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麗華の想いを直接聞いて、涙が止まりませんでした――対公安調査庁の裁判傍聴記

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 その上で自分が生きていられるのは、今まで支えてきてくださった方たちがいたからだと、述べていました。中でもとりわけ、麗華にとって生きる支えとなったのが、松井先生の存在でした。
「16歳のときに巡り会えた松井先生は、わたしの未成年後見人になってくださり、誰かに庇護される安心感を教えてくださいました」

 松井先生は、麗華だけでなくわたしたちきょうだい全員を助けてくださいました。わたし自身、松井先生がいらっしゃらなければ、生きることをあきらめていたと思います。信頼のできる大人に何かを相談できるということ、誰かの付属物としてではなく、一人の人間として尊重されること、その安心感と驚きは、今でも忘れられずにわたしの心に残っています。そのほかの父の「子どもたち」との関係についても多く触れたいことがありますが、ここでは止めておきます。

 ただ、麗華が松井先生と巡り会ってから、19年間もの月日が経過しているのは客観的事実であり、その間ずっと松井先生が麗華を支えてきてくださったというのも、間違いのない事実です。
 
麗華は続けます。
「感謝の一方で、わたしを守ろうとしてくださったために、松井先生やわたしを支えてくださった方たちが犠牲にされてきたものを考えると、申し訳ない思いでいっぱいになります」
 
 麗華が最後の一線を越えずに生きてこられたのは、今まで支えてくださった方たちの顔を思い出し、懸命に生きることこそがご恩返しになると思ったからでした。

 松井先生はなぜこんなにも長い間、麗華やわたしたちに対し、さまざまな援助をしてくださったのでしょうか。松井先生はそういうことを口にされる方ではないのですが、いつかお聞きしてみたいと思います。社会から排斥されている人はたくさんいると思います。その中で松井先生は、偶然巡り会った「麻原彰晃の子」と言われるわたしたちを一人、支えてきてくださいました。

 「悪魔のおまえたちに人権はない」と言われ、「ウジ虫」とそしられてきたわたしたちを、悪魔やウジ虫ではなく人間にするために、松井先生がどれだけの犠牲を払ってこられたのか、わたしには想像をすることもできません。

 麗華やわたしたちを友人として支え、落ち込んだとき、気力を失ったとき、励ましやあたたかい言葉を下さった方の中にも、たとえば友人を失い、非難やバッシングを受け、今まで培ってきたものを犠牲にされた方もおられました。わたしが知る以上に、多くの方がさまざまなものを犠牲にされながら、支えてきてくださったのだと思います。
 
 最後に、麗華は自分の生の声を聞いてくれた裁判官や書記官にお礼を述べ、意見陳述を終えました。

 5分程度と短いものでしたが、過去がいろいろと思い出され、泣きながら意見陳述をする妹の姿も哀しくて、涙が止まりませんでした。

――今まで生きていてくれてありがとう。

 つらい思いをしていることを知りながら生きていて欲しいと願うのは、エゴなのだと思います。松井先生も「自分のやっていることはエゴじゃないかと思うときがある」とおっしゃっていたことがあります。死んだら楽になれるかもしれない。自分自身も死ぬことを考えてしまうのに、人には生きて欲しいと願ってしまう。
それでも、麗華に言いたいです。

今まで頑張って生きてきてくれてありがとう。あなたが頑張る姿を見て、わたしも勇気づけられてきました。
 
また、今まで麗華を助け、彼女の命をつないできてくださった方たちに感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 
麗華が少しでも自由を取り戻し、誰にも踏みにじられない日が来ることを願ってやみません。

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