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"転職に9回成功した人"が語る転職のコツ

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何度も転職に成功している人は、なにが違うのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、「9回の転職で、毎回収入がアップした」という友人に転職のコツを聞いた。すると「転職は『最後の手段』と考えたほうがいい」と意外な答えが返ってきた――。

クラス替えが大嫌いだった小中学生時代

小中学生のころ、クラス替えが嫌いだった。小学4年生が終わるタイミングに合わせて、神奈川県川崎市から東京都立川市に引っ越しをしたのだが、その際も新しい学校に行くのが恐怖でたまらなかった。実際のところ、立川の公立小学校で過ごした5~6年生の期間は奇跡的に良い仲間に恵まれ、楽しい2年間を送ることができた。しかし、そこからほぼ全員の生徒が進学する同地域の公立中学では、小6時のクラスメイトが6人ほどしかおらず、なんとなく寂しさを覚えたものだ。

中学2年生になる時にもクラス替えがあったのだが、1年生の後半、絶対に一緒のクラスになりたくない生徒の名前を心の中で念じながら「○○と同じクラスになりませんように」と日夜呪いをかけていた。

最終的には、一緒のクラスになりたくないヤツと同じクラスになってしまったものの、2年生になってから初めて喋る人間も多く、新しい友達もつくることができた。そうして、それなりに楽しく中学校生活を過ごすことができたのだが、クラス替えがあるたびに緊張を強いられるような仕組みには本当に辟易して、「いっそのことクラスなんていらない!」と何度思ったかわからない。

その後、親の仕事の関係でアメリカの中学・高校に通うことになった。現地には日本の学校のような「クラス」はなく、1日7時間分の時間割のなかで、自分が選択した授業を受ける形式だった。教室には同じ科目を受講する生徒がいるだけで、そこに一切の連帯感はなかった。大学と同じようなものなのだが、これは非常に居心地が良かった。

新しい環境に飛び込む恐怖


※写真はイメージです(写真=iStock.com/kokouu)

結局、私が苦手なのは「与えられた人間関係でうまくやる」ことなのだと思う。いい年をした大人になったいまでも、いわゆる「社会人サークル」や「異業種交流会」などに入りたいとはまったく思えない。さらに付け加えてしまうと「いまさら転職なんて絶対にできるわけがない!」と考えている。

齢45の男が新たな環境、新しい組織に入って、皆の前で「今日からお世話になる中川淳一郎と申します! これまでの経験を○○社で活かせるよう日々働く所存です。わからないこともあるかもしれませんが、その際はいろいろと教えていただければ幸いです!」なんて挨拶をしなければならない状況は、想像するだけで恐怖である。

あと、転職で来た人間の机の上にハート型かなんかの風船が浮かんでいて、先輩社員たちが歓迎の意を表すのと同時に、「気軽に話しかけてくださいね」なんてムードづくりの手助けをしてくれる会社もあるが、あれにも怖気がする……。

「9回も転職に成功した人」に聞いてみた

私は新卒で入った会社を4年で辞めて以来18年間、一度も就職をしたことがない。恐らく自分は「転職ができない人間」なのではないかと思う。もっというと「新たに人間関係を構築するのが苦手」ということなのだろう。だからこそ、私は転職という決断ができる人のことを尊敬するし、何度も転職した経験を持つ人に対しては畏敬の念にも近い感情を抱いてしまう。

そこで今回、9回もの転職を経験した友人のGさん(40代)に、3つの質問を投げかけてみた。どれも「転職をしたいと思えない」「新しい人間関係構築が苦手」な自分にはなかなか意図が想像できない、素朴な疑問ばかりである。

Q1.なぜ転職を何度もするのですか?

A1.「好条件を提示された」とか「現職の事業縮小や組織の解体で転職を余儀なくされた」とか「やりたい仕事が、その会社にあった」など、理由はその時々によって異なります。ただ、「転職」は常に選択肢のひとつとして考えているので、結果的に何度もしてしまった、という形になっています。

Q2.毎回、新たに人間関係を築くのは苦じゃないのですか? 新しく知り合った人といかにして仲良くなるのですか? その際の工夫はありますか?

A2.苦にはなりません。というより、苦だと思ってはいけません。人間関係の構築は仕事をする上で最も大切なことですし、それがうまくできないと、すぐに人間関係が原因で仕事が円滑にまわらなくなり、また転職せざるを得ないということにもなりかねません。

良い関係を新しい同僚とつくるためにいちばん重要なのは、最初の1カ月間で、とにかく社内のいろいろな人と、自分から積極的に会話をしていくことだと思います。最も簡単にできるのは、自分が“新しく来た人”であるうちに、周囲の人々にできるだけいろいろな質問をしてみるということでしょうか。業務の流れや社内の文化がわかりますし、環境にも溶け込みやすくなります。

Q3.転職をするにあたって、何か助言はありますか?

A3.基本的に、転職は「最後の手段」だと考えるほうがいいと思います。自分がやりたい仕事、得られる待遇、その他、自分が仕事に求めているものに対して、いまよりも早く近づくことができる――そう確信できたときに「転職」というカードを切るのが理想的でしょう。

逆に「転職しようかな、どうしようかな」などと悩むくらいなら現職にとどまるほうが、結果的には良い結果につながると思います。転職はあくまでも手段であり、目的ではありません。目的にしてしまった瞬間、失敗になるリスクはぐんと高まります。また、転職したら「前職の話」は(「どうしても話してほしい」と言われた場合は別ですが)極力しないほうがいいです。過去は振り返らず、前だけを見てください。

転職を成功に繋げる秘訣

う~む、なるほど。何度も転職を経験し、そのたびにキャリアアップ、収入アップを実現してきたGさんだからこそ言える話ばかりである。

結局Gさんには「ステップアップしなくちゃ!」みたいな焦りが一切なく、「その時々の最適解が転職だった」ということで建設的に進路を選択していることがよくわかる。A2で出てきた「人間関係」の面については、これだけ多くの転職を経験した彼でもそんな配慮をしていたのか! と驚くとともに、やはり「私にはできない」と暗澹たる気持ちになるが……。

さらに、何度も転職できる人は以下の優れた点があると感じている。

【1】「立つ鳥、跡を濁さず」を徹底している
【2】面接を毎回通過できている

だいたい、転職というものは業種が同じか、職種が同じ会社に移るもの。となれば、共通の知り合いも多いわけだから、業界に悪評が立っていたりしたらなかなか転職などできないだろう。実際、Gさんに関しては悪い評判を一切聞かないし、毎回、円満に転職を成功させている。つまり【1】を徹底しているのだ。

「転職35歳限界説」は本当か

【2】についてだが、かつて「転職35歳限界説」というものがあった。35歳を過ぎたら職業人としての成長も鈍化し、アタマもかたくなってくる。さらなるキャリアアップはなかなか望めなくなるので、35歳になるまでに転職は済ませておきましょう……といった言説のことである。

しかし、Gさんは35歳を過ぎても転職を成功させている。完全に「35歳限界説」を覆す転職を何回も実現してきたわけだが、それは彼がキャリアを誠実に積み重ねているからに他ならない。そして、これまで属してきたいくつもの会社で得たものを確実に自身の血や肉としてきた。そのような姿勢が、人懐っこい人柄と合わせて面接でも評価されたであろうことは、想像に難くない。

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