- 2019年01月31日 06:59
新井貴浩がトークショーで語った本音 広島カープへの思いとは
2/3更新できなかった連続本塁打記録
続いて、2000本安打達成や、16年9月のカープ25年ぶりリーグ優勝など、新井さんの活躍を紹介するスポニチの紙面が紹介された。
2005年6月28日、阪神タイガース戦。新井は6回表、井川慶投手から6試合連続の本塁打となる20号2ランをバックスクリーンに放つ。ランスが持つ球団記録(1987年)に並び、王貞治、バースが持つ7試合連発の日本記録に王手をかけた。
――もう1本で日本記録でした。
新井 (次の試合で)結局打てなかった。最終打席、ピッチャー久保田君(久保田智之元阪神投手)だったんです。すごい甘いスライダーを、これ以上ないくらい力んで(笑)。思い切り打ち損じで打てなかった。ど真ん中のスライダーを「来た!!」と思って、力み過ぎて全然バットが出てこない(笑)。内野フライだった気がするんですけど。
黒田さんに最多勝を 執念の勝ち越しスリーベースヒット
――ただ、この年は43本塁打でホームラン王になりました。
新井 やっぱりうれしいですよね。長距離というのは西武の中村剛也内野手とか、もともと長距離としてのバットの角度を持っている人がいるんです。僕はどちらかというと中距離です。
尾関 この年は黒田さんが最多勝を取られたんですよね。
新井 そうですね。僕もホームラン王だったんですけど。チームは最下位と。
尾関 この年で一番覚えているのが、黒田さんの最多勝を決めるときに最後新井さんが三塁打打たれて、「それ(最多勝)を確定させられた時が何よりもこのシーズンうれしかった。ホームラン王取ったことよりも」と。僕はそのセリフに本当に泣いて。
新井 よく覚えていますね(笑)。
尾関 めちゃくちゃいい話だったんですよ。
新井 下柳さん(下柳剛元投手・当時阪神)と黒田さんが並んでいたんです。神宮球場で大竹寛(現・巨人投手)が先発で途中まで勝っていて、5回で黒田さんにチェンジしたんです。黒田さんに最多勝を取らせるために。そしたら、黒田さんが逆転されちゃった。で、そこからまた追いついて、最後に僕が勝ち越しのスリーベースを打った。
すごく気合入っていたから3塁打打って、ガラガラのスタンドなんですけどベンチに向かってガッツポーズしました(笑)。ツーアウトだったから、黒田さんもベンチ前でキャッチボールしていて、手を上げてくれたんです。忘れられないですよ。
尾関 泣きそうですね。

市民球場でブーイング カープファンの気持ち「分かる」
2007年11月にカープからFA移籍で阪神。それまでカープで野球人生を全うする趣旨の発言をしていたため、ファンの大きな批判を浴びた。その7年後の14年11月、阪神に自由契約を申し入れた新井の獲得に動いたのはまさかの古巣・カープ。背番号「28」のユニフォーム姿で会見に臨んだ新井は、「泥だらけになる」と誓った。
尾関 マツダスタジアムが新井さんに大声援を送ったりして。(阪神の選手として)敵としてきたときはブーイングがあって。丸さんもどうなるかみたいな話もあります。
新井 自分の場合は広島で生まれて、広島で育って、小さいころからカープファンだった。(阪神に)移籍して、初めて市民球場でタイガースのユニフォーム着て対戦するときは、すごいブーイングでした。罵声が飛んで。でも、バッターボックス立ちながら、「うん。分かる。その気持ち分かる。ごめんね」って言いながら、ヒット打ってましたから(笑)。
健さん(高橋健・元広島投手)が一戦目の先発だったんです。結局2本ぐらいヒット打ったんですよ。それで、打席重ねるたびにブーイングがすごくなってきて。次の日、宮崎(宮崎充登・元広島投手)が先発だったんですよ。キャッチャー石原(石原慶幸捕手)でした。全部インサイドに構えるんですよ。
で、4球目か5球目くらいに背中にドンって当たって。その時にメチャクチャ沸きましたから、市民球場が(笑)。僕も「痛っっ!」とか思いながら、「仕方ない」と思って。気持ちが分かっていたんで。僕がもし、僕っていう選手がいて、市民球場にカープファンとして行ったら、絶対にボロカス言っていますよ。
尾関 丸さんもそういう気持ちかもしれません。
新井 みなさんがどう感じていらっしゃるかはわからないですけど、僕は普段からカープのみんなを「家族」って言っているんで、丸って弟みたいな感じなんですよ。弟が移籍したところで、そういう感じなんです。僕には良太(新井良太・元阪神内野手)って言う弟がいるんですけど、良太が移籍しても心の中では、「がんばれよ」って応援している自分がいると思うんです。ただ、違うところで打ってくれよとはもちろん思いますよ。
関東のカープファンで埋まる神宮球場 「本当にありがたい」
新井はカープ復帰2年目となる2016年シーズン。4月28日のヤクルト・スワローズ戦で史上47人目となる2000本安打を達成。8月2日に同じヤクルト戦で史上42人目の300本本塁打を記録した。ともにビジターの神宮球場での記録達成だった。
――神宮球場には本当にご縁がありますね。
新井 大学で4年間お世話になった球場です。高校生にとって夢の舞台は甲子園、大学生には神宮なんです。思い入れはすごいありますよね。
――カープファンの熱さみたいなのもありますね。
新井 すごいですよ。
尾関 黒田さん最多勝の時にガラガラだったスタンドが今では。
新井 今ではホームみたいな感じですよ。本当にありがたいです。「これは当たり前じゃないぞ」とはちょくちょく若い選手に言っているんですけど。俺たちのころは、神宮も市民球場も「夏以降は(観客の数が)数えられたからな」って言っていた。今はすごい恵まれています。
黒田投手と喜んだ25年ぶりのリーグ優勝 「今も目頭熱くなる」

新井が復帰して2年目の2016年シーズン。9月10日、カープは巨人戦に勝利して25年ぶりのセ・リーグ優勝を飾り、トークショーでは黒田投手と抱き合って喜ぶ新井さんの写真が紹介された。日本シリーズで敗れ32年ぶりの日本一を逃す。今季限りで黒田投手が現役を引退した。
新井 忘れられないです。今読んだだけでも、若干鳥肌が立つ。今でもふとしたときに、黒田さんと東京ドームで抱き合ったのって、ぱっと出てくるんですよ。そうなると今でも目頭が熱くなります。ちなみにこれ、先に泣いたのは黒田さんですから(笑)。僕は我慢していたんですよ。抱き合った時に黒田さん号泣していたんで。それで一気にダメになりました。
――抱き合っているときは涙が言葉みたいな形だったんですか。
新井 言葉にならなかったです。二人でただ嗚咽していたみたいな(笑)。何もしゃべっていないですもん。
尾関 『おっさんずラブ』的な(笑)。
代打逆転スリーランの七夕の奇跡 打席回る予感した
セ・リーグ2連覇をかけた2017年シーズン7月7日のヤクルト戦。5点を追うカープは9回表、バティスタ外野手、菊池涼介内野手のソロホームランや、松山外野手のタイムリーで2点差に追い上げ、2死1、3塁でバッターボックスは代打の新井。バックスクリーン直撃の逆転3ランで試合を決め、「七夕の奇跡」とも呼ばれた。
新井 なんか自分に回ってきそうな予感がしていたんです。で、ツーアウトで龍馬が打席に立っていて、追い込まれても粘ったんです。その時に「あっ、これ絶対回ってくる」と思いましたね。ホームみたいな感じで、ファンもすごい盛り上がりだったんで。気持ちはグーっと上がっているんですけど、頭の中はクリアというか冷静でした。景色だとか、全部覚えていますもん。
打席に立って頭の中で自分と会話していました。「次は簡単に入って来ないぞ。カットボールぐらいから入ってくるぞ」みたいな感じで、結構当たるんですよ。「がっつくなよ。バッティングカウントになっても、がっつくなよ」って。
尾関 もう一人の新井さんが。
新井 打った瞬間入ったと思ったので、一塁ベース回ってガッツポーズかなんかしたんですよね。2塁行くときにレフトスタンドみてましたから。すごい盛り上がっている感じで。2塁から3塁まで行く間に内野の3塁側が総立ちだったんで、そういうのも全部見えていました。すごく冷静でした。



