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憲法が改正されても自衛隊の現実は変わらない

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憲法が改正されても自衛隊の現実は何も変わらない。右も左も関係なく、現実を知ってほしい、と訴える元自衛隊レンジャーの井筒高雄さんの講演を聞いた。


■制度上、海外で戦闘できるが

 井筒さんは、すでに自衛隊は米軍と一体化されており、安保関連法制で海外での戦闘(=戦争)もできる組織となっている。専守防衛ではない行動も行っている。しかし、予算はなく実際の戦闘の経験もないため、どれだけ実践経験のある外国の部隊と一緒に戦えるのかは疑問だ。

 今、イージスアショアの配備が問題視されているが、あくまでもグアムなど米軍基地を狙うミサイルを迎撃するためのものであって日本のためではない。北朝鮮の核爆弾に脅威を覚えるかもしれないが、日本を攻撃しようと思えば、数の少ない核兵器を使う必要はなく、通常のミサイルで原発を狙えばいいだけのこと。

 日本周辺で考えれば、いざとなれば米軍が助けてくれると思うかもしれないが、米軍と比較すれば中国軍は数的には有利。現実の戦争では、地上戦を制することが必要で、そのためには指令を出す幹部(将官、佐官、尉官)ではなく、曹、士(昔でいう一等兵、二等兵)が重要になるが、満足な充足率となっていない状態で戦えるのか(図は平成30年版防衛白書の「自衛官の定員及び現員」。充足率は、73.7%)など国防を客観視する重要性を話されていた。


■賞恤金

 なかでも、殉職した自衛官に満足な賞恤金(遺族への弔意金)が支払われていない。2015年に安保関連法案を閣議決定したさいの記者会見で安倍首相は「殉職自衛官は1800人いる」と述べたが、賞恤金が支払わられた自衛官数は公式資料に上がっている2002年までで332人。防衛省人事教育局によると2009年以降に支払われたのはわずか「4件」に過ぎず、全ての殉職者に賞恤金が支払われていないことは明白だ。

 一般的に戦死の場合、二階級特進となり退職金、賞恤金、遺族年金が支払われるが、現状は、公務死の扱いになり一階級特進となるだけだ。南スーダンで死亡したケースでは、事故死、病死となっていた。PKOで海外に行く自衛官には任意の保険があるが、「戦争、その他の変乱」の場合には死亡保険金を支払わないと書かれており、もし海外の戦闘で死亡したら支払われない。
 
 一方、太平洋戦争で戦死された方の遺族には、今でも遺族年金が支払われている。戦闘ができる状況にあるなかで、予算をたてているのか(平成30年度予算で恩給関係費は約2500億円)。
 ベトナム戦争で米国の国益のために韓国は延べ32万人を派兵したが、死者は約5,000人といわれており、恩給を出すことになる。日本は憲法9条があったことでベトナム戦争へ派兵しなかったが、今では実質として可能となっているのだから、威勢の良い話だけでなく、予算でも考えるべきではないかと指摘されていた。

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