民

今回の事件では、小沢一郎の政治資金団体「陸三会」が2004年に購入した土地取引にからみ、購入原資となった小沢からの借入金4億円を04年分の収支報告書に収入として記載せず、支出(土地購入)についても05年に支出されたように収支報告書に記載したこと、そして、小沢氏からの借入金4億円は07年に返済されたが、その記載が無かったことが問題とされている。要するに、政治資金報告書に意図的に虚偽の記載をしたということが今回の事件の焦点であり、言い換えれば、それ以外のことは何も訴追していないのである。

マスコミは、一般国民のこの事件の実体的な内容に対する理解度をなぜ調査して公表しないのかと思うのだが、大多数の国民は、「小沢一郎がゼネコン等から賄賂性の高い金をもらって土地を買い、そのことを隠すため政治資金報告書に嘘の記載をした」というように、この事件の背景で「汚職」や「贈賄」行為が行われたと捉えているのではないか。

というのも検察当局も捜査の初動段階で同様の「見立て」を行っており、メディアに情報をリークし、強引な捜査を行ったのだが、そうした見立てを立証する証拠は何ひとつ出てこなかった。

今回の事件で小沢一郎の元秘書たちが告発、逮捕された時のことを思い出してほしい。マスコミや検察OBたちもテレビや新聞に登場して「政治資金収支報告書の記載の問題は、入り口に過ぎず、もっと大きな山がこの後にあるはず」と大見得を切っていたのだが、結果は見ての通りである。

もともと今回の事件の「見立て」は、三重県の中堅ゼネコン、水谷建設の虚言癖のある水谷功元会長の証言に端を発している。水谷功元会長は、当時すでに脱税容疑で起訴されていたが、検事の心証を良くしたい一心から「胆沢ダム工事の下請け受注の見返りに計1億円を小沢の秘書に渡した」などと証言した。特捜本部が、この証言に飛びついたのが、小沢一郎をめぐる一連の事件の発端である。水谷証言に基づく情報は、検察当局からリークされ、新聞各紙はそれをあたかも見てきたように書き散らしていたが、前福島県知事の汚職疑惑などの裁判を通じて、水谷元会長の証言の信頼性そのものが根本的に否定されている。

検察の強引な「見立て」と国策捜査の破綻

すなわち、マスコミが喧伝する小沢一郎をめぐる「政治とカネ」の問題とは、現在、検察当局を根底から揺るがしている、厚生労働省の元局長の不正斡旋疑惑事件と同様に、検察の誤った「見立て」による国策捜査が破綻した結果なのである。

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