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堀江貴文氏が「働かなくていい」と主張する2つの理由

堀江貴文氏が「もう働かなくていい」と主張する理由とは】

 堀江貴文氏が最新刊『僕たちはもう働かなくていい』の中で「もう働かなくていい」と主張する理由は、2つある。ひとつは、すでに日本を含め、世界中に「富」が有り余っていること、もうひとつは、人間に代わって、AI (人工知能)やロボットが「財」を築く時代になるからだ。堀江氏が「AI時代の生き方」を説く短期集中連載の第3回では、「富」や「財」にまつわる考え方を改めるべきだという。

 * * *

 これからの時代、生き残れるのは、安定した仕事を与えられた人でも、お金持ちでもない。働かなくてもいい世界で、なおモチベーションを持ち、何かの行動を起こせる人が、生き残れるのだ。AIやロボットは、そうした人たちをふるい出すツールでもある。

 そうは言っても、財産が足りないのだから、嫌々でも働かないことにはどうにもなりません……と引き下がらない人もいるだろう。異論は承知のうえで、論を先に進めていく。まず「財は足りない」という意識を、解いていく必要がある。

 資本主義社会において長年、経済の指標となってきたのは国内総生産=GDPだ。この数値は、国家の運営に役立てようという思想で設計された指標だ。産業革命以降の資本主義国家の経済発展には、役立ったと思う。

 だが近年はGDPという「物差し」が役目を終えつつあることを、理解してほしい。GDPはざっくり説明すると、国民が働いた成果をすべてお金の価値に還元して、計算された指標だ。しかし情報技術やテクノロジーの進化により、「働く」ということの定義が、急速に曖昧になってきた。そんな時代に、どれほど信頼できる指標になりえるのだろうか。

 例えば、好きなことを人に見せて、広告収入を得ているYouTuberは「楽しみを共有する」という無形の財を生んでいる。仮想ライブ空間「SOWROOM」でライブ配信を頑張っているアイドルやタレント、趣味のものや旅行先の写真をアップして稼いでいるSNSインフルエンサーなども同じだ。

 また、お金にはならなかったボランティア的な活動も、クラウドファンディングなどを通じて金銭的な支援がなされるようになった。家事や子育て、「困っている人を助けるのが好き!」という人への報酬も、NPO法人などのサポートで、支払われる仕組みが整ってきた。彼らの創出している財を、旧来のGDPの枠組みに入れるのは難しい。

 ひと昔前まで、GDPに組み込まれている仕事とは言えなかった遊びや趣味が、仕事に成りかわり始めている。いや、もしかしたら従来的な仕事よりも、はるかに儲かるようになってきたのだ。給料や時給を、財とみなしているうちは、財の根本的な性質が変わってきている現在の潮流を、きちんと読み取れていない。

◆「財が足りない」はブラックユーモア

 遊びが仕事全体の大きな部分を占めるようになって、GDPというものは、経済的発展のたしかな指標にはなりえなくなっている。仕事の定義づけが急速に変化しているこの時代に、「財が足りない」と嘆いているのは、財を獲得するための正しい情報を得ていない証拠だ。

「財が足りない」と嘆く人は、「どこに財があるのか気づいていないだけかもしれない」と、まずは考えを改めてみてほしい。筋のいい情報と、俯瞰的な視点をきちんと持っていれば、尽きることのない財は、あなたのすぐ近くにあると気づけるはずだ。

 あと、ひとつ大きな勘違いを解いておく。日本の経済は長引く不景気でひどいことになっているとか、アジアのなかで地位が急落しているとか、ネガティブな情報にばかり目を向けてはいけない。

 IMF(国際通貨基金)の調査によると、日本のGDPは1980年から基本的に右肩上がりを続けていて、ほとんど下落していないのだ。2018年のGDPは550兆円を超えている。数値は30年余りで、倍以上の増額だ。こんなに儲けまくり、稼ぎ倒している国に暮らしていて、「財が足りない」と嘆いているのは、ブラックユーモアでしかない。

 実は世界に、富は有り余っている。食糧なんて、生産されたうちの、ほとんどを廃棄している。ロスになるぶんの食料をITで効率よく減らしていくビジネスが生まれたりしているくらいだ。

 社会の財は、足りていない……どころか、増えて増えて増えまくり、どう分けていこうか? と、あらゆる研究機関で考えられているのが、真実の現状だ。

 これからは放っておいてもAIやロボットなどのテクノロジーが、富を生んでくれる時代になる。AIロボットが社会全体の富を自動的につくりだして、私たち人間みんなに、利益をもたらしてくれるのだ。経済成長も、かなえてくれるだろう。

 人間がやっていた「財をなすことが目的の面倒な労働」を、AIやロボットが肩代わりしてくれる時代がやってくる。人間にしかできない仕事はどんどん減っていき、自由な時間がますます増えていく。ただそれだけの話だ。

※堀江貴文・著/『僕たちはもう働かなくていい』より

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