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Spotify、10年以上を経て初の黒字転換、野心溢れる今後の展望を明かす

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2018年、Spotifyイノベーターデイで登壇するCEOのダニエル・エク (Photo by Ilya S. Savenok/Getty Images for Spotify)

スウェーデン発の音楽配信サービス会社Spotifyがサービス開始から10年以上を経た現在、ようやく黒字に転じたこと、そしてポッドキャスト企業2社を買収したことを公に発表した。

創業から10年以上を経たスウェーデンの音楽配信サービス会社Spotifyの営業利益が2018年第4四半期に初めて黒字に転じた。新たに900万人のプレミアム会員数を加え、13の新市場への拡大を果たしたSpotifyは、単なる音楽配信サービスよりもはるかに大きな存在へと成長しようとしている。

米現地時間2月6日、株式市場の終了間際にSpotifyは第4四半期の収益を公表し、2018年最後の3カ月間のまずまずの成長ぶりを示した。Spotifyは最大2億700万人とも言われるユーザー基盤を抱えており、そのうちの9600万人が有料サービスの定期会員であることからもわかるように、Spotifyユーザーは急激に増加している。

運用コストの減少にともない、同社は9400万ユーロ(およそ1077万ドル/およそ117億円)の営業利益を上げた。「第4四半期におけるSpotifyの株価の変動は報告書の内容にかなりの影響を与えました。それでも、業績的には収益が見込めると確信していました」とSpotifyは株主への公式文書に記した。

昨年、Spotifyがニューヨーク証券取引所に上場し、その数カ月後にテクノロジー会社の株の脆弱性が明るみに出たことで同社の株価が急落して以来、固唾を飲みながら同社のパフォーマンスを見守り続けてきた投資家もいたなか、初となる黒字転換によってウォール街の人々はほっと胸をなでおろす結果となった。

しかしながら、水曜日にSpotifyが世に知らしめたかった内容は同社の黒字転換力だけではない。第4四半期の収益報告書を公開するほんの数時間前、同社はかねてからメディアによってささやかれていた大手ポッドキャスト制作会社のGimletだけでなく、Anchorも買収した、と発表したのだ。

これまでなにかと理想をないがしろにしてきたSpotifyではあるが——レコード会社にはならないと声高らかに掲げる一方、インディーズアーティストと直接配給契約を結んだり、同社の名物プレイリストを増加させたりしているのは周知の通り——ポッドキャスト会社の買収を通してSpotifyが言わんとしていることは明確だ。

「私たちは、Spotifyが世界中のオーディオ経済の中心であり続けてほしいと願っています」CEOおよび共同創業者の一人であるダニエル・エクは、水曜日の早朝にSpotifyの公式サイトにコメントを発表した。

「この度の買収により、Spotifyにとって音楽の重要性が減ったわけではないことをはっきりと申し上げます。Spotifyの中核を担うビジネスのパフォーマンスは極めて好調です。しかし、さらにオーディオという世界を追求する上で——とりわけオリジナルコンテンツの制作において——ビジネス全体のスケールを把握し、サブスクリプションや広告を通したモデルに重きをおく必要性があります。だからこそ、今ここで投資し、未来のチャンスをつかむことが賢明である、という判断に至ったのです」

同日の朝、エクは米CNBCにこれらの点を強調し、独創的なオリジナルコンテンツの重要性を説いた。「Spotifyのコアビジネスはとても強固です。2019年の取り組みとして、私たちはSpotifyというプラットフォームにより多くのオリジナルコンテンツが提供できるよう、投資しています。より幅広い、魅力的なサービスを提供するために。それだけでなく、私たちの取り組みももっと大きなものになるでしょう。当然ながら、プラットフォームを成長させ、より長期的な利益をもたらすのはプラスのサイクルですから」

こうした野望はSpotifyの収益報告書からもうかがえる。第4四半期の内容によると、現在Spotifyは4165人のフルタイム従業員と請負業者を抱え、第4四半期は新たに採用した人員の40%を研究開発部門に配属することで、この部門への「強いフォーカス」を追求した。

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