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親の葬式にも出れなかった!骨髄ドナーのリスクと恵み

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【まとめ】

・筆者自身が白血病のドナーとなった経験について語る。

・「自分以外に代わりが効かない1日が存在する」という骨髄ドナーのリスク。

・しかし、ドナーは患者のためだけでなく、むしろ自分のためにある。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=44118でお読み下さい。】

今、日本中が競泳女子の池江璃花子選手の白血病告白に衝撃を受け、心を痛めているがもちろん私もその一人である。池江さんのこれまでの輝かしい記録は、もちろん我々の想像をはるかに超えた努力の上にあるわけで、誰よりもご自身が一番悔しいはずだ。その気持ちを考えると胸が苦しくなる。また、池江さんは私の娘と同い年で、一人の母としてもいてもたってもいられない気持ちから「何かできることを!」と考え、自分自身が白血病のドナーとなった経験を書き、池江さんだけでなく白血病に苦しむ方々の少しでもお役にたてればと願っている。

▲写真 池江璃花子選手 出典:池江璃花子選手公式twitter

白血病の治療には薬物療法など様々あるが、その中の一つが骨髄移植である。骨髄には型があってそれが適合しないと骨髄提供は出来ない。多くは血縁関係にある親兄弟親類と型が一致するそうだが、中にはそういった血縁者の誰とも型の一致がない場合もある。

また、骨髄提供は自身に持病がないことや、薬を飲んでいないことなど様々な条件があるので、全くの第三者と骨髄の型をマッチングさせることも必要であり、その骨髄を提供しても良いと考える人が骨髄ドナーの登録をするのである。

私が骨髄バンクにドナー登録をしたのは1995年のことであった。当時はまだ白血病は不治の病と言われており、国民はこの病気のことを良く知らなかったと思う。私が、最初にこの問題に関心をもったのは、1985年何と言っても女優の夏目雅子さんがこの病気で亡くなったことで、社会に大きな衝撃を与えていた。その後、1991年に骨髄バンクが設立され、その4年後に私はドナー登録をした。

▲写真 筆者の田中紀子氏 ©田中紀子

そしてドナー登録からなんと17年もの歳月を経た2012年に私はドナーとなる機会を得たのである。連絡が来た時には単純に「嬉しかった」。誰かの役に立てることは誰でも喜びではないだろうか。けれども、ひんしゅくを覚悟で正直なことを言えば、未知なことを体験する好奇心にあらがえない気持ちがあった。

さて、ドナー登録の様々なリスクについては骨髄バンクのサイトを参考にして欲しいがここでは、私個人に起こった出来事リスクについて書きたいと思う。言うまでもないがリスクとそれによる感じ方は人それぞれ違うので、それはご了承の上ご一読頂きたい。

まずドナーの候補に挙がってから、実際に骨髄を提供するまでの間に、何が大変かと言えば、とにかく平日の昼間に休みを取らなくてはならないことである。

もう一度採血され、詳しい検査が行われ本当にマッチするかを調べられるのに半日は仕事を休む。そしていよいよドナーとなることが決まると、家族を連れて弁護士からリスクなどについて説明を受け書類にサインをしなくてはならない。つまり骨髄バンクは本人の意思だけでなく、家族の同意も得なくてはいけないのだ。これが本当に面倒くさく、夫は「どうせ妻は何を言っても聞かない。」とあきらめてくれている人なので問題ないが、心配する母の同意をとるのが少々ややこしかった。そしてここでも半日が潰れる。

▲写真 骨髄提供者となられる方へのご説明書 ©田中紀子

さらに一番参ったのがあくまでも私の場合だが、手術の前に「元気な時の自分の血」をとっておき、それを手術後に自分の身体に戻すということをやるのだが、この時、献血のように自分の血を採取していて、それを見ていたらまさに血の気が引き、血圧が急降下してしまって起き上がれなくなってしまったのである。情けない話なのだが、私は威勢がよく「口喧嘩は負けた事がない!」と若い頃豪語していたタチなのだが、血を見ることが非常に苦手である。確か看護婦さんが焦る位、血圧が下がってしまい、その日は全く仕事に行けなくなり、ぜいぜい言いながら家に帰る羽目になった。これは、こういう「血を見るのが苦手」ではない人は、全く経験することのないリスクであろう。

さて、いよいよ骨髄提供の手術をするわけだが、ご承知の方もいらっしゃるかと思うが、この手術日というのは、こちら側だけでなく、最も重要なのは白血病(他の病気でも適用される場合もあるが)患者さんが移植を受ける日なのである。そしてこの移植の日が決まると患者さんは放射線治療に入っており、予定通り移植を必ず受けなければ命の危険にさらされることになる。だから弁護士の同意書を書いたあとは、何があっても絶対に辞退することはできないのだ。

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