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沖縄県民投票をスルーする自民党の姑息さ

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■正反対の主張を繰り広げる朝日と読売の社説

この連載では各紙の社説を読み比べている。よく社説は「おもしろくない」と言われるが、「沖縄県民投票」をめぐる社説は読み比べると、とてもおもしろい。どのように書いても、その新聞社のスタンスが明らかになり、本音を知ることができるからだ。

2月15日付では多くの新聞が「沖縄県民投票」を社説のテーマに選んでいる。ここでは正反対の主張を繰り広げている朝日新聞と読売新聞の社説を読み比べていこう。

「結果はもちろん、これまでの経緯、そして運動期間中に交わされる議論や関係者の動きにも目を凝らし、この国のありようを考える機会としたい」

15日付の朝日新聞の社説は「国のあり方考える機会に」との見出しを付けて冒頭部分でこう主張する。辺野古移設に反対する朝日社説らしいが、このあとの書きぶりには首をひねってしまう。

■「3択に沖縄の苦渋」という巧いだけの表現

「『どちらでもない』の解釈をめぐって、この先、混乱が生じる懸念も否定できない」

ここは沙鴎一歩の指摘と同じだ。問題はこの次だ。

「だが、『沖縄の基地負担を減らすために沖縄に新たに基地を造る』という矛盾に、答えを出しかねる人がいるのも事実だ。3択にせざるを得なかったことに、沖縄の苦渋がにじみ出ていると見るべきだろう」

「3択に沖縄の苦渋」とは、巧みな表現のように思えるが、騙されてはならない。辺野古の移設問題についてこれまでどのくらいの時間をかけて論議してきたと朝日新聞の論説委委員は考えているのだろうか。

いまの時点で賛成か反対かの白黒の決着を付けない限り、辺野古移設問題は解決しない。沙鴎一歩は沖縄の民意を知りたい。真意を聞きたい。そのうえで政府は民意や真意を尊重すべきだと考えている。

■安倍首相は基地問題を数の力で押し通すのか

さらに朝日社説は書く。

「知事選や国政選挙で『辺野古ノー』の民意が繰り返し表明されたにもかかわらず、一向に姿勢を改めない政府への失望や怒りが、県民投票の原動力になった。しかし菅官房長官はきのうの会見でも、辺野古への移設方針に変化はないと述べ、投票結果についても無視する考えであることを宣言した」

「県民行動の原動力」や「自民党の投票結果の無視」については前述した沙鴎一歩の考えと同じである。続けて朝日社説は安部政権を「強権」とたたく。

「一度決めた国策のためには地方の声など聞く耳持たぬ――。こうした強権姿勢は、他の政策課題でも見せる安倍政権の特徴だ。同時に、基地負担を沖縄に押しつけ、それによってもたらされる果実を享受する一方で、沖縄の苦悩や悲哀は見て見ぬふりをしてきた『本土』側が底支えしているといえる」

これにも賛成だ。安倍晋三という首相は数の力で押してくる。だがその数が崩れたときに痛い目に遭うのは私たち国民である。

たとえば米国のトランプ政権が支持を失って議会でねじれを生んだ結果、行政が滞り、公務員に支払われるべき給与が支払われないなど多くの米国民が困惑させられたのは、つい最近のことである。

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