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少子化でも"プラレール"が過去最高の理由

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タカラトミーが手がける男児向けおもちゃ「新幹線変形ロボ シンカリオン」シリーズが人気だ。実在する新幹線がロボットに変形するもので、ベースは同社の定番商品「プラレール」。その結果、少子化にもかかわらず2017年度のプラレールの売上は過去最高水準だったという。なぜ定番商品から新たなヒットが生まれたのか――。


「DXS01 シンカリオン E5はやぶさ」と「DXS02 シンカリオン E6こまち」(画像提供=タカラトミー)

アニメも人気の「新幹線変形ロボ」

タカラトミーが手がける男児向けおもちゃ「新幹線変形ロボ シンカリオン」シリーズが人気だ。「実在する新幹線がロボット“シンカリオン”に変形する」というアイデアをキーに、主力商品の「デラックス シンカリオンシリーズ」では、タカラトミーの看板商品であるプラレールがロボットに変形。現在までに13種類を発売している。

2018年からは同タイトルのテレビアニメを放送。主人公「速杉ハヤト」と周囲の人々が共に戦って成長する姿を描き、子供から大人まで幅広いファンを獲得した。おもちゃの「デラックス シンカリオンシリーズ」は、劇中で描かれる多数のシンカリオンの変形・合体シーンのギミックを再現して立体化している。

主役ロボットである「E5はやぶさ」は、2018年9月に発表された「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2018」(玩具小売・流通関係者1000名が選出した、クリスマス商戦で売れる/売っていきたいおもちゃのランキング)の男の子向け商品部門で4位を獲得した。

「胸に新幹線」が子供から人気だった

「シンカリオン」は、タカラトミー単独のオリジナル作品ではない。企画自体は、ジェイアール東日本企画と小学館集英社プロダクションの主導で2014年に発表された「Project E5」が前身となっている。

マーケティング本部プラレールマーケティング部「シンカリオン」シリーズを担当する長沼豪氏は、「以前からプラレールの販売に関して関係があったジェイアール東日本企画から声をかけられて参加した形になります」と説明する。そこから2015年9月に第一弾商品となる旧版のE5はやぶさが発売されるまでには、紆余曲折があった。

「最初の開発時、各社でデザイン案を20パターンくらい用意したんです。今のデザインに近い、胸に新幹線の先頭車両がついているものや、トランスフォーマーのように車体がバラバラに分解されて各部に配置されたものもありました。参加各社もアイデアを出して子供たちにアンケートをとったんですが、どこで調べても新幹線が胸についているパターンが一番ウケましたね。当初は子供っぽいかなとも思ったのですが、結果的に子供に分かりやすくカッコイイ、今のデザインを採用しました」

売れ行きに地域差が少ない「新幹線」の強さ

デザインの決定前から、タカラトミーでは「シンカリオン」はプラレールで展開することを考えていた。その理由は、遊びのインフラとしてレールが多くの家庭に行き渡っていた点、そしてプラレールと新幹線という認知度の高いブランドをそのまま活かせる点が決め手だった。

「そもそもプラレールの車両は、うちの商品としては珍しく、売れ筋に地域差が出るものなんです。ですが新幹線は全国的に売れる、非常に強いアイテムでした」

プラレールは鉄道を題材にしたおもちゃだ。それゆえ、基本的にユーザーの子供たちは自分の住んでいるエリアを走っている車両を購入する。例えば山手線のプラレールであれば、東京都内の売れ行きが圧倒的に強くなるのだ。

タカラトミーとしても極力全国の広い範囲の車両を販売しようとしているが、どうしても沿線の人口が少ないエリアの車両は出しづらい。そのため鉄道会社とプロモーション連動としてグッズ販売したり、キャラクターでラッピングされた車両など地域差がなく売れる題材を選んだりと、売れ行きのバランスをとることには腐心しているという。


「DXS01 シンカリオン E5はやぶさ」(画像提供=タカラトミー)

アニメ放送前の3年間も売れていた

「その点、新幹線は沿線に住んでいる人の数がケタ違いです。例えば東海道・山陽新幹線であれば、東京から博多まで沿線全体をターゲットにできる。ただ『シンカリオン』の関連商品でも、売れ行きの地域差はあります。

普通のアニメコンテンツであれば、アニメを放送しているエリアだったら満遍なく売れるのですが、九州でしか走っていない新800系新幹線がモデルのシンカリオンは、他シンカリオンの比率と比べるとやっぱり九州で売れる比率が高いです」

実は「シンカリオン」のおもちゃは、アニメ放送前後で大きくリニューアルされている。放送以前の2015年に発売された旧版のおもちゃでは各部にバネが仕込まれており、半ば自動で変形するギミックが売りだった。当時はまだ1分半ほどのプロモーション映像しか動画が存在していなかったので、おもちゃのギミックの面白さでもコンテンツを盛り上げていきたいという事情があったそうだ。旧版は、発売から3年かけて複数ラインナップが揃う売れ行きになっていた。それをなぜわざわざリニューアルしたのか。

「難しすぎず簡単すぎない」を狙う

「同じ商品を3年売ると、商品の鮮度が落ちてくるんですよ。だからそのタイミングで、アニメ化に合わせて商品をリニューアルしようということになりました。そこで設計したのが現行のデラックスシリーズで、アニメそのままのディテールに寄せる作りにしています。旧版は変形ギミックのためにプロポーションが犠牲になっていたので、もっと違和感のないカッチリした作りのものにしよう、と」

このときにこだわったのが、変形の難易度だ。試作品を3~6歳の未就学児に遊ばせ、どのくらい遊べるか、一度説明したら変形させられるかなど、細かくデータを取った。

「設計は全て、実際に子供に遊んでもらって決めています。アニメは大人も楽しめるように作っていますが、おもちゃはあくまで子供が遊べるのが前提です。子供にとって初めての変形玩具になる可能性があるので、お父さんお母さんが変形させることができて、なおかつ子供でも慣れれば一人で変形させられるラインが理想。そこでコミュニケーションも生まれるし、『難しすぎず簡単すぎない』という難易度は狙っていますね」

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