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東証が売買制度見直しへ、HFTに対応 急変動を抑制


[東京 30日 ロイター] - 東京証券取引所が売買制度の見直しを検討している。「連続約定気配」の改善により、高頻度取引(HFT)による急激な価格変動の抑制を目指すほか、大引け時に売買を成立できる値幅の拡大でパッシブ型運用のニーズに応える。中長期の投資を呼び込むうえでプラスとの指摘がある一方、大引け時の株価変動リスク拡大を懸念する声も出ている。

この見直しは株式売買システム「アローヘッド」のバージョンアップに合わせ、今年11月に実施する予定で、東証はパブリック・コメントの募集を始めた。

「連続約定気配」は、個別株の取引で更新値幅の2倍を超える範囲へ価格が急変動する際、範囲外での取引を1分間成立させない制度。現在は連続約定気配の値段で板寄せが成立すると、通常取引に戻る仕組みだが、今回の見直しでは、例外なく1分間取引を成立させないするようにする。

これまでHFT業者の取引によって措置が即座に解除されるケースがあり、結果的に価格急変を抑制するという制度の目的が骨抜きになっているとの指摘も出ていた。

市場からは、今回の見直しについて「流動性は確保しなければならないが、頻繁にフラッシュクラッシュが起きるようでは、市場の不安定さが増す。中長期的に資産形成をしたい投資家にとってはプラス」(国内証券)との声が出ている。

さらに見直しでは、大引けに売買を成立できる値幅を拡大することも検討している。現在は制限値幅に特別気配の更新値幅を加えた値段まで売買を成立できるが、今後、制限値幅に加える更新値幅を2倍にする。これまで大引け時の注文が一方に偏り、ストップ高比例配分、ストップ安比例配分となっていた場合でも、今後は注文が約定する可能性が高まる。

株価指数に連動した運用成績を目指すパッシブ型の運用が増え、大引け時の売買ニーズが以前に比べて高まっている。「適切な価格形成が円滑に行われるようにするための措置」(東証)としているが、結果的に大引け時の株価の値幅が広がることも一部で懸念されている。

市場では「終日の出来高に占める引けの出来高の比率は、過去と比べて格段に高くなっている。今後一層、VWAP(売買高加重平均価格)などというものは、執行の優劣を測るベンチマークとして意味をなさなくなるおそれもある」(外資系証券)との声が出ている。

(杉山健太郎 編集:伊賀大記)

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