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『男はつらいよ』が嫌い、という投稿が話題に 「性格に難ありの自称テキ屋がやりたい放題やっているだけ」

男はつらいよ

映画『男はつらいよ』シリーズは、1969年から1995年までの26年間で全48作品も公開されている国民的映画作品だ。だが、はてな匿名ダイアリーに1月某日、「『男はつらいよ』 という作品が嫌い」と言い切るエントリーがあった。

「自分は好き放題しておいて他人のやっていることには口をはさみ、逆に自分が指摘されると逆ギレする」

と、主人公の車寅次郎のいい加減なキャラクターに嫌悪感がとまらない投稿者。

ラストでは人情味あふれる寅次郎の魅力で終わるように見えるが、

「実際はそうでもなく、性格に難がありすぎて結婚もできない独身の自称テキ屋という男が、やりたい放題やっているだけの作品だったりする」

と、思いのたけをぶちまけた。(文:okei)

「妹は大学出のサラリーマンと結婚させるんだ」なんて言う寅さん

筆者は寅さんに特別な思い入れはないが、今回アマゾンプライムで1作目を視聴してみると、これがまったく投稿者の言う通りなので笑った。

独身で家もないテキ屋の寅次郎は、中学生のとき父親とケンカをして家出。20年帰らなかったというから35歳くらいの設定だろう。両親と兄が亡くなり、妹のさくらは団子屋を営む叔父夫婦に育てられたという設定だ。

この寅次郎が20年ぶりに柴又に戻ってきたところから話は始まるが、下品な言動で妹の見合いをぶち壊すわ、怒れば簡単に手を上げるわ、まあクズである。投稿者が例として挙げていたのは、メロンを取っておいてくれなかったと周囲をグチグチ責めてヒロインに怒られ逆上するという場面だが、やはり1作目もわがままで支離滅裂だった。

隣の印刷工場で働く青年たちに、

「あいつ(さくら)は大学出のサラリーマンと結婚させるんだ!おめえらみてえな職工には高嶺の花だ!」

などと非礼を言い出すが、自分は大学を出ているのかと詰められるとハッとして、果ては

「お前は大学出なきゃ嫁は貰えないって言うのか?お前はそういう主義か」

と説教を始める始末。矛盾だらけである。これを渥美清がべらんめえ口調でしゃべるのが面白いのだが、「理屈がおかしい!勝手で嫌い!」と見てしまうと、まるで楽しめないだろう。

投稿者は、父親が暇さえあれば同シリーズを見ているけれど自分には理解できないし、昭和が愛した作品だというのも不思議がっていた。

「ああいうバカなやつでも生きていける社会に視聴者は安心する」

このエントリーには700近くブックマークがつき、様々なコメントが寄せられている。「わかる」と共感する声もけっこうあった。「そう、あのシリーズ嫌いなのよ。なんとも言えず嫌い。しかし神格化されていて嫌いと言いづらい」というコメントも。今どきあんな人、「ホントはいい人・人情がある」かなんかで胡麻化されないのだろう。

一方で、擁護する人も多い。

「ああいうバカで嫌なヤツでも人の助けになったり助けられたりで生きていける社会、共同体に視聴者は安心するんだよ。実際にはそんなものはなかったから余計にね」

急激な経済成長に戸惑った人たちにとって「ガス抜き的な作品だったのでは」との分析や、「仕事が辛かったときに毎晩酒飲みながら見てた。適当でもいいんだなーって思って救われた」という人もいた。

しかしフーテンの寅さんですら(だからこそ、かもしれないが)、「大学出のサラリーマン」に嫁ぐのが女の幸せと思っているあたり、昭和の時代であっても当然ながら、すでに学歴社会・競争社会であることが分かる。その後の作品にも、寅さんの「大学出のエリート」に対するコンプレックスや無力さが晒される場面が結構あるのだ。

リアルタイムで観ていた人々は、まさに高度成長期でみんなが同じ方向を向いてモーレツに頑張っていた時期だ。自由奔放な寅さんを、「バカだなあ」と笑いながら、憧れる気持ちもあったのかもしれない。

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