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”無理筋なところに無理やり使おうとするのを危惧”日本のAI開発の課題は?


 AI=人工知能の開発をめぐって、各国で開発競争がヒートアップしている。

 昨年11月、中国の新華社通信がAIをMCとして出演させる番組を放送。限りなく人間らしい外見・声を身につけたアバタ―に、知識や思考の癖などを学習させたそのAIの様子は、中国が世界最先端クラスのAI研究を推し進めていることを印象づけた。

 一方、こうした技術は新たなフェイクニュースを生むという懸念もある。昨年ネット上で拡散された。アメリカのオバマ前大統領が「トランプ大統領は大ばか者だ」と非難している映像も、AIで作成された悪質な動画だった。

 さらにはAIが描いた絵画が世界的なオークション「クリスティーズ」に出品され、約5000万円で落札され、音楽やお笑いなど、クリエイティブな領域にも進出を初めているのだ。

 また、知能を持ち、主体的に動く"自律型ヒューマノイド"と呼ばれるロボットのも世界で開発が進んでいる。東京の建設現場で試験的に働き始めている、ボストン・ダイナミクス社の四足歩行ロボットは、階段や足場の悪い現場でも、動物と同じようにバランスを取ることができるため、安定して重い荷物を運ぶことが可能だ。

 人工知能学者のデービッド・レビー氏は「ロボットを配偶者に選択するのは抗えない時代の流れであり、人間とロボットの結婚も2050年頃までに合法化されるだろう」と主張。「すでにAIロボットとの熱愛を公言している人、自作AIロボットとの婚約を発表する人も現れ、映画や小説のような話も現実のものとなっている。

■日本は世界に比べて遅れ気味?

 他方、日本の状況はどうなのだろうか。番組では、大量の大喜利のデータを集め日々、笑いのセンスを磨いているAIに「ニュース番組で視聴率100%、どんな内容?」と問いかけてみた。AIの答えは「指名手配犯全員集合」。これにはインパルス板倉俊之も「面白い」、ふかわりょうも驚いていた。


 株式会社Preferred NetworksのAIロボットは「それはゴミ箱に入れてね。それはこっちだよ」といった言語による指示を理解し、部屋に散らかった物を正確に認識、片付けをしてくれる。また、人間の感情に訴えるAIも出現した。また、オルツ株式会社が開発を進めるサービスは、人物の情報や考え方などを事前に入力しておくことで、亡くなった後もスマートフォン上で会話が可能になるというものだ。



 ただ、世界のAI関連企業数(2017)を見てみると、アメリカが43%、中国が23%、その他が34%という状況だ。

 国立情報学研究所の山田誠二教授は、「正直に言うと、基礎的な技術的で大きなイノベーションがあったというよりも、ビッグデータが使えるようになったということと、計算機の処理能力が上がったとい部分が大きい。日本のAI研究については、予算がつくと人も集まるという相乗効果があり、国の大きなプロジェクトが引っ張っていた80年代の"第2次ブーム"の頃は世界トップレベルだった。ただ、現在は少し遅れ気味だ」と話す。


 それでも、国立情報学研究所が取り組む、東大受験を目指すAI「東ロボくん」の偏差値は57.8をマークするところまで到達している。「同僚がやっているのでコメントしにくいが、偏差値ではいわゆる"MARCH"のような大学の合格判定がもらえる状況だ」と話した。

■"無理やり使おうとして使えなかった"というケースを危惧

 そんなAIの今後の課題について山田氏は、「いま"第3次ブーム"が続いてる状況だが、適材適所に使うことが非常に重要だ。研究者としてはもともと無理筋なところに無理やり使おうとして使えなかった、ということで盛り上がりが収束していくことを非常に恐れている」と苦言を呈する。


 日本経済新聞社の村山恵一氏は「一つはデータバイアスというもの。AIはビッグデータを教材にして学んでいくが、それが偏っていた場合、非常に偏見に満ちた結果が生み出されてしまうこともある。与えるデータをいかに用意し、いかに学習させるのが大事だ。もう一つはブラックボックス問題といって、人間にはプロセスがいまひとつよくわからない。何かとてつもない問題が起きた時に検証して修正することがどこまでできるのか。検証可能、説明可能なAIをどう作るかが大きなテーマだと思う」と指摘。「倫理の問題、場合によっては宗教や文化の問題など、多角的な観点から考えないと、テクノロジーが進むから自分たちも突き進もうでは済まない問題が出てくると思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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