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「火を付けて捕まってこい」パワハラ暴言の明石市長が辞意表明ーパワハラ発言とその擁護論の危険さー

明石市長が辞意を表明

道路拡張工事に関する調整の過程で「火を付けて捕まってこい」などと発言していた泉房穂明石市長が辞意を表明した。

道路の拡幅工事をめぐり、市職員に「火を付けて捕まってこい」などの暴言を浴びせたとして問題になっている兵庫県明石市の泉房穂市長(55)が「発言の責任を取りたい」として辞任の意向を固めたことが1日、分かった。
出典:明石市長が辞意 市職員への暴言問題で(神戸新聞)

明石市は人口が増えているし、子ども・子育て政策を充実させ、全国からも注目されてきた自治体のひとつだ。

それらの政策を牽引してきた泉市長だけに賛否両論を巻き起こすことになっている。

過去の業績や政治スタンス、人間性などを理由にパワハラを擁護することは危険

そのなかで、僕が看過できないのは彼のパワハラ暴言を含む擁護論だ。

例えば、友人でありリベラル派を自称してきた財政社会学者の井手英策慶應義塾大学教授は明石市長の「暴言」について思う。というブログ記事を更新した。

そのなかで「人間として言ってはならないことを言ったと僕も思う。」と看過できないことを前提としつつも、「しかし、政治の道は修羅の道だ。」と明石市長を擁護する姿勢を示している。

政治を遂行する上で修羅にならなければならない場面もあるとパワハラ暴言にも一定の擁護をしていると受け取れる。

井手英策慶應義塾大学教授とは「未来の再建」(ちくま新書)という共著を昨年末に出版したばかりで、様々に語り合ってきた信頼する友人である。これは非常に残念であり、今後も議論を続けながら労働問題を含むパワハラの危険さ、深刻な人権侵害について伝えていきたい。

彼の他にも泉市長が子育て政策や福祉政策に注力してきたこともあり、子ども食堂関係者や子ども支援にかかわる人々からの擁護論が後を絶たない。

泉市長とは全国各地の子ども支援を考える際の講演者やシンポジストとしてお会いしてきた。彼が各地を回り子ども支援政策の重要性を述べてきたことは間違いない。

しかし、僕は井手氏を含むこれら関係者の「条件付き擁護論」は危険だと指摘しておきたい。

まず、ブラック企業対策をおこなってきた際に、多くの労働者が悩みとして語ることは労働条件、賃金未払いへの不満だけでなく、人間関係である。人間関係のうち、内容を精査していけば上司からのパワハラ、暴言が頻繁にある。

このパワハラや暴言を受けた部下、労働者は心身に支障をきたしたり、休職や離職に追い込まれて苦しい生活を強いられる。

再就職後もその体験がフラッシュバックし、働くこと自体が難しい状態に置かれる事例もある。あるいはパワハラや暴言を苦にして自殺にまで追い詰められてしまう人もいる。

ニュース報道される事例はごくごく一部であり、これら被害者の声は社会的に圧殺されており、パワハラ被害の深刻さは社会問題であるにもかかわらず鮮明になっていない。

要するに、パワハラや暴言は労働者の心身を破壊する、あるいはその可能性がある重大な人権侵害だ。

いかなる理由であれ、一点の擁護すら困難なものである。絶対にパワハラ、暴言を容認したり、そう受け取られる言説を展開するべきではない。

このようなパワハラや暴言が許されるのであれば、同じような手法を選択する者も現れるだろう。

それは次の加害者と被害者という関係性を生むし、それらの言動を強化することにつながりかねない

「正義」のためになにをやってもいい、その遂行のためにはある程度の犠牲は仕方がないのだ、と妥協を繰り返すことは歴史的に見ても危険なのである。歴史を大事にするリベラル派は特に理解できるはずだ。

労働者側は社会的に弱い立場であり、パワハラ被害者は常に抑圧された関係性のなかで発生してくる

今回のようなパワハラ暴言擁護論がパワハラ暴言に一定の意味付けをして、仕方がないこと、指導をする際によくあること、必要悪であること、とパワハラ上司を助けてきた。パワハラ擁護論はパワハラ暴言行為を擁護する際に繰り返し聴かされてきた言説である。もううんざりである

なぜ人権侵害が一定の条件のもとで擁護されなければならないのか。実際の労働者が破壊され苦しんでいるのに、である。

改めて、泉房穂明石市長のパワハラや暴言に強く抗議し、その言動に一切擁護する点は見受けられない

辞意という一定のけじめを評価しつつ、パワハラや暴言を根絶する姿勢を鮮明にし、再発防止を徹底していただきたい。

※Yahoo!ニュースからの転載

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