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「会社が儲かれば給与は上がる」というのは「都市伝説」か「神話」にすぎない

先日、ある研究会で配られた資料を見て驚きました。大きな不公平が、如実に示されていたからです。
 それは、次のような数字です。資本金10億円以上の企業を対象にしたもので、いずれも単位は億円です。

         2010年    1998年     差
経常利益   4852      2344      2508
配当      1380.1     565.9     814.2
給与      7830      8071     △221

 資本金10億円以上の企業では、1998年から2010年までの間に、経常利益は508 億円増えています。配当に至っては814.2億円増大し、2倍以上になっています。
 しかし、給与だけは減っていました。その減収額は221億円にもなります。
 本来、労働者の給与として支払われるべき部分が、経常利益として会社の収入となり、配当金として株主の手に渡ったというべきかもしれません。もし、この給与の減少分をきちんと支払ったとしても、経常利益にしろ、配当にしろ、増え方が少なくなるだけで、マイナスになるわけではありません。

 この間には、2002~07年の戦後最長の景気回復期が含まれています。大企業は軒並み史上最高益を更新し続けました。
 その反映が、経常利益の増大や配当の多さに反映されています。しかし、それは、給与には全く反映されませんでした。
 「会社が儲かれば給与は上がる」というのは、「都市伝説」か「神話」の類にすぎなかったのです。富者が豊かになれば、そのおこぼれが貧者の懐にも回ってくるというトリクルダウン理論も、真っ赤な嘘でした。

 もう一つ、この時に示された数字で興味深いものがあります。それは外国人株主の保有比率の大幅な上昇です。
 10年度の比率は、機械27.9%、電気機械32.5%、輸送用機械30.9%、精密機械29.3など、ほとんどの機械産業が3割前後になっています。外国人株主の保有比率が3割を超えている業種は、鉱業36.3%不動産業32.5%、保険業34.5%だそうです。
 つまり、日本の企業であっても、その株の3割ほどは外国人に握られているというわけです。もちろん、企業によってはばらつきがあり、この割合がもっと高いところもあるでしょう。

 これらの数字は、日本の大企業が従業員のことを顧慮していないということ、日本の企業であっても必ずしも日本の「国益」を守るようなスタンスを取らないということを示唆しているように思われます。
 環太平洋経済連携協定(TPP)などについての企業の主張や行動を見るときには、これらの数字を思い出してみることも、大いに役立つのではないでしょうか。

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