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”スクショNG”に「ラブひな」赤松健氏も苦言…時代に適応できない日本の姿はコピーコントロールCDの時と同じ?


 文化庁文化審議会の著作権分科会が13日、いわゆる"違法ダウンロード"の適用範囲を全ての著作物に拡大することを打ち出した。これを受け、文化庁が今国会に著作権法の改正案を提出する見通しとなっている。


 もともとは「漫画村」などの違法サイト・海賊版対策として浮上した議論だが、この方針には漫画家からも反対や懸念の声が上がっている。問題になっているのは、ここで言う「ダウンロード」に、画面に表示されたサイトなどをそのまま画像として保存する「スクリーンショット」も含まれるとされているからだ。ただ、全てのスクリーンショットがアウトになるというわけではなく、著作権者に許可なく違法にアップロードされたものであることを知りながらスクリーンショットを取った場合に限られている。


 それでも日本マンガ学会は「漫画や二次創作など研究を阻害する」「ストリーミングを取り締まることができない」などとして反対の声明を発表。さらにネット上にも「厳しすぎて草 もっと漫画が売れなくなりそう」「これってツイッター上に溢れる写真とかどうなっていくんだろう」「二次創作が絡むと、さらにややこしいことを改めて認識するなど」など、不安の声がも数多く見られる。 

 14日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、『ラブひな』『魔法先生ネギま!』などで知られる漫画家の赤松健氏と、インターネット関連の刑事事件に詳しい深澤諭史弁護士に話を聞いた。


 そもそも著作権法違法にあたる「著作権侵害」について、深澤弁護士は「著作物は全て保護を受けていて、コピーしたり配ったりする権利は著作権者が独占している。著作権侵害とは、その著作権者以外の人が許可なく勝手にそれをやってしまうこと」と説明する。したがって、著作権者の許可なく著作物をインターネット上にアップロードすることはこれまでも著作権法違反=違法とされてきた。

 一方、ダウンロードについては、2012年の著作権法改正により、違法にアップロード・配信されているものと知りながら音楽や映画をダウンロードする行為が刑事罰の対象(権利者からの告訴があった場合)となっていた。今回、ここに写真や論文、イラストなどが対象として含まれることになる。

 「少し分かりにくいが、法律上は禁止されていなければ何をやっても良いというのが前提。その上で、著作権法では例外として著作権を侵害する著作物をコピーすることを禁止している。しかしその例外の例外として、個人的に楽しむコピーであれば"私的利用"として認められていた。引用も、適正なものであれば問題ない。今回の法改正で議論されているのは、本来であれば私的利用として適法だとされてきた範囲を小さくするということだ。問題となるのは、ダウンロードという形で違法なコピーを新しく作る行為。したがって、持っていること自体は処罰の対象にはなっていないし、過去に遡って適用することもできない」(深澤弁護士)。

 それでは、例えばスマホゲームのプレイ画面や動画投稿サイトのスクリーンショットについてはどう判断されるのだろうか。深澤弁護士は「ケースバイケースだが、ゲームの画面も著作物なので、基本的には違法に配信されたものではなく、開発業者も許していれば問題はない。動画についても、今の法律では録画はダメだとされているが、元が適法であれば、そのスクリーンショットを保存すること自体は問題ない。ただ、この"録画"の定義も難しく、スクリーンショットは"撮影"に近いといえるが、1枚の画像でも"録画"と解釈される可能性はある」との見解を示した。また、電子書籍の一部のページをキャプチャする行為についても、「電子書籍も、Kindleなどから自分で買ったものについてスクリーンショットを撮ること自体は適法だ。また、コピーさせないような機能のある電子書籍サービスのような場合、難しい問題ではあるが、法律上はデータそのものにコピー防止の仕組みがあることが必要なので、これも適法になると考えられる。もちろん、それらをインターネット上に公開すれば問題になる可能性があるし、利用規約などに禁止事項として書かれていれば損害賠償といった問題になってくる可能性もある」と話した。


 では、赤松氏のような権利者が、知人に対して利用を許していた場合はどうなるのだろうか。深澤弁護士は「基本的には法律よりもお互いの同意の方が優先される。著作権法というのはあくまでも著作権という財産を守る法律なので、著作権者が自分の財産をどうしようが自由なので、権利者による合意の方が優先される」と説明した。

 赤松氏は「漫画家が嫌がるのは単行本を裁断してスキャンして、それをネットに上げるような行為で、キャラの絵を描くとか、コスプレなど、ファン活動的なものは歓迎。だからといって編集部や漫画家に"これオッケーですか?"といちいち聞かれても、"オッケーです"とは言うわけにはいかないし、聞きに来ないでほしい」と苦笑、「結局、一つ一つの事例を判別するのが難しい以上、萎縮効果を生んでしまうことを懸念している。プロの漫画家にはコミケ出身という人はすごく多い。だからTPPで著作権侵害の非親告罪化が議論された時にも、文化審議会では出版社と作者たちは"コミケは創作のゆりかごだから守ろう"という方針でいった。"違法かもしれない"ということで全部叩いていくと、商業漫画も含めてパワーが落ちてしまう。出版社や国が漫画家を守ろうとしてくれているのは非常にありがたいし、基本的には歓迎する。ただ、国民生活にかなり影響が出るようなことをやるのは問題だと考えている。そして、この方針が通っても、漫画村のようにダウンロードしない形の海賊版サイトには効果がない」とコメントした。

 深澤弁護士も「違法配信サイトの運営者は自分が悪いことをしているという認識があるので、海外のサーバーを使うなどして逃げている。だから捕まえるのも簡単ではない。身も蓋もない話だが、普通に家のパソコンから接続している利用者のほうがやりやすいからだと私は理解している」とした上で、「厳しく言えばTwitterのアニメアイコンも本来は作者の許諾なしで第三者に見られるように公開しているので違法だし、コミケなどの二次創作も全て"犯罪"になる。アメリカの場合、著作権侵害には非常に厳しいが、一方で"フェアユース"という考え方があり、作者の表現を不当に制約・侵害しないのであれば自由に使っていいという権利もある。日本にはそういう一般的な規定がないので、新しいことを始めようとすると"法律に書いてないから"として違反になってしまう」と指摘した。


 東京工業大学の柳瀬博一教授は「音楽業界におけるCCCD(コピーガードCD)の問題とよく似ている。90年代の終わりから2000年台前半にかけて、音楽の違法ダウンロードが流行った。これに対し、日本ではCCCDの動きが出たが、著作権侵害に対してはむしろ日本よりも厳しいアメリカではインターネット時代の新しいコンテンツの流れ方や情報共有を潰すのではなく、それをビジネスの仕組みに取り入れようとした。その発想からiTunesも出てきたし、その延長にAmazonミュージックやSportifyといったサブスクリプションモデルのビジネスが出てきた。日本はこれができずに、コンテンツの領域で負け続けている」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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