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まだ見ぬ社会課題を見つけるために 日本財団がTwitterで世界を救うアイデアを求めた理由

インターネットテレビ局・AbemaTVで、社会課題を解決するための番組『10億円会議 supported by 日本財団』が1月15日より放送されている。番組では、応募されたアイデアに対し出演者が合否を判定、合格した場合、日本財団から資金提供の機会を得ることができる。番組を通じて日本財団が拠出する可能性がある総予算はタイトルにもとづき10億円。ここから応募者が資金を獲得していくという。

これにあわせ、同番組をサポートする日本財団は2月1日から『10億円会議キャンペーン』をスタート、Twitterで社会課題を解決するアイデアの投稿を促している。投稿時にハッシュタグ「#にっぽんざいだん」をつけることで、キャンペーンアカウントからリアクションも受けられることも。

「多くの人に社会課題について考えて欲しい」と語る日本財団経営企画部の花岡隼人氏に、本キャンペーンの狙いを聞いた。

日本財団経営企画部の花岡隼人氏 今回の番組を担当する

予算「10億円」の番組で、日本財団の審査を疑似体験

—— 「10億円」という莫大な資金を投入した番組となりましたが、きっかけはなんだったのでしょうか

花岡隼人氏(以下、花岡):日本財団とAbemaTVさんで話をしていくなかで、「日本財団の資金を提供してもらえるのは限られた人なんじゃないか」という話があったんです。もちろん、そんなことはないのですが、一般の方には日本財団という存在が社会課題を解決していることすら知られていないのも事実です。

そこで、日本財団を知っていただき、社会課題を解決するアイデアを募集する新たな取り組みとして、社会の課題を解決する番組をAbemaTVさんと企画しました。

——番組でおこなわれる審査の内容は実際のものに近いのでしょうか

花岡:当財団ではご提案いただいた事業に対し、様々な角度からヒアリングをおこなっていきます。今回の番組中でもMCのデーモン閣下をはじめ、5名の審査員の方から鋭い質問が次々と投げかけられており、日本財団の審査を疑似体験してもらうことはできると考えています。

 
AbemaTV『10億円会議 supported by 日本財団』出演者はデーモン小暮閣下をはじめ、個性的な面々が揃う ©AbemaTV

Twitterキャンペーンを社会課題について多くの人が発信するきっかけに

——今回は番組と同時にTwitterで「#にっぽんざいだん」というハッシュタグを付けての投稿を促していますね

花岡:我々に事業をご提案いただくNPOや社会福祉法人の方は、社会課題に近い場所にいるので、専門的な知見や独自のアイデアを持っています。しかし、そうではない一般の方たちも日頃感じられている問題や、それを解決するためのアイデアが一つや二つあるはずです。そういった方たちにも、まず何かひとつアイデアを発言してほしいと思っています。

普段、「社会課題を解決しよう」なんてランチをしながら話したりはしないですよね。でも、Twitterのこのキャンペーンに乗っかることで、普段話さないようなことも言えるかもしれない。実際に日本財団に申請しようと思うと、申請書や事業計画書を整えるなど、手続きだけでもなかなか大変ですが、その1歩、2歩手前の行動としてTwitterで発信してもらいたいと思っています。

——例えば日本財団では、どのような分野に注力されているのでしょうか

花岡:ひとつは、子どもに関する分野です。日本財団は子どもの貧困問題や難病児支援、社会的養護出身者の支援など、子どもに関するさまざまな支援を実施しています。ご存じのとおり、日本は超高齢社会に近づいており、若年層や子どもを取り巻く課題に予算を振り向ける議論が後回しになりがちです。我々はそういう課題を政策アジェンダにしていくために、活動を続けています。

もし子どもの貧困について気になっていて、何か解決したいと思っていても、親同士でそういった会話をするのは難しいと思います。そんな方にTwitterでつぶやいていただいて、何か反応があって、という経験をしてもらいたいですね。

社会課題について「まずは発信すること」が重要だという

「お金が団体を潰してしまう」ことも 一筋縄ではいかない助成の現実

——日本財団はこれまでも多くの団体に支援をしてきたと思いますが、与えられた資金をうまく使うことも難しいように思います

花岡:よくあるケースとして、大きな金額を助成すると、それを使うのにいっぱいいっぱいになってしまうということがあります。やはり、ポンと渡されたお金をどう使うかというのは難しいんですね。団体の中でお金の分配についての議論ばかりが行われてしまうこともあり、結果として「お金が団体を潰してしまう」という事例もあります。

一方で、成長過程にある団体が、お金を上手く使うことで伸びていくケースもあります。子どもの貧困や教育格差の解消に取り組むLearning for Allという団体には日本財団からも大きな助成をさせていただきましたが、最近、別の企業からも資金を獲得したそうです。

Learning for Allのように、日本財団からの資金を踏み台にして次のステージに進み、団体自身が新たな寄付を集められるようになれば、助成に成功したケースと言えるのではないでしょうか。

——日本財団からの支援を、NPO等が自立に繋げていくことが重要ですね

花岡:普段活動されている団体からの目線だと、どうしても足りないものは「資金」に見えがちですが、本当に必要なのは資金ではなく事業戦略だったということが多々あります。

こうした視点がないと、社会活動に対して支援しても、やりっぱなしになってしまう。確かに目の前の人は救われているんですが、その人達がどう救われたのか、その人達が次にどうしていくのか、それがないゆえに砂場に水を撒くような支援になってしまいます。

そうすると結局、日本財団の助成金が終わったときに活動が途切れてしまうんですね。こうしたケースに鑑みて、資金以外の面でも支援が必要だと我々も感じています。

花岡氏によると、近年、社会課題の解決に乗り出す私企業も多いそうだ

設立から56年 「相談するなら日本財団」と思ってもらえる団体を目指す

——今回の番組やキャンペーンで、そういった部分の改善に期待していることは

花岡:結果的に変わるかもしれないと感じているのは「世間の目にさらされる」という点です。日本財団の助成事業は、日本財団と助成先のコミュニケーションに留まりがちで、一般の方に個別に関心を持っていただきづらいという性質があります

もちろん、公金を扱っているので、説明責任を果たすための情報発信はお願いしていますが、団体独自の発信力の域を出ることはありません。今回は「10億円会議」という番組で合格になった方が資金提供を受けるので、その後も「そういえばあの人はどうなった?」と世間に追いかけられる可能性があります。そういった外からの視線があることで、襟を正すことにつながりますし、さらに新たな資金を得られるかもしれない、その点は期待を持っています。

——日本財団として、支援する側の課題はありますか

花岡:やはり、日本財団自体が社会課題の解決を目指しているということをご存じない方が多いので、その点を多くの方にご理解いただいて、新たな人たちと一緒にやっていきたいと思っています。

1962年に前身の日本船舶振興会が発足してから56年間、海洋分野から福祉分野まで、日本財団はさまざまな分野の支援をおこなっています。ボートレースの収益金という公金を使いながら、社会において誰もまだ手を付けてない分野にスピード感を持って資金を提供していくというのが、我々の強みです。

今回のTwitterキャンペーンを通じて、忘れられている課題や、世間で課題とされているものの別の側面にスポットライトを当てることのできる方に出てきてほしいですし、そういう方に「相談するなら日本財団」と思ってもらいたいですね。

関連リンク

10億円会議キャンペーン
[ PR企画 / 日本財団 ]

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