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トヨタの〝調達方針〟に変化か?

昨日の「日刊工業新聞」に興味深い記事が出ていました。「トヨタ、支給材据え置き 原料価格小幅下落も 高炉各社に譲歩」と題する記事です。

これは、どういうことか。

トヨタは、鉄鋼メーカーから一括大量購入した鋼材を、系列部品メーカーに「支給材」として卸しています。その価格を、2019年度上期(4~9月期)は、前期から据え置く方針だといいます。

「前期の鉄鉱石などの主原料価格が小幅ながら下落しているほか、米中関係の先行きが不透明な中、海外での鋼材市況の回復も遅れており、支給材は値下げ方向の材料が並ぶ」(同紙)にもかかわらず、です。

これは、鉄鋼メーカーへの譲歩です。つまり、調達先の鉄鋼メーカーに値下げを要求しないかわり、供給先の部品メーカーへの卸価格も据え置いたんですね。

本来ならば、トヨタは、鉄鋼メーカーに対して、例えば、何%かの値下げ要求をしても不思議ではありません。なぜなら、小幅ながら原料価格が下落しているからです。

それに、トヨタは毎年、3000億円規模で製造原価を低減しています。現に、副社長の小林耕士氏は昨年11月の決算説明会で、「6000億円規模の原価低減ができればいい」と、発言しました。

鉄鋼メーカーは、その発言を受けて、値下げ要求が強まるのではないかと、警戒感を強めていたほどです。

トヨタの調達をめぐっては、これまで〝力〟を背景にした強引さが、鉄鋼メーカーから批判されてきました。トヨタは最高益を出しながら、調達先をいじめるのかと。しかし、今回のトヨタの鉄鋼メーカーへの譲歩、すなわち値下げ要求をしないという方針は、調達のあり方の何らかの変化のあらわれではないのでしょうか。

一歩進んで、お互いの利益を尊重するスマートなサプライチェーンの構築を目指しているのか。

トヨタの今後の動きが注目されます。

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