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映画館でエロゲを観た!──『劇場版 Fate/stay night heaven's feel』

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映画館で、エロゲを観てきました。


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 『劇場版 Fate/stay night heaven's feel』について、私はまっとうな感想をまとめることなんてできない。ましてや論評など不可能である。なぜなら、この作品について冷静に語ることなど不可能のように思えるからだ。
 
 だが、叫ぶことならできる。
 だから咆哮したい。
 これは映画館で上映しているエロゲだ、と。  

【映画館の状況について】

 公開から二週間ほど経ち、また朝早い時間だったけれども、その割にはお客さんがいた。私はアニメ映画をみる時には必ず客層を確認するが、洒落た格好のお兄さん、ヤンキーみたいな恰好のお兄さん、パッと見てオタオタしさが感じられないお姉さんなどを確認した。
 
 その一方で、古式ゆかしいオタクがマシンガントークを繰り広げている姿も見かけてホッとした。50代とおぼしき古参オタクの姿もあった。
 
 外国人が結構いたことにも驚いた。日本で最新のアニメ映画を観るという状況に、彼らはかなり高揚している様子だった。
 
 「Fateシリーズはいろいろな人に愛される作品になった」、としみじみ感じ入る客層だった。  

エロゲ映画ではなく映画エロゲだ!

 
 で、エロゲである。
 
 私は『Fate/stay night』で一番好きなサーヴァントはメデューサだ。で、このheaven's feelは、メデューサとそのマスターの桜が活躍する作品なので楽しみにしていたが、いち早く視聴したtwitterユーザーが「今回の劇場版Fateは、エロゲに寄せてきた」「処女が云々というのは00年代前半のエロゲ的文脈で~」などと喋っていて、一体何のことだろうと気にしていた。
 
 はたして、百聞は一見にしかず。
 
 キャラクターの輪郭はさすがに2010年風にリニュアルされていて、90年代の面影を上手に残しつつも、うまく現代化させてあった。
 
 戦闘シーンも、2010年代の日本アニメならではの、少し漫画に寄せたようなデフォルメをふんだんに使った、強調すべき線を余すところなく強調した、思い切りの良いものだった。「黒セイバー」がまさに00年代に語られた頃の黒セイバー風というか、FGO風のセイバー・オルタではない感じがするのも好感が持てた。
 
 それと、映像化されているだけあって、エロゲではテキストと立ち絵に頼っていた凛やイリヤの表情がわかりやすくなっていた。言峰綺礼の、ほとんど喜劇のようなうわずり芝居がかった台詞と愉悦表情もいい。
 
 映画というメディアの強みを生かし、『Fate/stay night heaven's feel』を美しくリファインした作品だったと思う。
 
 だがこういった御託はどうでもいい。「エロゲが映画館で上映されていた」、という事実が私にはどうにもたまらなかったのである。
 
 エロゲは90年代~00年代にかけて、界隈をリードしたジャンルだった。『Fate/stay night』もまた、そうしたジャンルのそうした状況の最中にリリースされている。
 
 この映画は、その2004年のエロゲの面影をきっちりと残したまま2019年に公開されていた。
 
 映画らしい映画だったのかは、私にはわからない。
 エロゲを映画化した作品だったかといわれると……いや、違うと思う。
 これは、映画というメディアを用いてリファインされまくった、エロゲである。
 
 というのも、衛宮士郎の逡巡も、桜の「体当たり演技」も、凛やイリヤのヒロインっぷりも、すべてエロゲの時代に魅力とみなされていたものを余すところなく表現していて、あえて、エロゲ回帰しているように見受けられたからだ。

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