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Xperiaが危ない、ソニー決算で苦境鮮明に


ソニーが2月1日に発表した2018年度第3四半期決算は、売上高は前年同期比10%減の2兆4,018億円、営業利益は同7%増の3,770億円の減収増益だった。金融ビジネスの不調が足を引っ張った形だが、それをのぞいても同3%減の減収となっている。さらに増益もEMIの連結子会社化にともなう再評価益が含まれ、一時益を除けば同25%減の2,601億円となっており、根は深いのかもしれない。

ソニーの第3四半期決算

その中で、不振が鮮明に現れているのがモバイル・コミニュケーション分野だ。スマートフォンの「Xperia」が主力のセグメントだが、販売台数減がたたって売上高で同37%減、営業損失は前年同期から313億円悪化して155億円のマイナスとなった。

セグメント別の業績。モバイル・コミュニケーション分野は為替影響もそれほど大きくなく、日本が主力なことが伺えるが、それでも大幅な減収減益

スマートフォンの販売台数は180万台で、同220万台減という減少幅。半分以下だ。日本、欧州、中南米の販売台数減少が響いたとしている。その結果、通期の売上高予測は200億円減となる4,900億円へと下方修正。スマートフォンの販売台数予測も50万台減の650万台とした。営業損失は950億円のマイナスで従来予測を据え置くが、これはオペレーションコストを2020年度には半減(2017年度比)させるという計画を前提としたものだ。

通期ではさらなる減収を見込む

技術、ブランドを再度点検するべき

スマートフォン事業は、世界で競争が激しい。シェアトップはSamsungだが、長くトップに君臨していたNokiaを逆転したのが2012年ごろ。それ以来、多少の変動はあったもののおおむねトップを維持しているが、そのSamsungも販売に陰りが見えはじめていて予断を許さない。

2位にはSamsungと争っていたAppleがいたが、2018年になって2四半期連続でHuaweiが2位に躍り出ている。通期の結果は出ていないが、世界出荷台数が2億台を突破して順調だ。Huaweiを含めて中国勢の攻勢は今も続いている。米中の貿易紛争は懸念材料だが、米国でのシェアがほとんどないHuaweiが世界2位に位置するという強さを見せており、Samsungの背後に迫る勢いだ。

とはいえ、スマートフォン市場自体が世界規模でやや弱含みな状況なのは確かだ。何とかしようと、カメラ機能や折りたたみ、全画面といったさまざまな特徴を盛り込もうと各社工夫を凝らしている。そうした中、Xperiaが新技術へのキャッチアップで遅れている感は否めない。

市場を席巻したデュアルカメラへの対応遅れをはじめとして、市場のブームに乗りきれなかったことは元より、それをカバーできるような市場を牽引する新しい技術や機能も打ち出せなかった。

ハイエンド端末に注力して低価格端末から撤退したことも響いた。グローバルメーカーの多くはハイエンドを技術アピール、実際の販売をミドルクラス以下の端末に頼っており、Appleでさえも比較的安価な端末を用意して中国市場などの要望に応えようとしていた。

iPhoneのように、「いつかは欲しい端末」というブランドイメージが作れていなかったXperiaが低価格端末から手を引いたことで、安価な端末からハイエンドにステップアップする新興国ユーザーが離れ、選択肢の増えた先進国でもユーザー層の確保に繋げられなかった。

現行のフラッグシップモデル「Xperia XZ3」

2月下旬に重要イベント、期待に応えられるか

これはスマートフォン市場の変化だけでは片付けられない事態だろう。端末のバリエーションや技術的先進性、そしてデザインの先鋭性でアピールして、市場での存在感をひろく高める方向ではなく、ハイエンド端末のみで勝負を挑んだことで、全体の縮小に繋がってしまった。

日本では、分離プラン導入やMVNOの伸長でミドルレンジ以下の端末の売れ行きが伸びている。グローバル的にも、主力はミドルレンジ以下となるため、こうした領域への進出を考え直す必要があるのではないか。

ソニーのXperiaは、現時点でも世界的に競争力のあるブランド力自体は維持している。そのブランド力を生かす製品開発に期待する声も残っている。今月下旬には、世界最大といわれる携帯通信見本市「モバイル・ワールド・コングレス」(MWC Barcelona 2019)がスペイン・バルセロナで開催され、ソニーもそこで新製品の発表を予定している。新しい価値を携えたXperiaや、現状をくつがえす新戦略は見ることができるのか、ここは正念場かもしれない。

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