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ネットに掲載された「震災瓦礫PR記事」を考える 〜 【補足】広告とジャーナルは別のもの (はてなのセールスシートを読む)

前エントリーで書いた「環境省が推進するがれき広域処理の意味――前編:大量のがれき」というはてなブックマークニュースに掲載された「PR記事」は、ライターが津田大介氏であったため、ネット上で少しばかり物議を醸したようだ。そのせいもあってか、昨日の当ブログのアクセス数は通常より多めに推移した。
そこで、私としては前エントリーに少々補足しておきたいと思う。

まず指摘しておきたいのは、はてなが普段からこのブックマークニュースの枠で広告タイアップ企画をセールスしていること。

株式会社はてな タイアップ事例集
(※はてなが公開しているこの事例集は、もっとページ数が多いのですが、ココログにアップできるPDFのファイルサイズが1Mまでなので、その範囲内になるようページを削除しています。すべてを見たい方は→こちらへ

↑はクライアントや広告代理店に配布する広告媒体資料(セールスシート)で、内容を見れば一目瞭然、この広告企画の効果が列記されている。
つまり、今回の場合も、純然たるタイアップ広告なのだ。

ところが、はてなが「PR記事」という言葉を使っているために、話がややこしくなる。
少なからぬ人が「PR」と入っているけど、これはきちんと取材された「記事」なんだなと誤解してしまうのではないだろうか。

しかし、そうではない。単純に事を整理すれば、

「はてなはブックマークニュースの枠で広告タイアップを売っている」→「そこへ環境省が出稿した」→「津田大介氏がライターとして起用され、クライアントのニーズを満たした広告原稿を書いた」

という、ただそれだけのことだ。
それ以上でも以下でもない。

ちなみに私は、自分も広告営業マンとして雑誌媒体でこのようなタイアップ広告をせっせと売っていた。
広告には純広告とタイアップ広告がある。純広告とはクライアント自身が制作するもので、訴求したいことを許される表現の範囲内ですべて出すことができるが、原稿は広告そのものである。
対してタイアップ広告は各媒体に合わせて一回一回作るもので、手間はかかるが媒体になじんだ構成となるため、純広告に比べるとスキップされにくいという特徴がある。
したがって、近年、クライアントのタイアップ広告志向は強いのだが、今回の環境省の場合で言えば、朝日新聞の2面見開きで純広告をドカンと打つ一方で、このようなタイアップ広告も仕込んでいるわけで、ここらへんはおそらく広告会社のブラニングなのだろう(朝日とはてなの扱いが同じ広告会社かどうかは不明だが、この流れは多分同一ではないかと私は推測する)。

付け加えておけば、私は別に広告原稿を書くことが悪いとは思わない。誰が何を書こうと、それはライター個人の判断だ。したがって今回の場合も、津田氏に対してどうのこうのと言うつもりはまったくない。
ただ、今回の「記事」は広告だということだけは、ハッキリさせておくべきだと思う。

そして広告であるから、取材費(顎足、宿泊があれば枕も)はクライアントから出て、コーディネート、資料もクライアントから提供される。掲載前にクライアントからの原稿チェックがある。これが当たり前のことだ。
そのこと自体にはなんの問題もない。ただしこれはジャーナルではない。それもまた当然のことである。

はてなのセールスシートのファイル名を見ると、「(2012年4-6月版)」と書かれているので、いずれ今回の広告事例も追加掲載されるのだろう(はてなが目的や効果をどのように書くのかは興味がある)。
広告会社やクライアントはそのセールスシートを見て、「なるほど、はてなではこういうタイアップができるのか」と思うわけである。

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「この情報はこう読め」

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『東京電力福島第一原発事故とマスメディア』

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