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Tカード「個人情報」令状なしに提供 「ツタヤ図書館」は大丈夫?(岩本太郎)

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CCC運営の海老名図書館ではTカードも貸し出し用に使われる。(同図書館サイトの利用案内より)

ポイントカード最大手の一つ「Tカード」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、本社東京、増田宗昭社長)が、同カードに登録された氏名や電話番号などの個人情報のほか、商品購入履歴やレンタルビデオのタイトルなどまで裁判所の令状なしに捜査当局へ提供してきたことが明らかになった。

Tカードには約6800万人もの登録者がいるとされ、提携先もレンタル店から書店、コンビニ、飲食店と他業種に及ぶ。かつてこうしたデータは裁判所の捜査令状でもない限り外に出ないものだったはずだが、CCCでは2012年より刑事訴訟法に基づく「捜査関係事項照会書」があった場合にも捜査機関に協力してきたという(『朝日新聞』1月22日付)。日本の全人口の半数を超える人々の日常の買い物履歴などが警察の手に渡るシステムがすでにあったというわけだ。CCCはこれについて従来Tカードの会員規約に明記していなかったが、報道を受けて1月21日付で個人情報保護方針を「改訂」。その中で「協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」などは引き続き第三者に提供する方針を示した。

厄介なのはこれが前述の通り法に基づいて行なわれていることだ。京都大学大学院法学研究科の曽我部真裕教授(憲法・情報法)も『毎日新聞』(1月22日付)記事での談話中、「個人情報保護法は、法令に基づく場合の第三者提供を認めている。捜査事項照会は刑事訴訟法に基づくものであるため、違法とは言えない」と述べている。同日付『日刊ゲンダイ』によれば警察はTカード情報をもとにコンビニで「捜査員が待ち伏せして身柄を拘束した事例もあった」という。今はこうした実態に「社会的情報インフラとしての価値」を認める風潮が、CCCのみならず世間全般に少なからずありそうなのが悩ましいところだ。

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