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官僚の不正行為が無くならない理由

■変わらない「官僚>政治家」の構図

 厚生労働省の統計不正の発覚が大きな問題となり騒がれている。先の財務省の決裁文書改竄問題と同様、官僚の不正、隠蔽問題は枚挙に暇がないが、なぜかこの国では、官僚の不正行為が全て政治家の責任に転嫁される傾向にある。

 官僚機構は時の政権と一蓮托生ということなのかもしれないが、政治家を叩いて官僚の不正行為が無くなるとは到底思えない。官僚が政治家の言いなりになる完全な事務方に徹しているのであれば、そういった理屈も成り立つかもしれないが、日本の場合、どう見ても、政治家よりも官僚の方が立場が上になっているように見える。一国の総理大臣ですら、財務省に対して命令できない(消費増税を止めろと言えない)ところを見ても、そのこと(官僚>政治家)は明白だ。

■スケープゴートにされる政治家

 実際に不正行為を行った官僚をスルーして、批判の矛先を政治家(与党)に向けるという行為自体が、皮肉なことに官僚の不正を許す構図になってしまっており、こういった本末転倒な風潮を改めない限り、いつまで経っても官僚の不正行為は無くならないと思う。

 当事者が罪を犯しても他人がスケープゴートにされることが端から判っているようなものであり、これは言うなれば、飲酒運転の身代わり代行のようなものである。
 当事者がお酒を飲んで交通事故を起こしても、マスコミや評論家の批判の矛先が当事者に向かわず、他人に向かうようなものである。運送会社の社員が交通事故を起こしても、その責任の全てが運送会社の経営者に転嫁されるようなものであり、そんな筋違いなことを繰り返している限り、一向に社員の不正行為(この場合は飲酒行為)は無くならない。

■筋違いな批判が不正を深刻化させる

 もっと卑近な例で言えば、学校のいじめに置き換えても同じことが言える。批判の矛先が実際にいじめを行った生徒ではなく、教師や校長に向かうということであれば、一向にいじめは無くならないのと同じことだ。

 財務省が不正を行えば「財務大臣が悪い!」、厚生労働省が不正行為を行えば「厚生労働大臣が悪い!」、延いては、その大臣を任命した「総理大臣が悪い!」では、一向に問題解決に向かわない。

 お役所での不正行為も、学校でのいじめ行為も、罪を犯した当事者を批判・糾弾してこそ問題解決に向かう。しかし、“違う目的”を優先するがためだけの批判に堕してしまえば、問題が解決に向かうどころか、逆に問題が深刻化してしまう。

 いじめの“加害者の人権を守る”という目的が優先され、筋違いの批判を繰り返しても、いじめはより深刻化するのと同様に、“与党を批判する”という目的が優先され、筋違いの批判を繰り返しても官僚の不正行為は無くならないどころか、より深刻化する。(実際にそうなっている)

 筋違いな批判こそが、社会全体を悪い方向に引っ張る力になっているということを知らねばならない。

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