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池江璃花子の母、講演活動等キャンセルし娘のサポート専念へ

【闘病を続けながら4月に日本大学に進学するという池江選手(写真/時事通信社)】

【白血病を公表した池江選手(写真/時事通信社)】

 病名公表の直前に孫から告白されたという祖母は、声を震わせながらこう語った。

【写真】トロフィーを持つ制服姿の池江璃花子

「突然、病気だと聞かされてとにかく驚いて、開いた口が塞がりませんでした。だって正月に会った時は、すごく元気で、“これからオーストラリアで合宿だ”って言ってたんですよ。病気だなんて微塵も感じさせなかった。今は信じられないとしか言えません」

 日本競泳女子のエース、池江璃花子選手(18才)が2月12日ツイッターで白血病を告白し、日本中に衝撃を与えた。

 池江選手は2015年の世界選手権に、中学生で日本代表入り。100mバタフライを得意とし、2016年のリオ五輪で決勝進出、昨夏のアジア大会では日本選手史上最多の6冠に輝き、MVP(最優秀選手)に選ばれていた。

「東京五輪では自由形やリレーなどを含めて7種目や8種目に出場するとみられています。金メダル最有力候補ですから、彼女がいくつメダルを獲ってくれるか期待は高い。昨秋から始まった五輪チケット購入のID登録受け付けでも競泳に人気が殺到していました。今回の病気発表で、彼女の出場を含めて心配されています」(スポーツ紙記者)

 1月18日からオーストラリアで合宿をしていた池江選手が、体調不良を訴え緊急帰国したのが2月8日。すぐに病院で検査をしたところ白血病が発覚した。だが、池江選手自身、昨年の秋頃には体の異変を感じていたという。

「体が重く、体の疲れが取れなくなってきて思うような泳ぎができなかった。感情的になり、練習中に急に泣き出すことも増えていたんです。彼女はこういう時こそ自分を追い込まないといけないと考えるタイプで、昨年末にはアメリカのフラッグスタッフで高地合宿を実施。帰国後は“こんなに練習しても体力と気力が上がってこない感覚は初めて”と漏らしていました。弱音を吐かない彼女が、こんな発言をしたぐらいですから、体もメンタルも相当つらい状態だったと思います」(別のスポーツ紙記者)

 2月12日の午後4時から始まった日本水泳連盟による記者会見では、「早期発見で本人は前向き」ということが明かされたが、今後の治療方針については未定とのことだった。秋津医院院長の秋津壽男医師が話す。

「白血病はいわゆる血液のがん。血液を作る機能に異常が起きる病気です。今回、彼女の病名は白血病とだけしか公表されていませんが、一口に白血病といっても種類があり、大きくは骨髄性とリンパ性、さらに急性と慢性とに分かれています。症状もさまざまで、赤血球がうまく作られないことで起こる“重度の貧血”や血が止まりにくく少しの刺激で“大量出血する”といったものが目立ちます。若くして罹患すると進行が早いと考えられています」

◆復帰後に待ち受ける再発リスクとの闘い

 白血病で命を落とした著名人は少なくない。女優の夏目雅子さん(享年27)、歌手の本田美奈子.さん(享年38)、お笑い芸人・カンニングの中島忠幸さん(享年35)らは、若くして白血病となり帰らぬ人となった。

 その一方で、克服して復帰した著名人も大勢いる。池江選手の告白を受けて、すぐに《前を向いて焦らずにしっかり治療に専念して下さい》と応援ツイートをした渡辺謙(59才)や女優の吉井怜(36才)らは、闘病を経て仕事を再開させている。

「残念ながら白血病に完治という言葉はあまり使いません。しかし、非常に効果のある抗がん剤も開発されており、一時的あるいは継続的な軽減状態である“寛解状態”には持っていけます。その後、以前と同じ生活を送ることも可能です。

 渡辺謙さんは再発も経験していますが、経過は良好で仕事をされていますよね。池江さんの今後ですが、治療期間は入院して3か月から6か月程度は必要ですが、うまくいけば東京五輪に間に合う可能性は充分あると思います。実際アスリートでも白血病から復帰した人は少なくありません」(秋津さん)

 サッカーJ2のアルビレックス新潟に所属する早川史哉選手(25才)は、2016年5月に白血病と診断されたが、約2年半の闘病を経て昨年末に復帰している。

「早川選手は22才という若さで骨髄性の急性白血病がわかり、その後骨髄移植や抗がん剤治療を経て復帰しました。彼はまだ寛解状態ではなく、“経過観察などの治療は継続”という状態ですが、クラブは《トップレベルに十分対応できるフィジカルであることを確認》と発表しました」(前出・スポーツ紙記者)

 ただし完治という言葉が使いにくい病気ゆえ、復帰後は不安との闘いが待っているという。

「池江さんはアスリートだから、わずかな体調の変化にも気づき、早期発見に繋がったとみられています。その一方で、アスリートゆえ今後は体調の変化に、より敏感になってしまう。これまでは“ただの筋肉痛”と思っていたものを“再発したのか”と考えるようになるということです。以前とまったく一緒の状態に戻るには、乗り越えないといけない壁は低くありません」(前出・スポーツ紙記者)

 水泳連盟の会見でも発表されたように、現在の池江選手は至って前向きだという。支えてくれる家族がいるからだ。

 特に母親の美由紀さんの存在は大きいという。

「幼児教育の会社の代表をしている美由紀さんはとにかく認めて、褒めて、愛して育てるのが教育方針。幼少の頃から璃花子さんにはポジティブな言葉をかけ続けてきて、“できない”という言葉を使ったことがありません。病気発覚後、美由紀さんと璃花子さんの兄と姉ら家族は動揺しましたが、すぐに闘病モードに頭を切り替えています。美由紀さんは海外遠征などにもついていき、常に璃花子さんのそばにいた。今後、講演活動などをキャンセルして、娘さんのサポートに専念する体制を整える予定です」(池江家の関係者)

 もう一度水の中へ。強くそう願い、母と娘は闘う。

※女性セブン2019年2月28日号

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