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  • 東龍
  • 2019年02月06日 10:43

平成最後の冬に訪れたい、都内屈指の三ホテルの中国料理とその背景

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四川風麻婆白子 土鍋仕立て@ホテルオークラ東京/著者撮影

冬もおいしい中国料理

<2019年冬に注目したい三ホテルの美食フレンチとその背景>でも紹介したように、寒さが厳しくなってくると、しっかりとしたフランス料理が食べたくなるものです。

フランス料理に比べると、日本人が最もよく知る外国料理である中国料理はそれほど季節に影響されないように思います。

しかし、実は中国料理にとっても、フランス料理と同じように、この寒い時期はおいしい季節なのです。

「五畜の美味をかねる」といわれているスッポンや、中国料理の三大珍味のひとつである干しアワビを作るためのエゾアワビも今が旬です。体が温まる鍋料理も寒い冬になるとバリエーションが豊富になりますし、2月には大きなお祭りもあって食事が華やかになります。

平成最後の冬に訪れたい都内屈指のホテルの中国料理とその背景をご紹介しましょう。

龍天門(ウェスティンホテル東京)

姿鮑のオイスターソース煮込み@ウェスティンホテル東京/著者撮影

正月は本来1月のことですが、現在では新年を祝う始めの数日間のことを指します。また、元日は1月1日、元旦が1月1日の朝です。

正月は新暦をもとにしていますが、旧正月は月の満ち欠けを基準にした旧暦をもとにしているので毎年同じにはならず、2つの正月は日がずれています。

旧暦では新年の始まりは、毎年だいたい1月21日から2月20日の間となっており、2019年は2月5日です。中国では、旧正月のことを、旧暦が農暦と記されることから、農暦新年と呼んだり、春節と呼んだりしています。

正月はもちろん、旧正月も新年を祝う大切なお祭りなので、普段は食べるのがもったいないような高級食材を使ったり、質も量もグレードアップしたりして、食事が豪華になることが一般的です。

そして、その豪華な旧正月の料理を楽しめるフェアが、この日本でも行われています。

それは、ウェスティンホテル東京「龍天門」で2019年1月29日から2月12日にかけて行われている「旧正月フェア」です。

「龍天門」は、総料理長である和栗邦彦氏が腕をふるう、本場の広東料理を堪能できる中国料理レストラン。

「旧正月フェア」では香港さながらの本格的な春節の祝宴が開催されており、乾杯のシャンパーニュを含む、ワイン、紹興酒のフリーフローも用意され、お祭りムード一杯のフェアになっているといってよいでしょう。

コース内容

燕の巣 蟹肉 蟹卵入りスープ@ウェスティンホテル東京/著者撮影

旧正月フェア」では以下のようなコースが提供されています。

旧正月特別ディナーコース

  • 農暦の祝いお刺身 香港スタイル
  • 水餃子
  • 姿鮑のオイスターソース煮込み
  • 燕の巣 蟹肉 蟹卵入りスープ
  • 活イセエビ 春雨にんにく蒸し
  • アイスバインの醤油煮込み レタス添え
  • イーフー麺
  • 中国餅 白玉入りお汁粉

まるごとのアワビ、ツバメの巣、カニ、イセエビなど高級食材が用いられていることからも、ハレの日を祝うためのコースであることは分かるでしょう。

それに加えて、中国や香港では験担ぎを大切にするので、それぞれの料理には、運気が向くようなこだわりも見掛けられます。

注目料理

活イセエビ 春雨にんにく蒸し@ウェスティンホテル東京/著者撮影

「農暦の祝いお刺身 香港スタイル」は、中国料理にしては珍しく刺し身が提供されています。生魚は、お金に余裕があるという言葉と同じ発音なので、縁起がよいのです。サーモンとイクラ、カリカリの揚げワンタンに加えて、香港では珍しいコブミカンの葉が使われているので、東南アジアの香りが感じられます。

「姿鮑のオイスターソース煮込み」は、肉厚なアワビと相性のよい濃厚なオイスターソースで煮込まれています。オーソドックスな一品ですが、ナイフとフォークでいただく西洋スタイルになっているのは新鮮でしょう。アワビは小判型なので金運が上向くとされており、アワビを薄くスライスした金銭アワビといわれる料理もあるほどです。細い海藻である髪菜も加えられていますが、蓄財を意味する言葉と同じ発音で、これも縁起物。

「燕の巣 蟹肉 蟹卵入りスープ」はしっかりとしたコクがありながらも、さっぱりとした食後感となっています。真ん中にある球形のものは、ツバメの巣を包み込んだ生春巻です。ツバメの巣はコラーゲンたっぷりで健康によく、ツバメの家族が仲良く巣の中に集う様子から家族運が高まるとされています。

「活イセエビ 春雨にんにく蒸し」は、イセエビの身がぎゅっと引き締まっており、非常に旨味があります。風味豊かな魚醤のタレは、たっぷりと載せられた春雨にもよく合っているでしょう。揚げニンニクと蒸しニンニクが使われており、複雑な香ばしさを醸します。イセエビは龍蝦と書きますが、龍や馬は元気の象徴です。

アイスバインの醤油煮込み レタス添え@ウェスティンホテル東京/著者撮影

「アイスバインの醤油煮込み レタス添え」は、沖縄県ブランド豚のキビまる豚が使われています。キビまる豚は、さとうきび、紅芋、薬草など、沖縄伝統の植物が飼料として与えられた豚で、独特の香りがある脂身とあっさりとして味わいやすい赤身が特徴。

キビまる豚の前すね肉を一度揚げてからタレで煮て、一晩寝かせ、骨を抜いて成形するなど、まる2日も時間をかけています。そのため、箸でも容易にカットできるほどのやわらかさとなっているのです。

豚の足は日本の招き猫と同じで、お金を呼び寄せるといわれています。レタスは財産を生むという言葉と同じ発音です。

「イーフー麺」は卵と小麦粉で打った麺を茹でてから揚げ、さらに湯通しした、手間暇かけた麺。非常に口当たりのよい麺で、絡めたオイスターソースとよく合います。イーフー麺の細長さは長寿を表します。

背景

イーフー麺@ウェスティンホテル東京/著者撮影

日本で香港風の旧正月コースが食べられるのは貴重なことですが、和栗氏は旧正月に対してどのような思い入れがあるのでしょうか。

「香港では、5月第2日曜日の母の日、旧暦8月15日の中秋節と並び、旧正月は非常に大きな行事で、とても賑やかとなる。私のホテル事務所のテーブルには、新暦のカレンダーに加えて、旧暦のカレンダーも置いてあり、いつも確認している。旧正月が近付いてくると、気持ちが盛り上がってくる」と、年に何度も香港へ視察に訪れる和栗氏らしい答えを返します。

和栗氏はウェスティンホテル東京「龍天門」の総料理長に就任する2018年2月15日までは大阪にいましたが、今年の旧正月コースはこれまでと何か違うのでしょうか。

「大阪では牛肉や鶏肉がよく食べられるが、関東では豚肉がよく食べられている。今年は豚肉をよく使うようにして、プレゼンテーションも刷新した」と地域性の違いについて触れます。

コースの構成については「昨年の秋から少しずつ考え始め、12月の半ばには決定した。期日が迫っている時に考えるとあまりよいアイデアが浮かばないので、時間に余裕をもって考えるようにしている。普段のコースは7品だが、中国では6や8が縁起がよいとされているので、旧正月コースではランチは6品、ディナーは8品にしている」と練りに練ったコースであるといいます。

ゲストの反応を尋ねると「ウェスティンホテル東京に入る食材はもともと質が高いので、香辛料は控えめにしてある。日本人が食べても違和感がない味付けになっているので、おいしく最後まで食べられると、ご満足いただいている。好評であれば、来年も旧正月フェアを行いたい」と力を込めます。

「例えば、1日だけの特別なガラディナーを開催し、豚の丸焼きをご提供できたら、みなさまに喜んでいただけると思う」と具体的な構想も淀みなく答えるだけに、「龍天門」の来年の旧正月フェアでは、日本では滅多に食べることができない豚の丸焼きまで楽しめる可能性が高いのではないでしょうか。

桃花林(ホテルオークラ東京)

干し貝柱と白菜の土鍋煮込み@ホテルオークラ東京/著者撮影

寒い冬に食べたくなる料理のひとつとして、鍋料理が挙げられるのではないでしょうか。

日本料理にはたくさんの鍋料理があり、すき焼き、もつ鍋、水炊き、ちり鍋、ちゃんこ鍋から、しゃぶしゃぶ、湯豆腐までバラエティ豊かです。地域性が強い鍋も挙げていけば、石狩鍋、せんべい鍋、きりたんぽ鍋、あんこう鍋など、それぞれの場所に根ざしたものが挙げられるでしょう。

同じ鍋料理でも、事前に焼いたりするものを除けば、土鍋を使って作ると、より一層おいしく食べられます。土鍋は土で構成されているので、食材に熱がゆっくりと伝わっていき、じっくりと温めることができます。遠赤外線の効果があったり、保温効果も高かったりするので、煮込み料理にはぴったりなのです。

土鍋料理は、日本料理にだけではなく、中国料理にもあります。

そして、ホテルオークラ東京「桃花林」では、2019年1月7日から2月28日にかけて「総料理長 陳 龍誠おすすめの逸品」として、総料理長である陳龍誠氏による、いくつもの土鍋料理を体験できるのです。

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