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中国では異例の「ゲイ」を連想させるスマホゲームの制作現場を取材


 中国では依然としてLGBTに対する世間の理解が進まない中、異例のゲームが制作されている。

 北京で制作が進むのは、「ガイー(Gyee)」という名のスマホゲーム。生まれつき「異質だ」として差別されている「ガイー」と呼ばれる人々が、平等を求め戦うストーリーだ。

 同性愛の「ゲイ」を連想させるネーミングとストーリー。発案した2人はゲーム制作のきっかけについてこう話す。


「既存のゲームと違うものを作りたかった」(制作マネージャーの羅能さん)

「社会的弱者、マイノリティ向けのゲームを作るべきだと思った」(プロデューサーのMIKEさん)

 プロデューサーのMIKEさん自身も小さいころ、性格が「女々しい」と言われいじめられた経験があるという。


 「制作メンバーにLGBTが多く、いじめを受けていた人もいる。自分たちが好きなゲームを作って、キャラクターの見た目以外にも自分たちの価値観を表現したい」(MIKEさん)

 「ガイー」の30人のメインキャラクターのうち、男性が26人と大半を占めている。ラブラブの恋愛シーンも男性同士。ゲイの中では人気の熊系と呼ばれるずんぐりした体型、かわいい少年、男性が派手な女装をしたドラッグクイーンのキャラクターも。


 そんな中、侍や剣道をしているスタイルなどの日本風キャラクターも多い。日本人のイラストレーターと契約してキャラクターを提供してもらい、それがゲームの目玉になっている。


 LGBTの気持ちを代弁するゲームの中で、怪物呼ばわりされたキャラクターはこう叫んでいる。

「みんな同じ人間だ!なぜ“あなたたち”と“私たち”を切り離す?」

「お前たちみたいないわゆる人間こそ、怪物だ!」


 「違い」があってもみんなに正々堂々と生きる権利はある。そう訴えている。

 国連の調査報告によると、中国でLGBTをカミングアウトしている人の割合はわずか5%。一方、年齢が若い人ほどLGBTへの理解度は高くなっている。街の若者からは「(LGBTは)多くなっていると思う」「カミングアウトする勇気がみんな持てるようになったと思う」「1990年代以降生まれの若い人は寛容だと思う」などの声があがる。

 およそ2年の制作期間を経た「ガイー」は、去年2回のテストプレーを行い、特に若いユーザーから支持を集めている。

 北京の外資医療機器メーカーで働くKENさん。周りにゲイであることをカミングアウトしているが、まだ両親には言えずにいるという。


 「ゲームに隠されている、“ガイー”たちの心のこもったストーリーに共鳴した」

 しかし、ゲームを販売するには中国政府の審査に合格しなくてはならない。LGBTの出版物が認められていない中、ゲームは世に出ることができるのか。MIKEさんは「国内での政策があるので、私たちのテーマはLGBTではなく、平等・多様化・反差別を訴えること。もちろん審査を待つ必要がある。進む道を照らしてくれたのは勇気、そしてプレーヤーたちの助けだった」と語った。


 「ガイー」は今年春の販売を目指している。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

取材の模様、ゲームの映像はこちら

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