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ゾーニングから排除へ

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どうやら、日本の大手コンビニが「成人向け雑誌の販売」やらを中止するらしい。(*1)

はて、一体どこの日本の大手コンビニで「成人向け雑誌」などが扱われているのだろうか?

まず明確にしておかなければならないのは、販売を中止するも何も、現在の日本の大手コンビニで「成人向け雑誌」は一切、扱われていないのである。

では、何の取扱いを辞めるかと言えば「類似図書」の取扱いを辞めるのである。

「成人向け雑誌」は出版社側が成人向けとして販売することから、表紙などに成人向けであるという旨のマークが印刷されている。こうした雑誌はコンビニに対して出荷されていない。

一方で、成人向けでない雑誌の中から、業界団体等が独自の基準で18歳未満には販売しないと決めている書籍が「類似図書」であり、今回扱われなくなるのはこれである。(*2)

類似図書は大手コンビニであれば「日本フランチャイズチェーン協会」の基準の下、コンビニ各社で決定され、自主規制としてシール留め(いわゆる「青シール」)された上で、各コンビニに配本される。そして「成人向け雑誌」などと書かれた敷居で区切られた棚に、他の書籍とは分けて陳列される。(*3)

一般の人が類似図書を成人向け雑誌などと言ってしまうのは仕方ないが、報道レベルではちゃんとそのくらいの前提は調べてから報じてほしい。

さて、では今回、類似図書の取扱いを辞める理由はなんだろうか。

理由はいくつか考えられるが、まずはコンビニチェーンとしては1つに「性的な内容の雑誌を忌避する社会の要請に従った」ということがある。しかしそれと同時に「そもそも類似図書が売れない」という現実もあったと考える。

例えばBBCのニュースに貼られた写真を見てもわかるように、類似図書は雑誌売場の隅に追いやられて久しい。(*1)(*4)

理由としては、やはり単純にエロい本を書いたければ、ちゃんと成人向けとして売られている成人向け書籍を買えばいいということがある。成人向け書籍は基本的に書いづらい物であることから、ネットでの通販や電子書籍と相性がよく、わざわざコンビニで中途半端な書籍を店員に顔を晒して買う理由が無くなったのである。

今、コンビニで類似図書を買うのは、ネットや電子書籍に馴染めないお年寄りであるとされているが、お年寄りでもネットなどを使いこなす人も少なくない。また当然、今ネットを使っている世代がお年寄りになれば、ネットを使い続けることだろう。類似図書の販売が増えることは考えづらい。

いずれにしても縮小傾向なら、オリンピックを機として健全なコンビニエンスストアをアピールしようという判断もあるだろう。

最近は過疎化による買い物難民問題が発生し、行政を通してコンビニを誘致しようという動きもある。そうした中で類似図書の取扱が誘致の上で問題になりうる可能性がないとも言えない。

今回、バタバタと一気にコンビニ大手三社が取扱いの中止を判断したのは、他社との競争において類似図書を取り扱うメリットよりもデメリットのほうが高いと判断したのだろう。

そうした理由でコンビニが類似図書の取扱いを辞めることは残念ではあるが、営利企業である以上、将来性のない商品を売り場から排除したり、行政に向けていい顔をするのは仕方ないと僕は考える。

では、コンビニ業界が類似図書の取扱いを辞めることには、一切何の問題もないのだろうか?

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