記事
- 2019年02月10日 10:51
【ナイキ】、NY旗艦店のナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000に丸腰で行くな!?

彼らの多くがイベントに参加しながら、マンハッタンにある店舗を訪問するストアツアーを行った。特に注目されたのが昨年11月、5番街52丁目にオープンした「ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000(Nike House of Innovaiton 000)」。6階建てで総面積が68,000平方フィート(約1,900坪)となるナイキのハイテク旗艦店だ。
未来の小売店をコンセプトにした新旗艦店では商品のカスタマイズや専門スタッフによるコンサルティングの他、ナイキ・アプリのストアモードによる、利便性の高いショッピングを提供している。
しかし、日本からの流通視察ではまったく歯が立たない店舗となっているのだ。買い物にはアプリの使用が前提となっており、売り場はショールームでしかないためだ。ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000は売り場を見るだけでは、手も足もでないような店舗になっているからだ。高額なスニーカーではアプリがないと試着さえできない。売り場にも入れてもらえない。
旗艦店を視察するには、ナイキの専用アプリをダウンロードして「ナイキプラス会員(Nike Plus Member)」に登録する必要がある。
日本ではストアアプリが広く普及していないため、多くの関係者がナイキ・アプリの「リテールモード(Retail Mode)」「ショップ・ザ・ルック(Shop the Look)」「スキャン・ツー・トライ(Scan to Try)」「インスタント・チェックアウト(Instant Checkout)」の機能を知らず店を後にすることになる。
ショップ・ザ・ルックは、マネキンの足元にあるQRコードをスキャンすることで、マネキンが着用しているそれぞれの商品情報を入手できる機能だ。スキャン・ツー・トライは店頭商品のバーコードをスキャンし、自分に合うサイズの在庫を確認し、スタッフにアイテムを試着室に送るよう依頼ができる機能だ。またショップ・ザ・ルックから商品を選択し、スキャン・ツー・トライで試着室に送ることも可能になるという。
インスタント・チャックアウトは、レジ行列に並ぶことなく購入できるモバイル・チェックアウト機能だ。キャッシャーレスの旗艦店ではストアモードで商品バーコードをスキャンしてカートに入れアップルペイ等で決済を行うシステムとなっている。
皮肉にもアメリカ小売業の現状を知るために行うストアツアーで、現実さえ見れない状況に陥っているのだ。


⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。マンハッタン5番街にオープンしたナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000は必見。でも見に行ったけど見れなかったという声を聞きました。ナイキの旗艦店を視察をしながらお土産でも買おうと思ったけれどアプリをダウンロードできなかったので買えなかったという話もあります。日本人が想像する以上にストアアプリがアメリカ小売業で進んでいるのです。売り場を見るだけでは、知覚できない大きな変化です。これが小売りの地殻変動。その最たるものがナイキNY旗艦店です。ナイキの専用アプリをダウンロードして、ナイキプラス会員に登録していることがナイキ新ストアの前提です。売り場してみて回らない旧態依然の見学ではストアアプリを知らないため、手も足もでません。日本の流通メディアもナイキストアを取材するでしょうが「お店に行ってはみたものの...」と現場で初めてアプリの準備をしていなかったことを悔やむことになります。
⇒ストアアプリを使わないでチェーンストアを視察することは「丸腰で相手に立ち向かう」ようなものでしょうか。もっと言えば「竹槍でB29を落とす」ような現実を見ない米国流通視察がいかに多いか...自動車の時代にアメリカに来て馬車を見学するようなものです。先日、ウォルマートでIT&オムニチャネル・ワークショップを行い、ストアアプリにあるARスキャナー機能で買い物をしました。ARスキャナーを使うと商品比較が簡単にできるのです。サプリメントを購入するなどワークショップ体験でARスキャナーを実演します。例えば様々な種類のあるレトルトカレーを選ぶときレビューの良いカレーを買う場合などARスキャナーを使うことで簡単に選ぶことができるのですね。ところで当社にはコンサルティング企業からの依頼もあり、後藤はコンサルタントを指導する立場にもあります。ハイテクに精通している彼らでさえ、最新のストアアプリ機能などアメリカ小売業の最先端を見せるとショックを受けます。
ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000を訪れる人は増えますが、日本にそのすごさが知れ渡るにはまだ時間がかかりそうです。



