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生命保険会社が堕ちるブラックな老人ビジネス

・明治安田保険、介護事業参入。

明治安田生保は28日、介護事業に参入すると発表した。
介護付き有料老人ホームを運営する「サンビナス立川」の発行済み株式の約90%を約4億円で取得し、子会社化した。(読売新聞、29日)
・1999~2000年にかけて起きた保険金・不動産取引にかかる連続殺人事件の「関係者」、岡田 毅さん(仮名)へのインタビュー。(新潮45編、「凶悪」より)

岡田さん
「年寄りは言うことを聞くように手なづけておけば良い。不動産は売って、安アパートに住まわせ、必要に応じて小遣い銭をあげてやればいい。土地をだまし取られていることにも気づかず、とても感謝されるよ。」
・・・・中略・・・・
「俺が今何をしているかって?横浜市内で老人介護関連のビジネスだよ。」
これから多老・多死時代を迎える日本国内の市場では、老人からいかに収益を得るかが多くの企業にとっての課題になる。

(蛇足だが、「老人から収益を得る」ビジネス・スキームは今後日本と同じ多老・多死社会に移行する先進国・新興国でも適応可能なので、様々な分野での分析が進んでいる。)

老人の特徴はいくつかあるが、2つに絞ると
(1)貧富の差が大きい。
(2)認識レベルが急激に低下する。

まず、(1)、富者と貧者では、適応できるスキームは違う。貧者をターゲットにすれば、利益の出所は年金、生活保護を支給する政府で、富者をターゲットにすれば、出所は自分名義の所有資産になる。

次に(2)、認識レベルの低下した時期を狙って、「ビジネス」は発動する。

富者を狙ったスキームでの恰好の「獲物」は、親類・縁者のつながりが薄く(あるいは「協力的な」遠縁がいる)、独り暮らしかそれに近い老人で、例えば上述の岡田さんのやり口では、老人介護ビジネスを通してつながりのできた老人の中から条件に合う適切な「獲物」をスクリーニングして、資産をむしりとる、といったものだろう。

実際、私が現実に知っているケースでも似たような例はある。
資産家の老人を遠縁のめいが施設に入れ、判をつかせて不動産を転売したり、預金を引き下ろさせたりする。本人の周りから(電話・手紙など)コミュニケーション・ツールをすべて排除し、余計な接触はさせない。

明治生命保険会社が老人ホームを経営する意図は、もちろん、このような「ブラックな」ビジネスにあるわけではない。
しかし、「年寄りを手なづけて」保険会社に有利な契約を結ばせるインセンティブが働く可能性は高い。一般にインセンティブがあるところにはアクションが伴う。

厚労省をはじめ役人の皆様は、超高齢社会への対応として医師の専門性強化だとか在宅医療の推進だとか「表向き」の理想像の追求には熱心だが、現実(の少なくとも一部)は置き去りにされている。
(今後、在宅が推進されると現実解離度は、なお更、大きくなる。)

私たちはある種、無法スレスレのジャングルのような時代に入りつつあり、「家族」が捌かなければいけない問題は、今後ますます膨れ上がるだろう。

「家族」のないものは、ライオンに喰われないように、利用可能なネットワークを使って防衛するしか手段はない。

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