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波乱の幕開け

 1月28日、通常国会が召集されました。会期は6月26日までの150日間です。28日に安倍総理の施政方針演説など政府4演説が行われ、衆院においては30及び31日に各党の代表質問が実施されます。私は31日の午後、新会派「社会保障を立て直す国民会議」(略称は社保)を代表して登壇します。

 国会審議の大きな焦点になってきたのが、昨年末に発覚した厚生労働省による不正な統計調査問題です。賃金や労働時間の動向を示す「毎月勤労統計調査」は、統計法違反といえるでしょう。雇用保険や労災保険はこの統計をもとに決まるのですが、15年にわたる不正によって過少給付された人は延べ約2千万人にのぼり、過少支給の総額は数百億円にも上ります。

 平成16年から不正が続いていたということは、民主党政権下でも見過ごされていたということです。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とお叱りをうけても仕方がありません。与野党を問わず、各種給付について正しい支給額をお支払いできるように努めなければなりません。また、徹底した検証と真相解明もしなければなりません。

 さらに、昨年1月に政府が新たにデータを加工したことが、賃金の上昇率の水増しになった疑いも浮上しています。6月調査では、労働者1人当たりの現金給与総額(名目賃金)の平均が、速報で前年同月比3・6%増を記録し、メディアはこぞって「アベノミクスの成果」だと報道しました。統計数字を使った忖度や印象操作があったのかどうか、これも重要な論点です。

 2010年1月、欧州委員会がギリシャの統計上の不備を指摘したことが報道され、ギリシャの財政状況の悪化が表面化しました。それが南欧に飛び火し、そして欧州全体に債務危機が連鎖したことは記憶に新しいところです。政府統計への不信は、亡国への途につながりかねないと肝に銘じるべきです。

 2月からは衆院予算委員会が始まります。平成31年度予算案は、一般会計総額が101兆4,564億円。昨年度よりも3兆7千億円も増加し、当初予算として初めて百兆円の大台を超えました。過去最大規模の予算です。

 昨年11月20日、財政制度等審議会が麻生財務大臣に対して、「平成31年度予算の編成等に関する建議」を提出しました。その中で、平成を「常に受益拡大と負担軽減・先送りを求めるフリーライダーの歪んだ圧力に税財政運営が抗いきれなかった時代」と厳しく総括しています。そして、「先人達や、新たな時代そして更にその先の時代の子供達に、平成時代の財政運営をどのように申し開くことができるであろうか」と、政策の失敗まで認めています。

 そして、「平成という時代における過ちを2度と繰り返してはならない」と指摘した上で、「平成31年度予算は新時代の幕開けにふさわしいものになることを期待したい」と、結んでいます。この財政審の建議を黙殺した予算案を、例年以上に厳しくチェックする決意です。

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