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  • 東龍

男子禁制のギャレンタインがバレンタインを超えられない5つの理由

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バレンタインからギャレンタイン

女性であれば、誰かにチョコレートを贈る予定はありますか。男性であれば、誰かからチョコレートをもらうことを期待しているでしょうか。

2月の大きなイベントといえばバレンタインデー(Valentine's Day)が挙げられます。

バレンタインデーの市場規模は1300億円あたりで推移しており、ここ2、3年は伸長していませんが、新宿NSビルで行われたチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」には過去最多となる112ブランドが揃い、大きな賑わいをみせました。

百貨店ではバレンタインデーの特別スペースが設置され、テレビや雑誌、インターネットではチョコレートの特集が毎日いくつも見掛けられます。

他の国とは異なり、日本のバレンタインデーでは、女性が意中の男性にチョコレートを贈ることが慣習となっています。しかし、今日では、お世話になっている人への義理チョコ、友人への友チョコ、自分へのご褒美に自分チョコと、バレンタインデーの在り方も多様化しているのです。

そして、バレンタインデーの多様化のひとつとして、ここ数年話題に上っているのが、ギャレンタイン(Galentine)。

ギャレンタインという言葉は、2010年に放送されたアメリカの人気ドラマ「パークス・アンド・リクリエーション(Parks and Recreation)」のワンシーンから生まれた。主人公がバレンタインデー前日、失恋した親友のために開いた女子会の一幕が由来となっている。

出典:HuffPost News

ギャレンタインは「ギャル(Gal)」と「バレンタイン(Valentine)」を合わせた造語で、バレンタインデーに女性だけでパーティーを楽しむことを意味しています。

流行しないギャレンタイン

先に引用した記事でも紹介されていましたが、ギャレンタインを広めていこうと、ゴディバや伊勢丹新宿店も力を入れていました。

「#ゴディバでギャレンタイン」キャンペーンは、バレンタインをもっと自由に楽しむために、ゴディバから女の子たちへ贈るスペシャルプレゼントです。2018年のゴディバのバレンタイン・コレクションの中から、「あなたがあげたい」商品画像を選んでいただき、Twitter/Instagramにハッシュタグ「#ゴディバでギャレンタイン」と一緒に投稿することで参加可能です。

出典:PR TIMES

■女の子だけでバレンタインパーティを楽しむ「ギャレンタインデー」

数年前の海外ドラマで火がついて、年々Instagramで盛り上がりをみせるのが「ギャル」と「バレンタイン」を組み合わせた造語です。

出典:伊勢丹新宿店ブログ

<ゴディバのバレンタインデーに「日本は、義理チョコをやめよう」は本当に正しいか?>でも取り上げたように、ゴディバは義理チョコをやめようというキャッチフレーズを掲げましたが、賛否両論がありました。

三越伊勢丹は「サロン・ドゥ・ショコラ」の主催企業であり、日本国内外のチョコレート市場を開拓しています。

このゴディバと伊勢丹新宿店が、バレンタインデーから派生したギャレンタインを広めようとしているのは非常に興味深いところです。

流行しない理由

日本で最も有名なチョコレートブランドであるといってもよいゴディバや、全国トップの売上高と流行発信力を誇る伊勢丹新宿店が力を入れていましたが、残念ながら、ギャレンタインが浸透しているようには感じられません。

メディアで取り上げられることも少なく、SNSでも話題になっていないようです。

どうして、ギャレンタインは流行しないのでしょうか。

私は以下の点が大きな原因であると考えています。

・目的がない
・商品がない
・予算がない
・時間がない
・語感がよくない

ギャレンタインが浸透しない理由について詳しく説明していきましょう。

目的がない

日本におけるバレンタインデーは1950年代に形成されたといいます。女性から男性にチョコレートを贈ると共に愛を告白する日として定着してきました。

バレンタインデーが定着したのは、つまり、バレンタインデーが成功したのは、チョコレートを贈ることによって、好意を伝えるという明確な目的が備わっていたからであると思います。

それに比べると、ギャレンタインはどうでしょうか。

ギャレンタインは、バレンタインデーのあたりに、女性だけで集まってパーティーを開くことだけを謳っています。全体的にぼんやりとしており、どうして女性だけで集まらなければならないのか、目的が明らかとなっていません。

目的が曖昧であれば、融通が利くという面もあります。しかし、目的がないのであれば、女子会を開催するのは、別にバレンタインデーのあたりではなく、他の日でもよいとなり、さらにいえば、いつでもよいと思ってしまうのではないでしょうか。

せめて、ギャレンタインの生みの親である「パークス・アンド・レクリエーション」における物語展開と同じように、失恋した女友達と過ごすという明確な目的があれば、今この時にギャレンタインを開催しなければならないと思わせるでしょう。

失恋したばかりの女友達を励ますことが目的でなくても構いません。好きな男性やチョコレートを渡したいと思える男性がいない女性が集まり、過去の男性遍歴を赤裸々に語ったり、周りの男性に対する鮮烈な愚痴を披露したりして、過ごすのもよいでしょう。

いずれにせよ、ギャレンタインを開催するための明確な目的が必要であると思います。

商品がない

集まるための目的がないだけではなく、何かの商品が明示されていないことも、ギャレンタインが流行することを妨げているのではないでしょうか。

好きな男性へのアプローチとして、女性は2月14日にチョコレートを贈ればよいというのは、非常に明快です。いつ誰に何を渡せばよいのかが、そこに提言されています。

もしも、チョコレートと謳われていなければ、バレンタインデーが誕生した当初、チョコレート菓子を扱う製菓メーカーは積極的にならず、生まれたばかりの新しい命は潰え、バレンタインのチョコレート市場はすぐに萎んでしまったのではないでしょうか。

その善し悪しは別の議論に譲るとして、丑の日にはウナギ、クリスマスにはクリスマスケーキ、節分には恵方巻を食べるという慣習があるのは、イベントと商品が有機的に深く結びついているからです。大成功したマーケティングの事例であるといってよいでしょう。

したがって、ギャレンタインでも、ただ女子会を開催しようというのではなく、親しい女友達で鍋を囲んだり、みんなでお好み焼きを作って食べたり、思い切りドレスアップして高級フレンチに行ったりするなど、何かの食べ物と絡めた方がよいと思います。

日本各地の日本酒を嗜んだり、シャンパーニュを1本開けたり、友人と作り合ったハイボールを飲んだりと、食べ物ではなく飲み物でも構いません。

肝要なのは、ギャレンタインで何を食べるのか、もしくは、何を飲むのかが、はっきりしていることです。

商品が決まっている方が、消費者に訴えかけ易く、消費者同士も共感性が生まれ易いでしょう。飲食店や小売店が同じ商品を考案するので、レストラン紹介サイトが専用プランを作成し易くなったり、テレビや雑誌で特集を構成し易くなったりします。

ギャレンタインの目的を規定した上で、そこに強く付随する商品を提示することが必要なのです。

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