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厚生労働省の統計不正で子育て世帯もダメージー約14万人に約3100円が払われていない!?

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統計不正が明らかになった厚生労働省(写真:西村尚己/アフロ)

厚生労働省が統計不正で育児休業給付が適正に支払われなかった

厚生労働省の統計不正をめぐって驚くべき実態が明らかになった。

「毎月勤労統計」の不正調査の影響で雇用保険や労災保険など2015万人が過少給付となっている問題で、厚生労働省は雇用保険に関する詳細な試算を新たに出した。雇用保険に含まれる育児休業給付の対象者はのべ約14万人で、1度の受給期間あたりの不足額は平均約3100円とした。

同じく雇用保険で、対象者がのべ約1567万人と最も多い失業手当は平均約1350円とした。65歳以上が対象の高年齢求職者給付金は、のべ約183万人で平均約410円としている。

厚労省はすでに、労災保険は年金給付が約27万人に対して約9万円、休業補償は約45万人に対して月平均約300円、船員保険は約1万人、約15万円との試算を示している。過去の受給者への追加支給の開始は雇用保険が11月、船員保険は6月になると見込む。現在受給している人への過去の不足分は、雇用保険と船員保険で4月に支給を始める見通し。

出典:育児休業給付の不足額、平均3100円 統計不正(朝日新聞)

朝日新聞の報道によれば、本来、子育て世帯に支払われるべき、いわゆる育休が統計不正によって支払われなかったことになる。

記事はさらっと書いているが、3100円が14万人に配られていないとすると、単純計算で約4億3千万円になる。

これが子育て世帯に支払われていない。

そして、さらに深刻なことは「現在受給している人への過去の不足分は、雇用保険と船員保険で4月に支給を始める見通し」であるが、過去に受給していた人々への追支給は検討されていないということだ。

ふざけないでもらいたい

自分たちの不手際で子育て世帯に損害を与えたら徹底的に調査をして最後のひとりまで遡及するべき事案だろう。

ましてや、政府は子供の未来応援基金の創設など子育て世帯への支援や子どもの貧困対策に力を入れていると喧伝してきている。

この未支給分への対応が不十分なのであれば、政府への不信感はさらに高まらざるを得ない。

政府への関心を持たないと不利益を与えられる

過去には「消えた年金」問題があった。本来は支給されるべき高齢者の年金がこれも厚生労働省の管理不足ですべての人々に支給されることはなかった。

高齢者は選挙や政治への関心が高い。だからこそ大きな問題となって、国会も巻き込んだ論争になったわけだが、今回は子育て世帯である。

日本の子育て世帯を含む若者の投票率は年齢と比例して低い傾向がある。

若者世帯、子育て世帯も政治参加しなければ守られるべき約束も果たされない可能性が高い。

要するに、政治に関心がなければ今回も権利救済がされない可能性がある。

例えば、民間との契約で守られるはずの金額が支払われなかった場合には、当該事業者にクレームを入れるし、その金額に応じて訴訟も行うのが当たり前である。

一方で、政府や省庁が組織的に改ざんをしている場合に見過ごしてしまうのであれば、ダブルスタンダードと言わざるを得ない。

現代の子育て世帯は夫婦共働きが一般的であり、毎日仕事と子育ての両立に四苦八苦している。

その世帯にも大きなダメージを与える事実が見つかっている。

3100円でも支給されれば助かる世帯は多いだろうし、ミルク代やおむつ代、生活費にも利用できるだろう。

厚生労働省は自身が招いたミスで国民生活に甚大な影響を与えている。

だからこそ、問題を仕方がなかったとあきらめず、すべての子育て世帯を特定し、未支給分を確実に支払ってほしい。

この対応次第で、さらなる政治不信や行政不信につながることがないようにしていただきたいし、子育て世帯もこの問題に引き続き注視してほしいと思っている。

※Yahoo!ニュースからの転載

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