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辺野古「反対者リスト」作成に国が関与の疑い 人権侵害の指摘も(渡瀬夏彦)

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海上警備は現在別会社だが、やはり抗議行動参加者を絶えず撮影。(撮影/渡瀬夏彦)

周知の通り安倍政権は、2018年12月14日から辺野古崎付近の浅瀬の海に土砂を投入している。だが、民意も地方自治も人権も貴重な自然も、すべてを踏みつける政府の蛮行は、それだけではない。大浦湾側では、マヨネーズ状の軟弱地盤の改良工事が知事によって許可されぬ事態が確定的で、すなわち建設計画が頓挫することが明白な状況にもかかわらず、新たな護岸工事にも取りかかっている。

さて、ここで取り上げたいのは、政府による人権侵害、市民運動弾圧の恐ろしさが、すでに沖縄において、殊に新基地建設ゴリ押しの現場において、露骨な形で常態化している問題だ。14年の着工以降、不当逮捕者が50人を超えていることも恐ろしい事実だが、プライバシーの侵害も看過できない問題だ。

1月28日と29日、『毎日新聞』は1面でスクープ記事を掲載した。それは、16年5月に『沖縄タイムス』が報道した事実に関する詳報記事と言ってよいものだった。

辺野古・大浦湾の海上警備を担当するライジングサンセキュリティーサービスという会社(沖縄での子会社の名はマリンセキュリティー)が、14年から辺野古新基地建設強行に抗議し海上行動に参加してきた市民の顔写真入りリスト60人分を作成したという大問題。

『毎日新聞』はこのリストを入手した上で警備会社の幹部社員に取材するなど、事実の検証を進めた。

その「反対者リスト」に学歴、職歴、家族構成などの情報を克明に記された人もいる。警備会社関係者は『毎日新聞』の取材に「沖縄防衛局調達部次長」から指示があったことを示唆している。

ただ防衛局側は「指示」の打ち消しに躍起で、16年8月には安倍内閣としても、仲里利信衆議院議員(当時)の質問主意書に対して「『リスト』を保有しておらず、お答えをすることは困難」との答弁書を閣議決定している。

【開示請求後に情報削除の悪質さ】

16年にこのリストの存在が発覚して間もなく防衛局に文書開示請求をするなど、抗議の意思と事実追及の姿勢を示してきた北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)は、いま憤りを新たにしている。

「私たちは当時から、警備会社に直接問いただしたり、防衛局と交渉したり、国会議員の協力を得て政府を追及したりしてきましたが、2年余り経っても国の関与を明らかにするところまでいきませんでした。しかし今回の毎日新聞の報道で『沖縄防衛局の調達部次長』という言葉も出てくるなど、国の関与の疑いが濃厚になりました。詳細な個人情報をリストに盛り込むなど、これは一民間企業ができる仕事ではありません。国の人権侵害の悪質さが、一層鮮明になったというべきでしょう。しかも、私の情報開示請求後に、文書上の個人情報を削除したことまでが明らかになりました。文書改ざんまでしているわけで、本当に許し難いことです」

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