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  • 東龍
  • 2019年02月20日 19:26

ゴミ箱から魚、床に唐揚げ、商品なめる、口に出し入れ。続出する従業員の炎上事件は、ある3つの欠如が原因

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食材への敬意

事件を起こした従業員は、食品を扱う施設で働いているわりには、生産者、および、生産者がつくりだした食材に対して敬意の念が欠如しているように感じられます。

食材をゴミ箱に入れて出したり、床にすり付けたりすることが、どうして楽しいのか非常に不思議です。食材そのものや生産者に対して、全くありがたみがないので、このような失礼なことを行えるのではないでしょうか。

什器をふざけて使うことも、食への敬意が払われていないように感じられます。作り手であれば、料理を作るために、自分の手足となって動く調理器具は、食材と同じようにとても大切なものでしょう。まずは道具をしっかりと扱えるようになること、その大前提として、道具を大切にすることが最初に教えられるはずです。

今でこそ、最初の数年間キッチンスタッフは皿洗いだけ、ということはあまりなくなりましたが、だからといって調理器具を粗雑にしてよいわけではありません。

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食品ロスの対策として農林水産省は「食べものに、もったいないを、もういちど。」をスローガンとして、食べ物に対する敬虔な気持ちを訴えていますが、今では世界共通語となった「もったいない」という言葉や考え方を生み出したのは日本人です。

ここまで大きな炎上となっているのは、単に衛生的に問題があったからというだけではなく、食材に対する侮辱が行われていたからではないでしょうか。食に対して尊敬の念を持つ常識的な人々が、食材への侮蔑行為を許せないと感じ、批判しているのです。

農林水産省では食育をもっと推進していくために、「食育推進会議・食育推進評価専門委員会」を立ち上げ、2018年10月31日に第1回目、2019年2月6日に第2回目となる食育推進評価専門委員会を開催しました。

こういった炎上事件をなくしていくためにはもちろん、経済的な観点から、黒毛和牛や醤油、イチゴなどを日本の食の素晴らしさを世界へ展開していくためにも、日本にはもっと食材や生産者の重要性を教育する食育が必要であると考えています。

食べ手に対する想像力

これらの事件では、問題の画像や動画を閲覧した人が、これはひどいことだと非難したり通報したりし、それをメディアがやはりけしからんという論調で追従しました。

どの事件でも擁護する声がほとんど上がっていないのが大きな特徴です。つまり、ほとんどの人が、画像や動画の行為を好ましくないと認識しているといえます。

事件を起こした理由は承認欲求があるからではないかという指摘もありますが、どうしてこういった事件が承認欲求になると本人が考えたのかが重要です。

おそらく事件を起こした従業員は、食べ手に対する想像力が欠落していたのではないでしょうか。

食品を弄ぶことが面白いと感じているために、画像や動画を閲覧した食べ手が、不快に感じるなど全く想像できなかったのだと思います。

食に対する意識や常識はや育った環境によって大きく変わります。

戦時中や貧困の中で育てられれば、それこそ、おいしいかどうかは関係なく、食べ物を口に入れられ空腹を満たせるだけで幸せだと感じるので、米粒ひとつ残すことすら、もったいなくてできないでしょう。

現代の日本ではそこまでの環境で育てられた人はあまりいないにせよ、食べ残すことはいけないことであると教わったり、箸の上げ下げからお椀の持ち方、食事中の姿勢について、躾けられた人であれば、食べ物やテーブルウェアを粗末に扱うようなことはしないと思います。

食に関してあまり躾が厳しくない環境で育った人であったとしても、大きくなってから、自分で意識を改める人もいるでしょう。

事件を起こした従業員は、友人と一緒においしいものを食べたり、生産者や作り手が食べ手のことを考えて励む様子を見聞きしたり、作ったものを誰かに食べてもらって嬉しかったりするなど、食を通したコミュニケーションの経験が乏しかったのではないでしょうか。

そのため、自分自身が作り手や担い手になっているにも関わらず、食品をどのように扱ったら相手はどのような気持ちになるのかを理解できず、食べ手に対する想像力が足りなかったのかもしれません。

食文化は人にとって重要

冒頭で紹介した記事では、それぞれのオーサーの専門分野などの観点から、深い分析がなされており、非常に興味深く、納得できるものばかりでした。

私は食の立場だけから鑑みて、これまでの炎上事件を起こした従業員たちは、食品衛生の意識、食材への敬意、食べ手に対する想像力が欠如していたために、このような行為に及び、画像や動画を公に投稿してしまったのではないかと考えています。

食べ物は人間が生きるための栄養を摂取する上で必要ですが、単に栄養を摂取するためのものではありません。そうであるからこそ、家族の団らんに奮発して豪華な食材を購入して鍋料理を作ったり、意中の異性とのデートでファインダイニングへ訪れたり、重要な仕事相手と高級店で同じものを食したりするのではないでしょうか。

一連の炎上事件は、食品衛生に問題があるからだけで批判されているのではなく、人にとって重要な食文化が毀損されているからこそ、これだけ多くの批判にされされているように思えてなりません。

※Yahoo!ニュースからの転載

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