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なぜビンボーな人ほど保険に入りたがるか

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■どんな人が保険を必要とするのか?

美智代さんの夫の例は極端だとしても、保険は信用できないと考える人は少なくない。

保険でカバーできるリスクといっても、病気、ケガ、災害、事故、リストラなどさまざまなものがあるが、一般的に、大企業に勤務している会社員で、福利厚生や公的保障が十分に受けられる可能性がある。

「夫婦共働きで正社員や公務員である」「子どもや老親など扶養家族がいない」「資産が十分にある」といった人の場合は、それほど保険に頼らなくても、公的保障や預貯金などでカバーできる範囲が広いだろう。

しかし、以下のような人は、十分な公的保障が期待できなかったり、万が一の場合の経済的リスクが高かったりして、保険を活用してリスクに備えておいたほうが良い。

【独身者】将来、自分の身の回りの世話をしれくれる人がいない。

【非正社員・自営業】公的保障が薄く、所得減少リスクが高い

【妻(夫)が専業主婦(夫)かパート】同上

(その他、図表2参照)



■ギリギリの収入で生活する若い世代が保険に入りたがるワケ

前述の保険に入らない理由として、保険料がネックになっている人がいたが、実は「家計が苦しくて保険料が払えないので保険に入らない」というのは危険な判断だ。

保険というのはある意味“時間”を買うようなものだ。預貯金や収入の少ない20~30代や、貯蓄や収入はあっても住宅ローン返済や子どもの教育費負担などで家計に余裕がない40~50代などは、割安な保険料ですぐに大きな保障が得られる保険を活用してリスクに備えることも重要なのである。

さらに最近悩ましいのが、本当にギリギリの収入で生活している一方、ある程度、医療保障や就業不能保障などが必要な若い世代へのアドバイスだ。本来であれば保険よりも貯蓄するのを優先すべきだが、本人の不安が大きく、保険を優先させたい意向が強い。最終的には、ご本人の判断次第とはいえ、アドバイスする側としてもケース・バイ・ケースで難しい事例が増えている。

■年収1000万円超でも保険が必要な人は?

では、年収1000万円超など高収入な人は、保険が不要かと言えばそうとも限らない。

例えば、自営業・自由業などが代表格。年収が高くても、公的保障が薄いため必要な保障額を十分にまかなえない可能性があるからだ。さらに高収入でも保険が必要な人の特徴として、「普段から家計管理ができていない」「収入に対して預貯金が少ない」「収入が減少しても柔軟に支出をスリム化できない」なども挙げられる。

具体的なモデルケースは、夫が会社員で、妻が専業主婦、子どもが小さく2人以上、全員、小学校から私立に進学予定。持ち家だが、多額な住宅ローンがあるといったご家庭は要注意だろう。

リスクが発生した場合に備える資金対策を行う手法を「リスク・ファイナンシング」というが、これを効果的に行うには、万が一何か起きた場合の経済的損失を「貯蓄」でまかなうのか、「保険」を活用するのかを考えておく必要がある。

リスクに対しては、それぞれのメリット・デメリットを把握し、どちらかを選ぶのではなく、両者のいいところ取りで上手に備えておきたいものである。

(ファイナンシャルプランナー 黒田 尚子 写真=iStock.com)

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