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高校の「普通科」見直し、実現には課題山積み 若新雄純氏が語る教育現場の事情

普通科の存在が中学の生徒指導で役立っている、という現状です

政府の教育再生実行会議は今月18日、高校の普通科の改革を進める中間報告をまとめた。普通科は現在、高校生の7割が在籍しているが、学力や希望進路が多様化しているため、教育内容を見直す必要性が指摘されている。政府は文部科学省令を改正し、2021年度から導入する方針だ。

1月24日のモーニングクロス(TOKYO MX)では、慶應義塾大学特任准教授などを務める若新雄純氏がこの話題に触れた。改革の方向性や発想に賛成する一方、実現にはハードルが高いという考えを示した。

生徒指導で有効な「そのままだと〇〇高校の普通科に行けなくなる」という言葉

若新氏によると現在、中学校の教育現場では普通科進学を一つのゴールとした受験指導が、生徒指導のひとつとして利用されているという。生徒が基準に反する行動をしようとしたり、教員の指導に聞く耳を持たなかったりする時、普通科の受験に絡めて指導することが多いのだという。

「悪いことしてるわけじゃないけどこの教科しかやらないとか、この時間を頑張らないっていう生徒に有効な手段が『そのままだと〇〇高校の普通科に行けなくなるぞ』と」

多くの高校の普通科に進学するためには入試で5教科を平均的に取る必要がある。普通科に行くために必要な生活態度を取るよう指導することが、生徒や親にも響くというのだ。

画像は若新氏提供

最近では進路の多様化の流れに乗じ、5教科バランスよく勉強するのではなく、「英語だけを頑張って海外の高校へ進学する」という例もある。こうした「普通」ではない進路選択に多くの教員は、反対はしないものの「心の中では『成功事例として学校では語らない』と考えるようだ」と、若新さんは指摘する。

「そういうのもあっていいとしてしまうと、『僕もこの教科しかやらない』とかが出てくる。(高校の普通科を変えると)受験をゴールにした管理教育のあり方が維持できなくなる」

画像は若新氏提供

「普通」は管理や運営がやりやすく、個性や才能は認められづらい

中学校の指導で「普通」という基準が便利に使われてきた背景には、公教育の役割が関係している。学校は生徒の個性や多様性を育てる「プラスを伸ばす」ことも大事だが、公教育のミッションとしては大きくはみ出したりこぼれ落ちるような「マイナスを減らす」方向に力が入る。そのため、「マイナスを減らすために『普通』という基準を持って全体を運用しているのが現状だ」と若新氏は指摘する。

また、若新氏は番組後にキャリコネニュースの取材に対し以下のように語った。

「そもそも、普通科という名前に疑問を感じている人も多いと思われます。なぜ教養科とかじゃないのか。『普通』という基準をゴール設定することで、学校のクラスの管理や運営がやりやすくなる。その一方で、枠をはみ出すような個性や才能は認められづらい。『普通』という基準を使った教育の限界です。これは、会社などでも同じことが言えると思います。しかし、一人ひとりの違いに注目して個別にサポートするということは簡単ではない。全体性を守りながら、個別性にも注目するという新しい組織や教育のあり方が求められる時代になってきたと言えるでしょう」

教育再生実行会議は高校普通科の改革について今後も議論を進め、5月に出される第11次提言に盛り込みたいとしている。

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