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  • 東龍
  • 2019年02月06日 10:43

平成最後の冬に訪れたい、都内屈指の三ホテルの中国料理とその背景

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土鍋料理

四川風麻婆白子 土鍋仕立て@ホテルオークラ東京/著者撮影

今の期間中、特に紹介したいのが以下の土鍋料理。

「桃花林」では、ゲストの構成、分量や好みを配慮して、サービススタッフが土鍋料理をテーブルで大皿から取り分けてくれます。

  • 干し貝柱と白菜の土鍋煮込み
  • 四川風麻婆白子 土鍋仕立て
  • 大海老の沙茶醤土鍋煮込み
  • 海の幸のおこげ

魚介が使われていたり、四川風となっていたり、沙茶醤が用いられていたり、ご飯ものとして提供されていたりと、どれも実に個性豊かです。

では、それぞれどのような土鍋料理なのでしょうか。

土鍋料理の詳細

サービススフタッフがテーブル前で取り分け@ホテルオークラ東京/著者撮影

「干し貝柱と白菜の土鍋煮込み」は白菜の芯をじっくりと煮込んでいるので、白菜が持つ本来の甘味が感じられます。帆立貝の貝柱もたっぷりなので、やわらかな弾力も感じられ、滋味にも溢れているでしょう。

「四川風麻婆白子 土鍋仕立て」は陳氏おすすめの土鍋です。四川風麻婆豆腐の豆腐を白子に替えたような料理。旬の白子は脂がのっているので、麻辣にも負けず、まろやかな口溶け感を与えてくれます。ご飯と一緒に食べると、さらにおいしく食べられること間違いないでしょう。

大海老の沙茶醤土鍋煮込み@ホテルオークラ東京/著者撮影

「大海老の沙茶醤土鍋煮込み」は癖になる沙茶醤(サーチャージャン)を用いた鍋料理です。沙茶醤は魚介類、ニンニク、ゴマなどで作った広東・潮州の調味料で、魚介の旨味がありながらも、ピリ辛さを有しています。大海老に加えて、シイタケ、長ネギ、春雨など野菜も多く、香菜がアクセント。

「海の幸のおこげ」は「桃花林」でも定番の土鍋料理。カリカリのおこげに、海老や帆立貝といった海の幸がふんだんに使われたあんが目の前でかけられ、ジュージューと音を立てます。おこげはそのまま食べたり、あんによく浸してから食べたりと、様々な楽しみ方ができるでしょう。

背景

海の幸のおこげ@ホテルオークラ東京/著者撮影

土鍋料理に関して尋ねると「広東料理を含めて、もともと中国料理には土鍋を使用する料理がたくさん存在している。食材だけではなく、土鍋も冬の旬のひとつであると考えている」と土鍋にこだわりのある陳氏らしい回答を寄せます。

今年の土鍋料理の特徴に関して「毎年変化を持たせながらメニューを作っている。例えば、猛暑であった年の冬は白菜が甘くなるので、酷暑であった今年は白菜を主役にした土鍋をご用意した」と食材に対する深い造詣を窺わせます。

どの土鍋料理がオススメであるかを尋ねると「毎日平均して10食は注文されている『四川風麻婆白子 土鍋仕立て』を特にお勧めしたい。『桃花林』は、日本の食材を最高の広東料理に昇華させながら、伝統と革新を重ねてきた。四川風麻婆に白子を合わせた土鍋料理は、まさに『桃花林』の在り方を体現した一品」と自信を覗かせます。

「土鍋は本当に素晴らしい器材。中国料理に特有のとろみがあるものやないもの、さらには、汁気があるものやないものなど、全ての要素を寛容に受け入れてくれる」という陳氏の哲学を反芻すると、2019年9月12日に満を持してオープンする「The Okura Tokyo」の新生「桃花林」でも、伝統の土鍋料理が継承されていくのではないかと期待されます。

星ヶ岡(ザ・キャピトルホテル 東急)

大分食材を取り入れた前菜七種盛り合わせ@ザ・キャピトルホテル 東急/著者撮影

<2018年初夏に食べておきたいホテル中国料理における3つのキーワード>では、地域によっては中国料理で必要となる食材が揃えられないので、日本の地域に焦点を当てた中国料理のフェアを行うのは難しいと述べました。

しかし、そのような状況にあっても、日本の地域を積極的に巡り、日本の食材を意欲的に中国料理に用いている中国料理店があるとして、ザ・キャピトルホテル 東急「星ヶ岡」を紹介しました。

前回は宮城県の食材をふんだんに用いていましたが、今現在も、その時と同じ以上に日本の食材をふんだんに用いたフェアが行われています。

それは、2019年1月7日から2月28日にかけて平日限定で行われている「大分県食材フェア」です。ランチにはセットが、ディナーにはコースが提供されています。

大分県は「日本一のおんせん県おおいた」というキャッチフレーズを広めていますが、実は中国料理に相応しい食材がたくさんあるのです。今回も「星ヶ岡」料理長の小林昇氏が食材を探すために大分へ訪れています。

コース内容

大分産スッポン・原木しいたけとふかひれ・マカの蒸しスープ@ザ・キャピトルホテル 東急/著者撮影

「大分県食材フェア」の魅力を存分に味わえるのが、こちらのディナーコースです。

大分県食材フェア ディナーコース

  • 大分食材を取り入れた前菜七種盛り合わせ
  • ふかひれの姿煮込み
  • 大分産スッポン・原木しいたけとふかひれ・マカの蒸しスープ
  • 大分産コウイカと国東オリーブのXO醤炒め なばな添え
  • おおいた和牛とあまねぎ焼き 黒胡椒ソースとさつまいもソース
  • かぼすブリときのことにらの蒸し物 ピリ辛ソース
  • おおいた冠地どりとかぼすの塩ラーメン
  • デコポンと白きくらげのデザートと大分さつまいも「甘太くん」のデザート二種盛り

スッポンやフカヒレといった中国料理の高級食材から、かぼすブリやおおいた冠地どり、おおいた和牛、さらには全国で生産量トップのカボスなど、大分県の色合いが濃い食材が使われています。

アワードで高い評価を受けている大分県のスパークリングワイン「安心院スパークリングワイン」も用意されており、ドリンクも見逃せません。

注目料理

おおいた和牛とあまねぎ焼き 黒胡椒ソースとさつまいもソース@ザ・キャピトルホテル 東急/著者撮影

「大分食材を取り入れた前菜七種盛り合わせ」は、大分県の食材がふんだんに使われた珠玉の前菜が盛り合わせとなっています。チョロギ、ブランド豚「米の恵み」のチャーシュー、コウイカの香り炒め デコポンソース、スッポンの煮凝り、サツマイモのブランド「甘太くん」の香辛料砂糖絡め、おおいた冠地どりの水煮 国東オリーブのソース、かぼすブリの中華風刺し身と、全てが大分県の食材でまかなわれているのは驚きでしょう。

「大分産スッポン・原木しいたけとふかひれ・マカの蒸しスープ」は大分県の名物であるスッポンと原木シイタケを用いて、フカヒレまで加えた贅沢なスープです。ペルーの食材マカを加えており、とても体が温まる一品に仕上げています。

かぼすブリときのことにらの蒸し物 ピリ辛ソース@ザ・キャピトルホテル 東急/著者撮影

「おおいた和牛とあまねぎ焼き 黒胡椒ソースとさつまいもソース」は、脂がのった「おおいた和牛」をしっかりとした火入れで、旨味を閉じ込めた料理です。「おおいた和牛」は、豊後牛の歴史が始まって100年目の節目である2018年に誕生しました。新しい黒毛和種なので、食べたことがある人はまだ少ないでしょう。

「かぼすブリときのことにらの蒸し物 ピリ辛ソース」はエノキ、ニラと大分県産のキノコもたっぷり使われています。かぼすブリは締まった食味で、食後感もさっぱりしているので、ピリ辛ソースとよく合うでしょう。

「おおいた冠地どりとかぼすの塩ラーメン」は、あっさりとしたスープの中太麺。かぼすを惜しみなく使ったラーメンで、ランチのセットでは1杯で2個のかぼすを使用するほど。

「おおいた冠地どり」は、大分県畜産試験場が4年の歳月をかけて誕生させた大分県産の地鶏です。日本では初めて、希少価値の非常に高い烏骨鶏を交配させています。鶏肉の旨味のもとであるイノシン酸が豊富で、肉質も柔らかいことが特徴です。

背景

おおいた冠地どりとかぼすの塩ラーメン@ザ・キャピトルホテル 東急/著者撮影

2016年9月から始まり、2ヶ月毎に新しくなる日本各地の地域フェアも、今回で14回目を迎えます(過去1回休み)。どうして大分県が選ばれたのでしょうか。

小林氏は「地域フェアも既に回数を重ね、多くの方に認知していただいていることから、大分県からお話をいただいた。質の高い肉類、魚介類、野菜があり、柑橘類も素晴らしいので、是非とも大分県の食材を使いたいと思った」と振り返ります。

今回はどれくらい大分に訪れていたのでしょうか。

「2018年10月24日から25日まで大分に訪れていた。船に乗ったり、山に登ったりして、2日間様々なところへ行ったので、名物の温泉にゆっくりと浸かる暇もなかった」と身を粉にして食材探しに奔走したと述べます。

印象に残ったエピソードについては「何気なく食べたブリしゃぶから、これはもっとおいしくできそうだとインスピレーションが得られた。湯通しするよりも蒸した方が雑味も抜けると思い、かぼすブリの蒸し物を考案した」と上質な中国料理へと昇華させた過程を話します。

「次回は愛媛県に決定しており、その後は東京も考えている」と述べますが、大分県フェアではかぼすブリが使われたので、愛媛県フェアではみかんブリが使われるのではないかと、想像を膨らませることができるのも、継続して地域フェアを行う「星ヶ岡」だけの楽しみ方ではないでしょうか。

寒い冬にもぴったりな中国料理

2月という寒い時期に、注目したいホテルの中国料理を紹介しました。

ウェスティンホテル東京「龍天門」では中国や香港で大切な行事である「旧正月」の料理を通して本場を知り尽くした和栗氏の料理を堪能でき、ホテルオークラ東京「桃花林」では日本人にも馴染み深い土鍋料理から伝統を継承した陳氏の美学を味わえ、ザ・キャピトルホテル 東急「星ヶ岡」では大分県の食材をふんだんに使ったコースによって小林氏の創造力を余すところなく体験できます。

強い火力で一気に作り上げるというイメージを持つ中国料理は、寒い冬にもぴったりでしょう。平成最後の冬に中国料理を食べたくなったら、是非とも足を運んでみてください。

※Yahoo!ニュースからの転載

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