記事

カナダ人を13人も捕まえた、中国の「人質外交」が止まらない理由

1/2

昨年12月のカナダ当局によるファーウェイCFO逮捕劇以来、中国でカナダ人が拘束される事案が複数件起こっています。あからさまとも言える中国のこの「不当逮捕」ですが、「中国は歴史的に人質外交の国」と言い切るのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。

黄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、これまで繰り返されてきた中国による「人質外交」を詳述するとともに、他国民をスパイ容疑で逮捕する中国こそが古代からのスパイ国家であり、そんな中国にとって日本はスパイ天国であると記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年1月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】中国は歴史的に「人質外交」の国

またカナダ人が逮捕された!

また中国でカナダ人が逮捕されました。今回はマカオで、カジノ会社と銀行から2.4億ユーロを騙し取ろうとした容疑で、61歳の男性が文書偽造で捕まったとのことです。

2018年12月1日に、ファーウェイの経営幹部・孟晩舟がカナダ警察当局に逮捕されて以来、中国でカナダ人が逮捕されたりカナダ人容疑者に死刑判決まで出ていることは、ご承知のとおりです。今回逮捕されたカナダ人が、本当に詐欺を働いたかどうかはわかりませんが、「自由時報」は、ファーウェイ事件との関連性を匂わせる見出しで報じています。

昨年12月14日には、中国で麻薬密輸に関わったとして、一度有罪判決を受け、控訴していたカナダ人男性が、大連市の中級人民法院で死刑を言い渡されました。彼が逮捕されたのは2014年12月ですが、2018年11月には禁錮15年の有罪判決が出ていました。

これを不服としてカナダ人男性は控訴していたのですが、ファーウェイ幹部が逮捕された後の12月になって、中国の検察が「麻薬密輸の中心的人物だったことが発覚した」と新たな告発を行ったことで審理がやり直しとなり、死刑判決が出されたわけです。

中国、カナダ人男性に死刑判決 ファーウェイ問題で関係悪化

カナダのトルドー首相はこれに対して、「カナダ人が罪に問われた事件で、中国が恣意的に死刑を適用し始めたことを、我々は政府として強く懸念する。国際社会の友好国や同盟国にとっても懸念すべき事態だ」と指摘しています。

この死刑判決の前日には、休職中の外交官ら2人のカナダ人が「中国の安全を脅かした」という理由で拘束されています。今年の1月4日時点で、ファーウェイ幹部逮捕以降、中国で逮捕・拘束されたカナダ人は13人にのぼるとされています。

カナダ人、中国で13人拘束 ファーウェイ事件以降

カナダ外務省のホームページでは、中国への渡航は「細心の注意が必要」と警告しています。

Government of Canada China

このように、中国が人質を取って交渉するやり方は、「人質外交」とも呼ばれており、これまでもよく繰り返されてきた手法です。

たとえば、台湾人もよく中国で逮捕されています。とくに蔡英文政権になってからは、台湾人逮捕が目立つようになっています。2017年3月には、台湾民進党の元職員で、中台交流を推進していたNGO活動家の李明哲氏が、広東省で中国当局に逮捕されました。その容疑も「中国の国家安全に危害を与えた」というものでした。

恣意的に台湾人を逮捕?中台交流推進の活動家を拘束する中国の非情「蔡英文政権への警告だ」

その後、彼は国家転覆罪で懲役5年の有罪の判決を受け、現在も中国の監獄に入れられたままです。

中国:面会できない収監中のNGO職員

台湾政府は中国に対して、明らかな人権侵害であり、蔡英文政権への政治的な脅迫だと、批判しています。

歴史的にも、中国政府は人質外交を繰り返してきました。たとえば、「西安事件」もそのひとつです。1936年12月12日、西安で蒋介石が張学良に拉致監禁され抗日戦争で共産党との協力を迫られたというものです。解放された蒋介石はこれ以後、それまでの共産党攻撃を取りやめ、一転して共産党とともに抗日戦争へと向かうようになりました。

西安事件の全容はいまだ謎に包まれていて、蒋介石の息子である蒋経国がソ連に人質として取られていたため、蒋介石は国共合作を行わざるをえなかったという説もありますが、いずれにせよ、なぜ蒋介石が突然、共産党と協力関係に回ったのかは明らかになっていません。

中華民国の著名な文学者である胡適は、「西安事件がなければ共産党は間もなく滅亡していたはずだ」と語っています。

こうした成功体験があるからか、中国共産党はいまだに「人質外交」を続けているのです。

あわせて読みたい

「中国」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    小室騒動招いた宮内庁の調査不足

    毒蝮三太夫

  2. 2

    不摂生後悔…堀ちえみガンと闘う

    渡邉裕二

  3. 3

    日本の信頼落とす中国パクリ企業

    メディアゴン

  4. 4

    大川長男 脱会原因は清水富美加

    文春オンライン

  5. 5

    日本企業の英国撤退 次は韓国か

    早川忠孝

  6. 6

    24時間営業に固執 コンビニの闇

    猪野 亨

  7. 7

    両陛下と秋篠宮さま 緊迫の90分

    女性自身

  8. 8

    よしのり氏 安倍首相は平和ボケ

    小林よしのり

  9. 9

    全荷物を機内持ち込みにする利点

    内藤忍

  10. 10

    ホンダ イギリス工場撤退の衝撃

    ヒロ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。