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イギリスのEU離脱はそれほど愚かなのか 「英国のトランプ」の激ヤセに隠されたシグナル

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[ロンドン発]英国の欧州連合(EU)離脱協定が英下院で歴史的な大差で否決され、混迷が深まる中、1972年に惨劇「血の日曜日」が起きた英・北アイルランドのデリーで19日、自動車爆弾が爆発した。事前に警察署に予告電話があり、爆弾テロとみている。

1960年代以降、激化した北アイルランド紛争ではアイルランドへの統一を求めるカトリック系住民と英国との統一を守るプロテスタント系住民が対立、爆弾テロなどで約3600人が犠牲になった。離脱交渉を巡って争点化したアイルランド国境問題でテロが再燃する恐れが膨らんでいる。

2年半前のEU国民投票では最大野党・労働党の女性下院議員が殺害された。離脱派と残留派の分断がますます深まる中、残留派の保守党女性下院議員が議会前でTVのインタビューを受けている際、離脱派の市民から「ナチス」と罵声を浴びせられた。

英国で脳天気ぶりを発揮している2人の男

離脱合意の英議会承認に一縷(いちる)の望みをつなぐテリーザ・メイ英首相は眠れぬ夜を過ごしているに違いない。欧州や世界が固唾をのんで交渉を見守る中、英国で脳天気ぶりを発揮している男が2人いる。1人はエリザベス女王の夫、フィリップ殿下(97)。

高齢で公務から引退したにもかかわらず、四輪駆動のランドローバーを独りで運転中に交通事故を起こし、2児の母親(46)を負傷させた。この母親は「フィリップ殿下は謝りもしなかった」と怒りを英大衆紙デーリー・ミラーにぶちまけた。

そのわずか2日後、懲りないフィリップ殿下は新しいランドローバーに独りで乗り込み、シートベルトもせずに運転しているところをフォーカスされた。王室は英連邦の象徴だが、年をとっても変わらないフィリップ殿下の無軌道ぶりは気ままな英国人気質をそのまま映し出している。

「英国のトランプ」が激ヤセ

Getty Images

もう1人が、「合意なき離脱でも何の問題もない」とメイ首相の交渉をかき回す強硬離脱派のボリス・ジョンソン前外相(54)。2度の結婚と離婚、数々の浮名を流し「英国のトランプ」と大衆紙を賑わせてきたボリスが最近、なぜか「激ヤセ」しているのだ。

地方で遊説したボリスの目は落ちくぼみ、スーツはぶかぶか。ボリスも離脱交渉の混迷にさすがに憔悴したのか、体調を崩したのかと思いきや、新しい恋人キャリー・シモンズさん(30)のアドバイスで減量に成功、一気に12キログラム以上も体重を落としたのが真相だ。

夜にチョリソ(スペイン・イベリア半島発祥の豚肉の腸詰ソーセージ)とチーズをあてに酒をあおるのを止め、失言を防ぐためパーティーでも水を飲むようになった。キャリーさんは保守党の元広報責任者で、気の早い大衆紙は「将来のファーストレディー」と騒ぎ立てる。

昨年10月の保守党大会でボリスは強硬離脱派の熱狂的な支持を集めた(筆者撮影)

2年半前の国民投票でボリスが離脱派に回らなければ英国は残留を選択していた。ボサボサの金髪で自転車を乗り回し、小太りな風貌で周囲を笑わせる。ロンドン五輪・パラリンピックではワイヤー滑降を試みて無様に宙吊りになってみせた「政界のピエロ」。

英紙タイムズの見習い時代、退屈な記事を面白くするため談話をでっち上げて解雇された。ライバル紙デーリー・テレグラフに拾われ、ブリュッセル特派員となる。持ち前の諧謔(かいぎゃく)精神を発揮し「カタツムリが魚だって?」「ソーセージやチップスにも規制」とEUをこき下ろした。

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