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焦点:独首相、来日でトランプ保護主義への「対抗軸」構築狙う


Paul Carrel

[ベルリン 31日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は2月4─5日に日本を訪れ、安倍晋三首相と会談する。通商問題で「米国第一」を振りかざすトランプ大統領や、自国の利益追求に余念がない中国への対抗軸となる「多国間主義の連携」を構築するのが狙いだ。

メルケル氏は昨年、与党・キリスト教民主同盟(CDU)の党首を辞任して連立政権内での意見調整などのわずらわしい仕事から解放され、多国間主義の国際態勢を改めて確立するための外交政策に専念しつつある。多国間主義はドイツの繁栄に欠かせず、日本の利益にもなるものだ。

ドイツが今後2年間、国連安全保障理事会の非常任理事国を務める機会も利用する構えで、先の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、国際関係において「ウィンウィン」の結果をもたらす道を提唱していくと表明した。

それを実行する上でメルケル氏は、安倍氏やカナダのトルドー首相らの「同志」とともに、自由貿易や温暖化対策など共通の利益を守るためのネットワークを築きつつある。

あるドイツ政府高官は「今回のメルケル氏訪日は日本との関係を強化し、厳しさを増す国際政治環境の下でも、両国が緊密かつ簡単に崩れないつながりを維持しているという強いシグナルを送るチャンスになる」と説明した。

日独はともに輸出国で、自由貿易態勢の堅持は双方にとってプラスだ。この点は4日の日独首脳会談でも真っ先に議論される話題になるのは間違いない。

安倍氏もダボス会議で、20カ国・地域(G20)首脳会議議長国として、国際貿易システムの信頼を取り戻し、気候変動への取り組み方法について合意形成が実現するように努めると発言。メルケル氏は、米中対立などによる貿易摩擦の解消が望ましいという立場を共有し、安倍氏を支持している。

先のドイツ政府高官は、日独首脳の連携はトランプ氏の出現や中国の台頭、ロシアからの「挑戦」といった国際政治情勢の変化によってもたらされたと指摘する。

ただ日本は防衛力の観点で米国への依存が大きい分、ドイツへの協力が制約されてしまう。例えば、トランプ氏が昨年離脱したイラン核合意を引き続き有効化するため、欧州連合(EU)はドルを使わないイランとの取引の仕組みを立ち上げたが、日本はこれに参加しないだろう。

それでもドイツ国際安全保障研究所(SWP)の日本専門家ハンス・ヒルパート氏は「欧州と日本のいずれでもトランプ氏が政権運営する米国の信頼度が下がっていることは、日独が新たな協力を模索する追い風になる」と述べた。

メルケル氏は12社の代表団を伴って来日するが、商談は予定されていない。天皇陛下とも会見する。

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