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小沢一郎氏「良いと思えるところがそんなにない」安倍政権の課題について、玉木雄一郎氏と橋下徹氏と議論

 統一会派を結成することで合意した国民民主党代表の玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表が、7日放送のAbeamaTV『NewsBAR橋下』に揃って出演、小沢氏は橋下氏からの質問に答える形で立憲民主党を率いる枝野幸男代表との交渉、政権交代への戦略などを明かした。

 さらに橋下氏が両氏に”安倍政権の何が問題だと思うのか”を尋ねた。

橋下氏:イタリアに行って『五つ星運動』の人たちと意見交換した。彼らは"ポピュリストだ"と批判受けているが、ああじゃないと大きな支持は得られないポピュリズム、ポピュリストをどこまで徹底するかというのは難しい問題だと感じている。

 うちの娘は22、3歳だが、"安倍政権がひっくり返る方が嫌だ"といっている。就職もできたし、今の暮らしが大きく変わらない方が良いということ。玉木さんたちが安倍政権を批判するのは野党だからしょうがないが、全て反対と言うよりも、ここは良い、ここは評価する、でもここは足りないので、こう伸ばしていくべきでなないか、ということを言ってくれた方が良いと国民は思っているのではないか。

小沢氏:その通りだし、野党は明確に自分たちの基本的な考えを指し示すべきだと思うが、僕は安倍さんの政治で良いと思えるところがそんなにない。一番いけないのは、倫理感を喪失していること。役人から何から、日本社会全体が"総理大臣がやっているから、俺もこれくらい良いじゃないか"という風にしてしまったというのは大きいと思う。

 それから格差を生み、非正規雇用を増やしてしまった。大多数の、相対的に力の弱い人たちの生活をどう支えていくかが政治の役目だ。富の公平な配分を心がけるのが大事じゃないか。強い人は放って置いて、どんどん自分で努力してもらって構わない。その強い部分だけの競争を強調すると、やはり逸脱してしまうし、それは2〜300年前の、初期の資本主義の考え方だと思う。そこは根本的に違うと思う。

橋下氏:僕の感覚では、安倍さんが所得格差の是正を気にかけていることは間違いない。民主党政権が言っていたことも取り込みながら、保育園の無償化、大学や私立高の無償化にも乗り出した。民主党政権ではそこまで行かなかった。だから、そこの対立なのかと思う。制度として不十分なら直していけばいい。今はそこさえ全否定になっていると思う。

小沢氏:考え方の問題だ。手当をするのは政治だから当たり前だが、競争原理を最優先すれば強い者が勝つんだから、それは政治のあり方ではない、ということ。

橋下氏:僕は競争最優先。もちろん格差の是正とワンセットだけど。でも安倍さんは競争最優先でしょうか。むしろ自民党の政治は競争が足りないと思う。

小沢氏:かつての自民党は規制をかけて競争させず、配分でやっていた。不要な規制を取っ払って自由にやらせるのは構わないが、非正規雇用をどんどん増やそうというような考え方などは違うと思う。雇用が不安定だと、結婚したり、子ども作ったりするための将来設計が立たないし、社会の不安定に繋がる。年金医療もそうだ。そんな状況は良くないだろう、みんなが安心して、自分の立場で一生懸命に頑張れる社会でないと。

玉木氏:できるだけ正規雇用がいいですよね。ポイントは解雇についてのルールをもっと明確にするということ。今は正規で雇ってしまうと、なかなか切りにくい。そして雇用維持を重視するがゆえに、一旦給料を上げると上げ続けなければいけない。でも年金・保険にも響くから上げられない。だから原則的には正規雇用にし、セーフティネットを張った上で解雇のルールを明確にしていくことで流動性をもっと高めるべきだと思う。

橋下氏:それは僕も賛成だが、小沢さんはそれでいいんですか。

小沢氏:辞めろと言われたら辞めざるを得ないというように、会社が一方的な権限を持つのが問題であって、お互いの話し合いの中では自由でいいと思う。

橋下氏:倫理の問題で言えば、玉木さんは批判を受けながらも森友学園問題を細かく追及してきた。確かに日本の全予算から比べれば10億円というのは小さな額かもしれないが、ああいう霞が関のやり方を容認してきたことが、厚生労働省の不正統計のように、ウソの報告や情報を隠せばいということにつながっていると思う。国会で偽るということが通ったらとんでもないことになるという恐怖感がなくなっていると思う。

小沢氏:僕は晋三さんのことが嫌いなわけではないが、やはりトップが倫理観を喪失してしまったことで役人の劣化が起きたんだと思う。銭金だけの問題ではなく、プライベートでもって行政を動かす、という風潮も出てきたんじゃないか

橋下氏:やはり野党が弱いから、霞が関と与党をチェックできていないという面もある。

小沢氏:そのとおり。

玉木氏:私は内閣人事局に反対はしていない。議院内閣制だけど、期限を区切って独占的な力を官邸に与えるというのは、実は小沢さんが描いてきたこと。それが橋本行革などを通じて実現して、最大限に使っているのが安倍さん。でも、それは権力が入れ替わって、後から入った権力が前の権力をチェックするというのが前提だった。

小沢氏:政権交代がいつでもできるという状態が必要だった。

玉木氏:時々政権が入れ替わって、後から帳簿を見られると思えば、霞が関も悪いことはできない。でも10年座っていられると思えば悪いことをしてしまう。そういうルールと緊張感が必要だ。

橋下氏:メディアにもそういう事実を示して政治批評をしながら、強い野党を作ってほしい。緊張関係がありながら、与党が強い力を持つというのが理想だと思う。

 来る参議院選挙へ向けた野党結集について「(枝野氏は)考えを変えてくれると思っている」との見通しを示した小沢氏。橋下氏の高い発信力を評価した上で「全野党をまとめるリーダーとして…」と政界復帰を促す発言も飛び出した。

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