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ゴーン逮捕とJOC贈賄疑惑とファーウェイCFO逮捕の接点

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 昨年11月19日に日産のゴーン会長が逮捕され、長期の勾留に対してフランス政府が懸念を表明する中、今後はフランスの当局が12月10日に2020年の東京五輪招致を巡る贈収賄疑惑で、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長を事情聴取していたことが明らかになった。既に予審判事が、贈賄の疑いで竹田会長に対する捜査に着手しているという。

 その一方で、米政府の意向を受けたカナダの検察が、中国の通信機器大手ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)を1月3日に逮捕すると、今度は中国当局が相次いで13人のカナダ人を拘束。1月14日には中国の裁判所が一審で懲役15年の判決を受けていたカナダ人男性に対して控訴審で死刑を言い渡すなど、一見、報復合戦とも思えるような司法権力を使った国家間の衝突が激化している。

 確かに司法権力は国家にとっては軍隊に次ぐ「実力組織」であり「暴力装置」でもある。軍隊を使った戦争の代わりに、司法権を使って競争に勝とうとするのが、グローバル化時代の覇権と経済利権をめぐる新しい戦いの形なのだろうか。

 外国公務員の贈賄罪に詳しい経営倫理実践研究センター主任研究員の北島純氏は、東京五輪の招致委員会の贈賄疑惑に対する捜査自体は2016年から始まっているものなので、今回の竹田JOC会長に対する捜査がそのような政治的な意図を持った報復と考えるのは無理があると指摘する。また、東京五輪の招致委員会が五輪招致を勝ち取るために、シンガポールのコンサルタントを通じてIOCの理事やその親族に賄賂を支払ったとする疑惑自体が、もともとはロシアのドーピング問題に対する調査報告に端を発するものだったことから、そこに日本に対する何らかの政治的な意図があったとは考えにくいというのが、北島氏の見立てだ。

 ロシアのドーピング疑惑を調査した報告書には、ロシアによる政府ぐるみのドーピングの実態が露わにする一方で、ドーピングのもみ消しの嫌疑を掛けられたトルコが、2020年の五輪を招致するために必要とされる400万~500万ドルの賄賂を払わなかったためにイスタンブールへの五輪招致に失敗した一方で、東京はそれを払ったために招致に成功したとの記載が含まれていた。それが今回のフランス当局による捜査の発端となったことは間違いないようだ。

 日本では贈収賄罪はもっぱら公務員や政治家だけが対象だが、フランスでは民間同士の取り引きでも賄賂が罪になる。実はアメリカやイギリスを始めとする一部の先進国では近年、民間同士の取り引きにも贈収賄を禁じる法律が作られ始めているそうだ。五輪やFIFAの委員は公務員ではないが、それを買収する行為は高潔さをウリにするスポーツの根幹を毀損するというのが、その理由だと北島氏は言う。また、民民取り引きであっても、市場の公正さを損ねる行為を罰することには一定の合理性があるとも言える。

 東京五輪の招致委員会が、2020年の五輪を東京に招致するためにIOCの理事に賄賂を渡す行為は、仮にそれが賄賂性を持ったものだったとしても日本では罪にはならないが、フランスでは罪になる。今回、贈賄の嫌疑をかけられ、IOCの委員に強い影響力を持つとされるセネガル人で国際陸連のラミン・ディアク前会長が、パリを本拠に活動をしていることが、フランスがこの事件の管轄権を主張できる根拠になっているという。

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