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(本の紹介)「つくること、つくらないこと」—世界の見え方が変わる「ランドスケープデザイン」について学べる一冊

つくること、つくらないこと: 町を面白くする11人の会話
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つくること、つくらないこと
太田浩史, 廣瀬...

TLで話題になっていたので買ってみました。山崎亮さんのお話は面白いので期待して手に取ったのですが、期待通りの面白さ。

読書メモをご共有。

公園をマネジメントする(山崎さん)

・公園を使いこなすアクティビティやプログラムが日本にはまだまだ少ない。人と人が結びついて、自主的に「自分の街の公園は自分たちでマネジメントするんだ!」という状況を作り出したい

・単なる「住民」ばかりでは町や風景は魅力的にならない。オープンスペースにマネジメントを持ち込んで、近所の人たちが思い思いの活動をどんどん展開できるフレームを作りたい。こうした取組みに文化的な予算がつくと理想的。

・今後は新しい公共施設の整備はおろか、古くなった設備の更新もできない。僕らはいったいいつまで「つくり続けるのか」

本書はコミュニティデザイナー山崎さん、ランドスケープアーキテクト長谷川さんのふたりが、ゲストと対話するという鼎談形式を取っています。

公園などにソフト面のデザインを行う山崎さんは「つくらない人」です。強い問題意識のもと、いかにソフト=コミュニティをランドスケープに取り入れていくか、という観点で仕事に取り組んでいることが分かります。

良いデザインとは(ナガオカさん)

デザインは生態系の中にある。良いデザインというだけでモノが生き残るではなく、他の諸条件の中で成立している。

・ロングライフデザインの10か条。
(1)修理をして使い続けられる体制や方法があること
(2)作り手の経済状況を生み続ける適正な価格であること
(3)売り場に作り手の想いを伝える強い意志があること
(4)作り手に「ものづくりへの」愛があること
(5)使いやすいこと、機能的であること
(6)危険な要素がないこと、安全であること
(7)計画された生産数であること
(8)使う側が、その商品にまつわる商品以外の関心が継続する仕組みがあること
(9)いつの時代の環境にも配慮があること
(10)美しいこと

・「魚に尾ひれが伸びたりするのは、環境上そうせざるを得なかったから。デザインもそうあるべき。デザインも環境に合わせて少しずつ進化しなければいけないのに、一気に進化しなければならないものに位置づけられてしまった」

デザインとは「社会の課題を解決するために振りかざす美的な力」(山崎さん)

特に面白かったのが、デザイナーのナガオカケンメイさんのお話。良いデザインとは生態系のようなもので、「美しいこと」意外の諸条件によって成り立つ、というのは納得感があります。

「(1)修理をして使い続けられる体制や方法があること」あたりが条件に入っているのは納得感がありました。まさに、そこまで含めて「デザイン」ですよね。どんなに美しくても、無駄が出るのは美しくないです。

新しい公共/「パブリック」の可能性

・公共空間を行政が管理する空間だと思っている図式が間違っている。

イギリスの「パブリック」スクールは「私立」。もともと資産家たちが自分の息子たちのために作っていた学校を、公に開いたことから始まっている。「個人で所有しているものを開く」という点からパブリックがスタートしている。

「新しい公共」についての議論にも触れられています。

行政が公共空間をメンテナンスできなくなるに連れて、パブリックという大きな文脈のもと、私たちの町・都市空間は、私たち自身の手によって再構成されていくのかも知れません。

長野県の下條村では住民が土日で道路整備をボランティアで行っているそうです。公共事業の1/5の予算でインフラが整備できるとか(先日NHKで特集されていました)。こういう形で、僕たちは都市(パブリック)にコミットせざるを得なくなっていくのでしょう。

話はかなり発散的で、もっと聞きたい!と思う箇所もちらほら。でもそういう本なのでしょう。一線で活躍するデザイン領域のプレーヤーたちの会話を、こっそりのぞかせてもらっているような感覚を抱く本でした。

「デザイン」や「都市空間」に興味がある人は読んでおいて損はない一冊です。こういう異業種の人たちの話はめっちゃ刺激的ですね。

つくること、つくらないこと: 町を面白くする11人の会話
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つくること、つくらないこと
太田浩史, 廣瀬...

この分野では「コミュニティデザイン」はバイブルみたいになってます。山崎亮さんの仕事を知ることができる一冊。

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる
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コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる
山崎 亮

「つくること、つくらないこと」の中では「創造的福祉社会」の広井さんも登場します。これからの社会保障のあり方について言及した一冊。こちらもおすすめです(書評)。

創造的福祉社会: 「成長」後の社会構想と人間・地域・価値 (ちくま新書)
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創造的福祉社会
広井 良典

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