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調査統計不正問題での政府統計への信頼回復は容易ではない

国会での予算審議でも取りあげられている厚生労働省の毎月勤労統計での不正問題であるが、この問題で最も危惧すべきものは国の統計に対する信認の低下となろう。

 日本経済新聞社とテレビ東京による25~27日の世論調査で、政府統計の信頼性を聞いたところ「信用できない」が79%で「信用できる」は14%となっていたそうである。

 たとえば、中国が発表している統計では、政府からのバイアスが掛かっているのではとの疑惑もあり、それがどの程度信用できるのかという疑問符が付いていた。これに対して、日本政府の発表する統計の数字には、そのようなバイアスは掛かっておらず、正確性も高いと漠然と信じられていた。

 私は以前、金融市場に関わる統計に関する本を書いたことがある。すでに廃刊となってしまっているが「ネットで調べる経済指標」という本である。ここには厚生労働省の毎月勤労統計調査についても触れていた。

 「毎月勤労統計調査とは、賃金、労働時間及び雇用の変動を明らかにすることを目的に、厚生労働省が全国の常用労働者5人以上の事業所を対象として毎月実施しています。賃金(給与)や労働時間、出勤日数、労働者数などの動きを毎月調べている調査です。調査結果は、景気動向指数や月例経済報告などの景気判断の基礎資料として使われています。「マイキン統計」とも呼ばれているそうです。」(「ネットで調べる経済指標」より引用)

 つまり毎月勤労統計での不正となれば、景気動向指数や月例経済報告などの景気判断の基礎資料にも影響を与えることになる。そうなると政府の統計全般への信認問題に波及する可能性もある。毎月勤労統計での不正のようなことが他の統計でも行われていたのではないかと疑心暗鬼にもなりかねない。

 特に政府や日銀などが出している統計に対しては、当然ながら正確性が求められる。その正確性に疑問符が付くと、統計全般への信認失墜にも繋がりかねない。

 通貨の信認にしてもそうだが、いったん失われてしまうとそれを取り戻すことは容易ではない。今回の厚生労働省の毎月勤労統計での不正問題をきっかけとした政府の統計への信認を回復させるためには、かなり思い切った改革も必要となろう。

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